エスせんブログ

ラノベ好きなB級小学校教師のエスせんが、教育中心に色々語るブログです。少しでも面白ければ「いいね」御願いします。

現実感のある戦闘にハマる『ゴブリンスレイヤー2』前編

2024-09-19 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛語り。今回は、かなり前(R5.12.21)記事にした『ゴブリンスレイヤー』の2作目について語ります。
 魔法が存在し、魔物が跋扈する世界。最も弱い魔物であるゴブリンを専門に倒し続け、上位の冒険者となった男…通称「ゴブリンスレイヤー」。彼と、彼を放ってはおけない仲間たちは、とある街に出没するゴブリン退治の依頼を受けるが…から展開する物語。
 1作目は、幾つかの物語が組み合わさって、「ゴブリンスレイヤー」と呼ばれる男が何者なのかを明らかにしていく物語でした。それに対し2作目の本作は、大きな1つの物語を通して、ブレない男「ゴブリンスレイヤー」の活躍を描きます。
 この作品の大きな魅力が、現実感の強い戦闘の描写です。
 前回の記事でも書きましたが、本作には、ライトノベルには珍しくチートが存在しません。魔法の障壁や治癒魔法は強力ですが、それでも他のライトノベルに比べれば、効果としては僅かとしか言えないでしょう。
 だから、ゴブリンとの戦闘で危機に陥ったとしても、チートな魔法などで切り抜ける事は出来ません。知恵を使い、工夫して勝利を引き寄せるしかないのです。この辺りが、戦闘描写として現実感を感じさせる訳です。
 これは何故だろうと思っていたら、「あとがき」を読んで分かりました。作者の蝸牛くも先生は、元々テーブル・ロール・プレイング・ゲーム(以下、「TRPG」と略します)をなさっていた方なのです。
 う~ん、ここからTRPGについて語ると長くなりそうです。大変もうしわけありませんが、続きは次回と言う事で。

 ところで、令和6年9月16日と17日の記事に、「いいね」などを沢山いただきました。いつも、本当にありがとうございます。さあ、これを励みにまた頑張るぞ~。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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気軽に読め、多方向から物事を見る感覚を養える(かも)『実はすごかった!? 嫌われ偉人伝』

2024-09-12 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛語り…何ですが、最近、ラノベじゃない本なども紹介しています。今回もラノベではなく、私の推し作家の一人である真山知幸先生の『実はすごかった!? 嫌われ偉人伝』を紹介します。
 この本では、世間的には人気が無い…と言うか、どちらかと言えば嫌われている歴史上の人物を、蘇我入鹿から松永安左エ門までの25人紹介しています。コラム欄もあり、そちらで取り上げられている人が7人なので、全て合計すると32人となります。
 真山先生の本は、どれも読みやすく書かれています。この本も同様で、さくさく読めるので、速読系の方なら1時間くらいで読み終えてしまうでしょう。
 また、自分の興味のある人物だけパッと読んで終わる…と言う読み方も出来ます。これなら5分間もあれば、まず間違いなく読み終わります。隙間時間の活用にもピッタリではないかと思います。
 ところで、この本の最大の「良さ」は、「多方向から物事を見る感覚を養う」事に役立ちそうだ…と言う点です。
 例えば、平清盛と言えば、『平家物語』の影響が大きいため、「我が儘な独裁者」と思われがちです。NHK大河ドラマ「平清盛」は、もう少し多面的に描いていましたが、それ以外の大河ドラマでは概ねロクな描かれ方をしていません。
 それが、この本によると、平清盛はアイディアマンだし、自分から積極的に戦をしてはいないし、部下に対しても優しく接していた…と言うのです。例えば部下との関わりであれば、「空気の読めない発言があっても《冗談で言ったのだろう》としかることはなかった」…と書いてあります。これが本当なら、マジで優しい上司じゃないですか。「ドブ泥な下衆校長」から痛い目に遭わされた私としては、この点だけで、平清盛の評価が爆上がりです。
 他の人物についても、この様な感じで「意外な一面」が紹介されていきます。その「意外な一面」は、これまでの資料に不備があると分かったり、最新の研究で判明したりして、明らかになってきた様です。読んでいると、かなり「目から鱗」なのではないでしょうか。
 そうやって様々な人物について読み進めていくと、その人物についての一般的な評価は、あくまでも「ある面からの見方」に過ぎなかったと分かってきます。別な面から見れば、その人物の別な姿が見えてくる訳です。
 これが、「多方向から物事を見る感覚を養う」事に役立つんじゃないかな…そう、私は思っています。
 令和6年8月に発売されたばかりなので、もしかすると近所の本屋にもあるかもしれません。本屋へ行ったら、ちらっと見てみては如何ですか。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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王道時代劇+αの面白さ『幕府密命弁財船・疾渡丸』

