エスせんブログ

ラノベ好きなB級小学校教師のエスせんが、教育中心に色々語るブログです。少しでも面白ければ「いいね」御願いします。

現実世界と異世界の交流が楽しい『ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん』

2024-10-31 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛語り。今回は少し間が開いて申し訳なかったですが、前々々回(R6.10.10)と前々回(R6.10.17)で論じた作品について、「では、実際のところ、この作品は面白いのか?」について述べます。
 取り上げる作品は、恵ノ島すず先生の『ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん』です。前々回の記事で書いた通り、ファンの間では『ツンリゼ』と呼ばれているそうなので、この先は『ツンリゼ』と書かせていただきます。
 この『ツンリゼ』、乙女ゲームの悪役令嬢リーゼロッテが破滅エンドを回避すべく頑張る話…なんですが、他の「悪役令嬢物」とは異なり、リーゼロッテは、ほとんど自分では頑張りません。頑張るのは、「実況の遠藤くん」と「解説の小林さん」と二人に関わられた乙女ゲームの登場人物たち(主に、二人の声が聞こえるメインヒーローの王子様であるジークヴァルト)です。
 「その、さっきから出ている『実況の遠藤くん』と『解説の小林さん』ってのは、何者なのさ!?」と突っ込む声が聞こえそうです。 (^_^;)
 実は遠藤くんと小林さん、現実世界…つまり、物語の中の現実の日本で、同じ高校のクラスメート&同じ放送部の部員と言う関係です。そして、放送の練習という名目で、この乙女ゲームをしながら実況&解説をしていたら、何故か、異世界の人物に声が届く様になってしまった…と言う設定となっています。
 この物語は、メッチャ「推し」キャラであるリーゼロッテの破滅を回避すべく、遠藤くんと小林さんが異世界に干渉する事を決意し、実際に干渉した結果がどうなるのか…が、第一の楽しみポイントです。遠藤くんも小林さんも懸命に頑張ろうとしているのですが、何せ、異世界の登場人物に語りかける事しか出来ません。語りかけた後は、相手の登場人物が動くのを見守るしかない訳です。
 この、もどかしさ!
 不確定要素が大きいだけに、「この後、どうなるのだろう…」と言う気持ちが強くなります。この辺り、作者の構成の巧みさを感じます。
 第二の楽しみポイントは、現実世界と異世界の両方で展開される恋愛ドラマの行方です。実は遠藤くん、密かに小林さんに恋しています。何故、恋する様になったのか…や、この恋は成就するのか…など、気になる要素はいっぱいです。リーゼロッテとジークヴァルドの恋、そして遠藤くんと小林さんの恋…現実世界が異世界に干渉する事で、どう二つの恋の行方が変わるのか。ここも惹き付けられる部分です。
 現在、私は原作を1巻までしか読んでいませんが、話の展開もスムーズで、構成上の問題点は感じません。この後、2巻を読むのが楽しみな作品です。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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年寄りは信用ならない…w

2024-10-30 04:30:00 | 介護狂詩曲
 水曜は介護狂詩曲。今回は、年寄りは信用ならない…(^O^)…と言う話を。
 令和6年10月のある日、母を連れて病院へ行きました。月に一度の診察です。
 出かける前、玄関先で母に尋ねました。「マスクは持ったかい?」母はポケットを探り、「大丈夫。持ってるよ」と答えました。これで安心。さっそく出発です。
 10分くらい歩いて、病院の前まで来ました。
 母はポケットを探り、「あら、大変」と言いました。「どうしたの?」と尋ねると、「マスクを持ってくるの忘れちゃった」と言うではありませんか。
 「そう言う事にならない為に、さっき聞いたんじゃないか~!」と、心の中で激しく抗議しましたが、もちろん、そんな事は言いません。にこやかに、「じゃ、俺の予備マスクがあるから、それを使って」と言って、予備マスクを手渡しました。
 病院に入って診察を受け、やっと会計の時間です。今回は、インフルエンザの予防接種やら、採血検査やらがあったため、いつもの金額の2倍以上となりました。もっとも、母は後期高齢者なので、それでも5000円以下ですが…。
 母は財布を探り、「あら、大変」と言いました。先程のデジャブの様な嫌~な予感を感じながら、「どうしたの?」と尋ねると、「お金が足りないわ」と言うではありませんか。
 「今日は予防接種があるって分かってたんだから、もっと財布にお金を入れてきてよ~!」と、心の中で激しく抗議しましたが、もちろん、そんな事は言いません。にこやかに、「じゃ、貸しとくね」と言って生活費の財布から出そうとしましたが…お札入れは空っぽです。
 やっべぇ。今朝、別な支払いのために生活費の財布に入っていたお札、全部使っちゃったのでした。
 仕方ありません。自分の小遣い財布からお札を出しました。これで、無事に支払い完了です…が、よく考えたら、この後、薬局へ行って薬をもらわなくてはなりません。結局、薬局でもお札の分は立て替えたのでした。
 今回の教訓。
 その1。ポケットの中の物は、きちんと取り出してもらい、本人と私の目を使ってダブルチェックする。
 その2。実家関係の病院へ行く時は、生活費の財布に万札を入れておく様にする。

 ところで、令和6年10月25日と28日のブログに、「いいね」などをいただきました。いつも、どうも、ありがとうございます。これからも頑張ります!
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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スペシャルがいしゃ降臨! 後編

2024-10-29 04:30:00 | 教育

 月・火曜は学校教育の話。今回は前回(R6.10.28)の続きで、令和6年度の会社活動の続報です。
 令和6年度、2番目に出来たイベント系の会社「おばけやしきがいしゃ」。7月に活動をして以降、8月も、9月も、全くイベント系の会社が結成される様子はありませんでした…が、10月、突如として「スペシャルがいしゃ」が結成されました。いわゆる「学級集会」や「お楽しみ会」と呼ばれる、王道路線のイベント系集会活動を行う会社です。
 多少の心配はありましたが、順調に準備が進められ…とうとう本番の日となりました。予め借りておいた体育館へ移動し、マイクやラジカセを私がセットし、「スペシャルがいしゃ」の集会活動が始まります。予定では、「ストップゲーム」「ハンカチ落とし」「かくれんぼ」「鬼ごっこ」の4ゲームを行います。
 大人的には問題点を感じないでもありませんでしたが、まず「ストップゲーム」が終わりました。その後は「ハンカチ落とし」。これも少しゴタつきましたが、何とか無事に終わりました。
 そして、「かくれんぼ」が始まりました。器具室に隠れる事は厳禁としたので、ほとんどの子はステージの幕の陰か、ピアノの周囲、跳び箱の裏側などに隠れます。1名、「隠れる場所がないよぉ」と困っていたので、「1番上が無くて開いている、跳び箱の中にしゃがんで隠れたら?」と言ってみました。素直な子なので、そのまま言われた通りに隠れ…結局、最後まで見つかりませんでした。子供たち、大盛り上がりです。
 でも、ここで時間切れ。事前に約束していたので、残念ながら「鬼ごっこ」は無くなりました。ちょっと残念そうな子もいましたが、「かくれんぼ」で盛り上がった為か、子供たちは上機嫌でした。
 次の授業日、「スペシャルがいしゃ」の2名が終了報告をして解散となりました…が、授業時間を使って全員参加で行ったのです。子供たちに感想を聞いてみました。
 結果は、「とても面白かった」21名、「割と面白かった」4名、「今イチだった」3名、「面白くなかった」0名。「今イチだった」の3名に、更に詳しく聞いてみると、「もう少し早く進めたら、鬼ごっこまでできたと思うから」とか「ストップゲームのチェックを、もう少し緩くしてくれたら良かったと思うから」などの意見が出ました。
 結構な高評価ですし、今イチと感じた子からの意見は建設的です。なかなか良い感じで活動を終えたのではないか…と思います。
 この後、どんな風に発展していくのか…楽しみです。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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スペシャルがいしゃ降臨! 前編