2024-09-05 04:30:34 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛語り…なのですが、今回は(今回も)ラノベではありません。時代小説を紹介します。
 今回紹介する作品は、早川隆先生の『幕府密命弁財船・疾渡丸(一)』です。中公文庫から令和6年8月20日に発売となりました。

子供と大人を主役に据えた漫遊物
 物語は、物品・金銭・人物・情報が集まる各地の湊(ミナト)へ向かい、天下太平を乱す動きを封じる密命を受けた疾渡丸(ハヤトマル)の乗組員達が活躍する…と言う内容です。各地を旅して悪を討つと言えば、「水戸黄門」などと同じ展開な訳で、時代劇の王道パターン「漫遊物」の仲間と言って良いと思います。まぁ、気ままに旅している訳ではなさそうなので、純然たる「漫遊」とは言えないかもしれませんが…。
 この手の作品らしく、本作の登場人物は個性的で魅力的です。それぞれが各地の湊で活躍するのでしょうが、1巻目に掲載されている2つの物語、「那珂湊・船出の刻(トキ)」と「銚子湊・巾着切(キンチャクギリ)」を読む限り、主人公は2名のようです。
 1人目は船頭(船長)の虎之介。経験豊富で船を操る腕が良く、なかなか情に厚い感じの人です。船に乗っている幕府の隠密・仁平とも親しく、互いに信頼し合っている様に感じられます。
 もう1人は、ひょんな事から疾渡丸の炊(カシキ)として雇われた鉄兵。父親を海で亡くし、母が寺に預けた結果、那珂湊(ナカミナト)で暮らす孤児となった少年です。観察眼が鋭く、頭が良く回り、度胸もあります。
 この2名を主人公と考えたのは、物語の中で両名それぞれに、心を動かす出会いがあったからです。この2名以外の登場人物も、色々と出会いがありますが、2つの物語の両方で出会いがあったと言う点で、本作(第1巻)では、この2名が主人公と私は考えます。
 因みに、主人公の定義は色々とあるのですが、今回採用した定義は、昔々に受けた研修会で教わった「作品の中で心情に変化が発生した登場人物」を基にして考えています。この考え方ですと、『ごんぎつね』の主人公は「ごん」ですし、『大造じいさんとがん』の主人公は「大造じいさん」となる訳です。
 片方の主人公に少年である鉄兵を配置した事により、この物語は単なる「漫遊物」ではなく、少年の成長物語の要素も含んできます。「江戸時代が舞台で湊から湊への旅」と「未来が舞台で駅から駅への旅」と言う違いはありますが、大枠で考えると『銀河鉄道999(スリーナイン)(以下、999と略記)』に似ているかもしれません。