2024-10-28 04:30:00 | 教育
 月・火曜は学校教育の話。今回は、令和6年度の会社活動の続報です。因みに、以前の記事は令和6年7月29・30日にアップしています。
 令和6年度、2番目に出来たイベント系の会社「おばけやしきがいしゃ」。7月に活動をして以降、8月も、9月も、全くイベント系の会社が結成される様子はありませんでした。
 それが10月、突如として結成されました。その名も「スペシャルがいしゃ」…って、何がスペシャルなのかは分かりませんが、「何か特別な事をしたいのだな」って事は伝わる名前です。
 会社の計画書によると、10月の適当な日、授業時間を1コマ使い、体育館で「ストップゲーム」「ハンカチ落とし」「かくれんぼ」「鬼ごっこ」をする…となっています。いわゆる「学級集会」や「お楽しみ会」と呼ばれるイベントです。イベント系の学級活動としては、見事なまでの王道路線です。
 この計画書を出したのは、「おばけやしきがいしゃ」にも参加していた子と、普段は発表などをしない…と言うか、ほとんど声を聞いた事が無い子の2名です。「大丈夫なのかなぁ」と思いましたが、計画書自体には特に問題ありません。
 かくて、「スペシャルがいしゃ」は成立となりました。学級の子供たち、期待に満ちた表情で拍手しています。
 ただ、ここで釘を刺しておきました。「授業時間を使って集会活動をするのは、1ヶ月に1回までです。もう10月は決まりましたから、次に集会活動が出来るのは11月ですよ」と。こうして釘を刺しておかないと、授業時間を使っての集会活動の希望が連発する可能性があるからです。
 成立以後の「スペシャルがいしゃ」、メンバーの2名は地味に頑張りました。自由に使える紙を持っていき、そこにシナリオを書き始めたのです。最初の挨拶から始まり、各ゲームのルール説明、結果発表、最後の挨拶まで…最終的に、シナリオの枚数はA4サイズで6枚になりました。どの言葉をどちらが言うか、色鉛筆で印を付け、きっちり役割分担までやっています。
 そして、いよいよ本番…なのですが、長くなったので続きは次回に。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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札幌木鶏クラブ令和6年度10月例会

2024-10-25 04:30:28 | 自分
 金曜は、月~木曜のテーマに入らない内容です。今回は、月に一度の札幌木
鶏クラブの話です。
 『致知』10月号のテーマは「この道より我を生かす道なし この道を歩
く」。駅前のネストホテル札幌を会場に19時から始まりました。
 まず、青山俊董先生と山川宗玄先生の対談「一筋の道を歩み見えてきたも
の」についてK先生が語った言葉から。K先生は、14頁に載っている「卒業
式を終え五キロの道のりを歩いて帰っていた時、社会科の三村敬久先生(歌人
の会津八一先生の愛弟子)が自転車で追いかけてきて『君にどうしても言いた
いことがある』とおっしゃるんです。【中略】『いま日本で大事なのは本物の
宗教家が出てくることだ。君の出家を心から喜ぶ。頑張ってくれたまえ』。十
五歳の娘にそれを伝えるためだけに自転車で追いかけてこられた先生の餞(ハナム
ケ)の言葉と、『命懸けでやってみます』というその時の誓いは生涯忘れること
はありません」と言う青山先生の言葉に対して、次の様に語っていました。
 「この話、僕の解釈では、三村先生は青山さんに『希望』を見たのだと思
う。苦しい日本の将来に、この娘が希望をもたらす…と感じたのだろう。だか
ら、追いかけてきて声を掛けたのだと思う」…確かに、それまでの学校生活で
青山先生と三村先生が強い師弟関係にあった様な雰囲気はありません。なら
ば、三村先生を突き動かしたのは何か。K先生の仰る「希望を見た」は、非常
に納得できる話です。そして、同じ教師として、教え子に「希望」を見いだせ
る三村先生の有り様は素晴らしいと感じます。私も、そうありたいものです。
 次は、林成之先生と小泉敏男先生の対談「人間の可能性をこうして花開かせ
てきた」の中で紹介された、人間の本能で特に強い力をもつ5つ「一、生きた
い 二、知りたい 三、仲間になりたい 四、伝えたい 五、自分を守りた
い」について。幼児に英語を教えているK先生(先程のK先生とは別の方)
が、「この5つは、幼児などに英語を教えていると実感する。ある園では、壁
から動かない子がいた。先生は『放っておいて』と言ったが、私は子供全員を
引き連れて、その子の側で活動した。すると、その子も一緒に活動できた。別
な園では、ずっと泣いている子がいた。私も一緒に泣いたら、その子も一緒に
活動できた。そうやって、どう大人が動くかで子供は変わってくる。だから、
この5つの言葉を実感している」と仰っていました。
 どちらの子も、おそらく「自分を守りたい」の気持ちが強いから、壁から動
かなかったり、泣いたりしていたのでしょう。それがK先生の対応により、
「仲間になりたい」と言う気持ちが強まり、「知りたい」とか「伝えたい」と
なったのだと思います。「この子はダメだから」と決めつけるのではなく、様
々な試行錯誤する重要性が伝わる話です。私も、諦めず色々と挑戦し続けなく
ちゃ。
 最後に取り上げるのは、道場六三郎先生と王貞治先生の対談「この道より我
を生かす道なし この道を歩く」についてのS先生の言葉です。「私は多趣味
で、色々な事をやっている。その中で今年はパークゴルフに力を入れているけ
ど、毎回ビリばかり。だから、王さんの言葉が胸にぴたっとはまった。練習不
足なのだから、もっと練習しよう。そして、来年を楽しみにしています」と仰
っていました。
 これは王先生の、「逆境は次のステップに進むために必要不可欠な跳躍台で
あって、そこで苦労し逃げずに乗り越えようと努力していけば、いままでより
も高いところに到達できるのだ」に関する御発言です。正直、逆境があると逃
げたくなる私としては、S先生の姿勢は眩しすぎると言いますか、かなり反省
させられます。私より、遙かに人生の先輩であるS先生の姿勢を見習い、私も
逃げない様に努力していきたいと思います。
 以上、10月例会の記事を終わります。次回、11月例会も、第3木曜にネ
ストホテル札幌にて開催です…が、その前に「名画に学ぶ人間学」と言う研修
会があります。令和6年11月2日(土)13時から、札幌かでる2.7で、黒
澤明監督の「生きる」を鑑賞し、人間の生き方などについて語り合う会となっ
ています。参加費は無料ですので、興味のある方は是非とも御参加ください。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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海洋冒険小説してる『幕府密命弁財船・疾渡丸(二)』

2024-10-24 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛語り…ですが、今回はラノベではなく時代劇です。
 今回紹介する作品は、早川隆先生の『幕府密命弁財船・疾渡丸(二)』です。令和6年9月5日に1巻目について記事を書きました。今回は、その2巻目です。
 2巻目の大まかな内容については、早川先生御自身がnoteの記事にまとめてくださっています。読むと気分が高揚してきて、実際に読みたくなる記事ですので、内容を知りたい方は、そちらを読む事をオススメします。
 この作品、ヤバイです。面白すぎ! 頁をめくる手が止まらなくなり、空き時間に読み続けて、とうとう、購入して24時間以内で読み終えてしまいました。入手したのが10月20日だったので、公式な発売日である21日には読み終えちゃった訳です。
 この面白さ、私なんかには十分に伝えきれないと思いますが、以下、幾つかポイントを絞って紹介していきます。