子供時代と決別し少年は旅立つ「那珂湊・船出の刻(トキ)」
 第1巻の第1話と言う事で、この物語は疾渡丸が完成し、船出するまでの物語です。
 ここでは、鉄兵と疾渡丸の乗組員たちが出会う話と、虎之介と父親が再会する話が、縦糸と横糸の様に物語を紡いでいきます。この2つの話、何の関連もなく進んで行くのですが、最後のクライマックスである船出の場面で重なり合ってきます。
 ネタバレになるので、これ以上は書けません。気になる方は、是非とも本作を読んでみてください。
 鉄兵だけに絞って書くと、疾渡丸で船出すると言う事は、これまで一緒に生活していた孤児仲間との別れを意味しています。それは同時に、他者の力に頼って生きてきた子供時代と決別し、自分の力で生きていく事を選択した事も意味しています。
 本作では、その選択と決断に相応しい、門出を祝う…いや、門出を応援する様な場面が展開されます。その場面で重要な要素に「波」と「しぶき」があるのですが、それを読んでいて私は、「銀河漂流バイファム(以下、バイファムと略記)」の最終回を思い出してしまいました。
 バイファムでは、地球に戻る子供たちと、異星人の星に行って両親の探す子供たちが、それぞれの宇宙船に乗って別れます。その際、地球に戻る子供たちの宇宙船から、大量の紙ヒコーキが発射されます。賛否両論でしたが、異星に向けて旅立つ仲間に向けた応援のメッセージとして、無数の紙ヒコーキが宇宙空間を飛んでいく場面…最高に感動的だったと思います。
 話を「那珂湊・船出の刻」に戻します。疾渡丸が船出する際の波、その後のしぶき…それらが、私の中でバイファムの紙ヒコーキと重なってしまいました。
 どちらも子供時代と決別して旅立つ場面であり、その門出を応援するかの様に船の周りに広がっています。紙ヒコーキも、しぶきも。何と美しく、何と優しい場面なのか…いい歳をした「おじさん」ですが、ぐっと来て目頭が熱くなってしまいました(でもって、読んでいる頭の中には、バイファムの紙ヒコーキ場面で流れていた「君はス・テ・キ」が流れている…笑)。
 もう、この第1話だけでハート鷲摑みです。

子供の出会い・大人の再会「銚子湊・巾着切(キンチャクギリ)」
 続く第2話は、急いで船出したため準備不足だった疾渡丸が、銚子湊に寄港した事で事件に巻き込まれる…と言う話です。
 この第2話では主人公の2名に、それぞれ出会いがあります。鉄兵は巾着切、つまりスリの少年と出会い、虎之介は旧友と再会します。
 この2つの出会いは、最初は別々の話として進みますが、後半になると少しずつ絡み合ってきます。ネタバレになるので、これ以上の詳述は避け、また鉄兵に絞って書きます。
 巾着切と鉄兵の出会いの場面、ここは追跡アクション場面となっています。そこを読んでいくと、鉄兵の観察眼の鋭さや頭の回転の良さが、読者にも伝わってきます。また、巾着切を捕まえた後の鉄兵の態度は、彼が他者への敬意を持ち合わせている、なかなか立派な性格の少年だと感じさせます。
 そんな鉄兵と巾着切の間に、ある種の友情が生まれてくるのは自然な感じで、無理のない展開だと私は思いました。だから事件が片付いた後、銚子湊から出て行く疾渡丸の鉄兵に向け、巾着切が飛び跳ねて何かを伝えようとしている場面、これも自然で微笑ましいと感じました。
 そして、ここで私の頭に思い浮かんだのが999です。
 訪れた星々で様々な出会いがあり、事件があり、それらを通して成長する主人公の星野鉄郎…ん? 鉄郎? 疾渡丸に乗ってるのは鉄兵。似ている…もしかして、作者の早川先生も意識して命名したのでは?
 単なる「おじさん」の思い込みかもしれませんが、「江戸時代が舞台で湊から湊への旅」と「未来が舞台で駅から駅への旅」は、かなり意識されているのかもしれません。そんな事を考えると、第2巻以降の展開が非常に気になる作品です。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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本ではないけど感想を