深まっていく人物像
 シリーズ物だから当たり前なのですが、1巻目に比べると登場人物たちの人物像が深まっています。特に、前作ではサラッとしか描かれていなかった、主人公格の鉄兵と船頭の虎之介以外の乗組員の人物像が深まりました。
 個人的には、水夫長(カコオサ)の九兵衛と楫取(カジトリ)の仁平の人柄が、少しずつ分かってきたのが良かったです。
 表面上だけだと、理不尽にシゴいているだけに見える九兵衛ですが、実は冷静に計算して行動しています。それは何故なのか…も、読み進める内に少しずつ分かってきて、「何かイイじゃん、九兵衛さん!」と言いたくなります。
 また仁平も、根の暗そうな隠密…かと思ったら、かなりサバけた人だし、心の熱さを感じる場面もあります。まだまだ描かれてない部分が沢山あり、これは今後の展開が楽しみになってきます。
 もちろん、主人公格の鉄兵だって活躍するし、人物像も深まっていきます。辛い体験や失敗や成功を重ね、鉄兵が少しずつ成長していく様子を感じられるのも、この作品の面白さだと言えるでしょう。
 因みに、人物像の深まりとは少し違いますが、鉄兵の幼馴染みで健気な少女おきくちゃんがチラッと登場したのも嬉しいです。おきくちゃんと鉄兵…この後、どうなるのかも目が離せません。

魅力的なゲスト(?)登場人物
 シリーズ物らしくゲスト的な登場人物が出てきて、作品の世界を広げてくれるのも楽しい部分です。中でも、個人的には、第2章(全巻通してだと第4章)「江戸表 歩き声明(ショウミョウ)」に登場した、増上寺二十三世法主の遵誉貴屋(ジュンヨキオク)と、将軍御側の中根壱岐守正盛(ナカネイキノカミマサモリ)がイイ味出してると感じました。
  遵誉貴屋(ジュンヨキオク)は、俗世の人々を救いたいと願っているのに、増上寺の法主として幕府と交渉などをせねばならない立場にあります。その結果、物語の中では、自分の進むべき道を見失った、しかも、それに自分では気付いていない人物として描かれています。この遵誉貴屋(ジュンヨキオク)が物語に関わる中で、どう変化していくのか、あるいは全く変化しないのか…とても興味深い登場人物でした。
 そして中根壱岐守正盛(ナカネイキノカミマサモリ)、自分の大いなる目的のためなら、多少の犠牲は仕方ないと割り切って行動できる、恐ろしく冷静な人物です。コンプラ重視の令和日本だと、おそらく嫌われキャラなのでしょうが、私は、分かる部分があるので割と好きな登場人物です。
 これは、若い頃の私が、シミュレーション・ウォー・ゲーム(PCではなく、ボード版)を趣味としていた事が大きいでしょう。史実の戦争をテーマにしたゲームなので、厳しい状況で戦わなくてはならない事が多々あります。その状況で少しでも多くの味方を助けるためには、捨て駒として部隊を犠牲にせねばならない時だってあるのです。もちろん、自分が犠牲にされる立場になったら納得は出来ないでしょうが、大局的には、その犠牲がなければ甚大な被害が出てしまう…それは理解出来ます。
 だから、中根壱岐守正盛(ナカネイキノカミマサモリ)の気持ちも分からないではないのです。
 因みに、中根壱岐守正盛と虎之介が言い合う場面があるのですが、読んでいて、望月三起也先生の『ワイルド7』を思い出しました。何だか、飛葉ちゃん(飛葉大陸)と草波勝の言い合いみたいだなぁ…と感じたからです。今後も、たま~にで良いので、二人が言い合う場面を描いてほしいなぁ。

自然の猛威あり、海戦あり…の海洋冒険小説
 『幕府密命弁財船・疾渡丸(二)』は、「鹿島灘 風の吹くまま」と「江戸表 歩き声明(ショウミョウ)」の2つの章で構成されています。
 この内、「鹿島灘 風の吹くまま」は自然の猛威との対決が、大きな山場として設定されています。嵐の中、非常に危険な海域を航行せねばならない疾渡丸。果たして、無事に乗り切れるのか…と言う訳です。
 まぁ、次の章があるから乗り切れるって分かるのですが、それでもドキドキする場面なのは間違いありません。しかも、船を操作する描写が分かりやすく、臨場感抜群なのです。こんな感じです。

 波は、ゆうに疾渡丸の船側と同じくらいの高さに達している。甲板は大半がはめこみ式の揚板で、水を防がない。船内はもう、波と豪雨とで水浸しになっていた。

 短い文章にも関わらず、丁度良い感じで言葉が綴られているので、状況が一気に伝わってきます。昔、北海道新聞に載っていたインタビューで、馳星周先生が語っていた内容を思い出します。概略、「読みやすい文章にするため、推敲を重ね、言葉を削り、短い文で状況が伝わる様に努力している」と言う内容でした。
 先程の文章も正にソレです。早川先生の苦闘の様子が伝わってくる感じがします。
 一方、「江戸表 歩き声明(ショウミョウ)」は追跡劇となります。そして、海戦の様子が楽しめるのですが、何と2種類の海戦となっています。どちらも迫力満点に描かれており、ドキワク(=ドキドキ&ワクワク)する事、もう間違いなしです。
 なお、「江戸時代の船には詳しくないから分からないよ」と言う方は、早川先生のnoteに船の取材記事があります。写真もあって分かりやすいですよ。

終わりに
 長々と書いてきましたが、兎に角、とっても面白いです。是非是非、読んでみてほしい作品です。
 問題があるとしたら、1巻目から2ヶ月近くたっていたため、1巻目の内容を少し忘れていた事でしょう。この記事を書き終えたら、1巻目から2巻目まで読み直し、疾渡丸の世界にどっぷり浸りたいと思います。
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帽子を被ろう!

2024-10-23 04:30:00 | 介護狂詩曲
 水曜は介護狂詩曲。今回は、父への小言の話です。
 以前、記事に書いた体調不良の後、父は外に出る事が少なくなりました。筋力が落ちているので、ちょっと歩くと疲れてしまうのですが、腰を掛けて休める場所がないため、出かけるのが億劫らしいのです。
 「それなら、椅子付きの歩行器を使えばイイんじゃない?」と言いましたが、芳しい返事が返ってきません。どうも、そう言う歩行器を押して歩くのは、「ダサい」と思っている様なのです。
 しかし、かかりつけ病院のお医者様から、「運動しなくちゃダメですよ」と言われた上、訪問看護の看護師さんからも運動する様に言われたらしい父。令和6年10月に入って、歩く練習を少し始めました。
 もっとも、遠出は疲れるらしく、家の外階段を上り下りするだけです。それでも、何もしないよりはイイので、「ケガしない様、気を付けてやってね」と応援していました。
 ところが、この記事を書いている10日くらい前、父が転んでケガをしたと言うのです。見に行くと、壁に頭をぶつけたらしく、頭に擦り傷が出来ていました。本当なら、直ぐに脳外科へ連れて行きたいところですが、諸事情があって難しい状況です。父も病院は嫌らしく、しきりと「大丈夫だから」を繰り返しています。仕方なく、様子を見る事にしました。
 幸い、大きく悪化する事はなく、父は元気にしています。
 そんな状況の、この記事を書く2、3日前、父が外階段で歩く練習しているところに出会いました。
 「お~、今日も頑張ってるねぇ」と声を掛けた私。ふと父を見ると、頭に何も被っていません。おそらく、家の前で階段の上り下りするだけだから、軽装でイイだろうと考えたのでしょう。
 でも、これで転んだら、またケガをしてしまうかもしれません。
 「帽子、持っているよね?」と聞くと、「持ってるよ」と父。「だったら、その帽子を被った方がイイよ。転んだ時、帽子があるか無いかでケガの程度が大きく変わるから」と、出来るだけ穏やかな口調で言いました。
 その後、直ぐに私は立ち去りました。その場に残っていると、「帽子を被るまで見張ってるよ」と言う無言の圧力を掛けてしまうと考えたからです。だから、その後、父が帽子を被ったかどうかは分かりません。
 はぁ~。こう言う小言を言うのは…嫌だなぁ。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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「オクリンクプラス」の活用

2024-10-22 04:30:00 | 教育
 月・火曜は学校教育の話。今回は、一人一台端末の活用方法について語ります。
 札幌市では、クロームブックと言うタブレット端末を、全市の児童生徒一人に一台貸与しています。もちろん、タブレット端末だけあっても「ただの箱」ですので、色々なアプリの契約をし、授業で活用できる様にしています。
 そんなアプリの1つに、ベネッセさんが配信している「オクリンクプラス」と言うアプリがあります。元々は「オクリンク」と言うアプリだったのですが、機能性を向上させて「オクリンクプラス」となった訳です。2つのアプリで操作の異なる部分があるため、令和6年現在、子供たちと一緒に、使いながらアプリの特徴を私も学んでいるところです。
 この「オクリンクプラス」、様々な活用方法があるのですが、その1つが、「ノートやカードの提出代わりに使える」です。
 例えば、算数で「7+9の計算の方法について考えましょう」と言う問題を行ったとします。公開授業なら、きっと、算数ブロックや算数タイルのイラストの入ったカードを準備し、それに書き込んで発表させたり、提出させたりするのではないでしょうか。普段の授業なら、ノートに書き込ませて提出させる事が多いと思います。
 これ、ノートで提出させると丸付けが大変です。何せ、次の算数の授業までに返却せねばなりません。しかも、厚みがあるので場所を食います。
 カードだと、場所的にも時間的にも余裕が少し出来ます。それでも、返却と持ち帰りのため一定の期間内にチェックする必要がありますし、そもそもカードを作って印刷する手間がかかります。
 「オクリンクプラス」でも算数ブロックのイラストの入ったカードを、予め用意しておく事が出来ます。私の場合、朝の空き時間10分程で作る事が出来ました。そのカードは、アプリ内の保存ボックスに入れておけば自由に使えるので、印刷する手間がいりません。また、子供たちが書き込みしたカードを提出ボックスに提出してもらえば、学級全員でカードを見る事も出来ます。更に、カードを返却して家に持ち帰ってもらう必要がないので、カードの確認は好きな時期の好きな時間に行う事が可能です。
 この他にも、生活の授業で落ち葉拾いをした後、葉っぱアートを作る活動をする事があります。以前は、画用紙に貼らせてラミネートしていましたが、これも「オクリンクプラス」を使えば手軽に出来ます。子供たち各自の机上に葉っぱアートを作らせ、カメラで撮影し、その写真をカードに貼らせて提出ボックスに出させるだけ。作品を沢山作った場合、それぞれの写真を貼ったカードを連結する事が可能で、その連結されたカード全てを提出する事も出来るのです。
 この他、「図工で作った友達の作品を写真に撮らせ、良かった点を書き込んだカードにして提出させる」とか、「グループで作った旋律を演奏し、それをビデオに撮影して提出させる」と言った使い方も出来ます。
 「オクリンクプラス」…かなり応用範囲が広いです。今後も、いろいろと試していき、新しい技を見つけたら紹介したいと思います。

 ところで、令和6年10月18日の記事に「いいね」などをいただきました。あんな記事にまで「いいね」をいただき、本当に有り難いです。どうも、ありがとうございました。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。

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朝顔でリース作り・土台編PART3

2024-10-21 04:30:00 | 教育
 月・火曜は学校教育の話です。今回は前々回(R6.10.14)と前回(R6.10.15)の続きで、1年生の生活科で最大の難所と言ってもイイ、朝顔でリース作り…の話をします。
 意を決して指示を板書し、くどくど口頭説明してから外へ出た子供たちと私…と言うのが、前回までの内容でした。
 外へ出たら、欠席している子の朝顔を使って、実演して見せました。そして、いよいよ作業開始です。
 この後の事は…もう本当に大変でした。
 欠席している子の朝顔を輪っかにし、ねじりっこで縛って輪っかを完成させた辺りから、次々と輪っかを持ってくる子が…。そこからは、ねじりっこで縛る作業をひたすら続けます。輪っかの形を整え、外れやすい部分を見極め、そこをねじりっこで繋ぐ…もう、淡々と仕事をするだけです。
 子供たちが偉かったのは、あまり「先生、助けて~」と言いに来なかった事です。教室で出した指示をよく守り、互いに助け合って何とか作業をしていたのでした。
 ま、若干のトラブルはありましたけどね。
 植木鉢の土も、概ね指定した場所に捨ててありました。ちらっと見た感じだと、その時も何人かで植木鉢を持っていき、協力して捨てていた様子です。令和6年度の子供たち、素晴らしいです!
 結局、9時くらいから外に出て、外での作業が終わったのが11時10分くらいでした。かなりかかりましたが、きちんと植木鉢も皿も外して重ねてあり、支柱も全員完璧に畳んでありましたから、この時間で終わったのは、むしろ早かったと言えるでしょう。
 この後、教室に戻って名札を付けさせ、教室の掲示板に吊り下げました。そのまま、何週間か吊り下げて乾燥させます。
 全部の作業が完了したのが11時35分。最初の説明を開始したのが8時45分ですから、2時間50分もかかった訳です。ふぃ~。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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最強の野菜は大根…かも

2024-10-18 04:30:00 | 自分
 金曜は月~木曜のテーマに入らない話題。今回は、前回(R6.10.11)の続編とでも言うべき内容で、親子の下らない会話を紹介します。
 前回、「シン・仮面ライダー」の怪人名に色々な野菜を組み込んで、強い弱いを語り合った…と書きました。
 私的には会話終了だったのですが、子供がネタを振ってきたのです。面白そうだったので、私も会話を続ける事にしました。
 以下、「ワ」は私、「コ」は子供です。
コ「そう言えば、ウルトラマンって最強の名前アイテムだよね」
ワ「何で?」
コ「ウルトラマン何々って言えば、何でも強そうじゃん。
  だって『太郎』にウルトラマンを付けたら、ウルトラマンタロウだよ」
ワ「あ~、確かに強そうだねぇ。
  でも、本当に何でも強そうになるのかな。
  例えば、野菜と付けても強そうになるかな」
 父さん(つまり私)、まだ野菜にこだわっています。
ワ「ウルトラマンブラックマッペ…は長すぎるな。
  ウルトラマンマッペなら、どうだ!」
コ「そんなに弱そうな感じはしないんじゃない」
ワ「まぁ、強そうな感じもしないけどねぇ」
コ「ウルトラマンすずしろ…なんて、どうです?」
ワ「おおっ! 和風テイストを入れたんだね。
  仮面ライダーにも和風な奴…鬼の要素入りがあったから、これもイイんじゃない」
コ「ウルトラマンすずしろだと、すずしろから野菜をイメージしにくいんです。
  そして、『しろ』と言う色をイメージする言葉が入るので、強そうな感じです」
ワ「成る程ねぇ。でも、すずしろって大根だよね。
  だったら、ウルトラマンだいこん!」
コ「ぶっ!」
ワ「駄目だね。メッチャ弱そう…」
コ「ウルトラマンと言う強そうなイメージの言葉を、大根と言う言葉が台無しにしてます。
  『ウルトラマン』よりも『大根』の方が言葉として強いんですね」
ワ「そっか…って事は、ウルトラマンより強い『大根』はゼットンより強い?!」
コ「おおっ! 大根はウルトラマン世界最強説ですね」
 ホント…全く何の役にも立たない会話してますね、親子して。 (-_-;)
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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