2024-08-29 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛語り。今回は、私の推し作家さんの作品…ですが、まだ出版されていません。ネット上で公開されている作品の感想です。しかもラノベじゃないのですが…。
 紹介するのは、笹目いく子先生の『雷風~独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帳番外編』です。本編については、以前(R6.6.6)紹介済みです。その番外編が、アルファポリスさんで公開されていて、読むだけならアカウント無しでも大丈夫なので拝読してきた…と言う訳です。
 主人公・久弥の兄として本編に登場した宗靖(ファンの間では「宗靖兄さん」と、愛情込めて呼ばれています)を主人公にしたスピンオフ作品。本編の前日譚で、宗靖兄さんが本国に戻っていた理由などが分かる話となっています。
 この作品、現代らしい経緯で生まれた作品…ではないかと私は思っています。
 私が若い頃、作家さんに自分の気持ちを伝えたいと思ったら、ファンレターを書くしか方法はありませんでした。もちろん、そのファンレターに返事が来るなんて、余程の幸運でなければ有り得ない出来事です。
 それが今、SNSを使えば、簡単に自分の気持ちを作家さんに伝える事が出来ます。しかも、割と気軽に作家さんからの返事がいただけます。実際、笹目いく子先生に対し、私はnoteと言うSNSで感想を伝え、笹目先生から御返事をいただいています。昔では全く考えられない事です。
 そして、『独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帳』本編では、noteでファンの皆さん(もちろん私も)が次々と感想を伝え、笹目先生から御返事をいただき、それを読んだ他のファンが更に盛り上がる…と言う素敵な流れが生まれました。その流れの中で発生したのが、「宗靖兄さんのスピンオフ作品が読みたい」と言うファンからの希望です。
 そして、それが現実となった訳です。
 もちろん、笹目先生の心の中に「スピンオフ作品を書きたい」と言う気持ちがあったから、この作品が生まれたのでしょう。
 ただ、その気持ちを強く後押しし、実現に繋げたのは笹目先生とファンとの交流だったと思うのです。そう言う意味で、この作品は現代らしい経緯で生まれた…と、私は思う訳です。
 実に幸せな時代に生きている…そうは思いませんか。

 ところで、令和6年8月28日の記事に、「いいね」などをいただきました。どうも、ありがとうございます。今週後半も頑張ります!
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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工夫が色々『引きこもり箱入令嬢の結婚』

2024-08-22 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛。今回は、前回(R6.8.15)に続いて箱入令嬢シリーズを紹介します。
 今回紹介するのは、北乃ゆうひ先生の『引きこもり箱入令嬢の結婚』です。前回紹介した『引きこもり箱入令嬢の婚約』に続いて、箱入令嬢シリーズ第2弾となります…が、これで最終巻となりますので、前後編の後編と考えた方が良いかもしれません。
 前作でサイフォン王子の婚約者となった箱入令嬢モカ。「箱入り娘が、物理的な意味で本当に箱入りだったら…」と言う発想から生まれた作品なので、本作でも相変わらず箱から出る事は出来ません。そこへ次から次へと厄介事が発生し…果たして、箱入令嬢モカは無事に王子と結婚する事が出来るのでしょうか…ってのが内容です。
 前作は、「箱入り娘が、本当に箱の中で生活している~www」と言う面白さがあったので、その勢いだけでも読み進める事が出来ました。
 続編となる本作では、その勢いだけでは読み進めるには弱いです…が御安心。本作では、「主人公は箱の中から出られないから、外の世界に働きかけるには大きな制約がある」を覆し、箱入令嬢モカが大活躍する姿を楽しむ事が出来ます。つまり、箱入令嬢の活躍を「深掘り」した作品になっている訳です。
 実際、物語の展開される場所は、王宮と自宅と箱でほとんど終わらせていた前作。それが本作になると、街の中や貴族の館、森などでも物語が展開します。箱から出られない箱入令嬢モカが、どうやって活躍するのか…それが、前作から読んでいると分かる、実にスムーズな流れで展開していくのです。
 それと関連するのですが、本作では、一人称で語られている作品で感じる不満…と言うか、ストレス…と言うか、ちょっとした問題点を解消する事に成功しています。
 例えば、名作『本好きの下克上』も一人称です。そのため、主人公ローゼマインが見聞きできる範囲の事しか分かりません。様々な場所で展開している話(例えば、あちこちで行われている戦闘場面)を描くためには、様々な語り手に語らせるしかないため、短編を幾つも用意する必要があります。
 それが本作では、箱入令嬢モカの魔法の力により、語り手であるモカが不在の場所であっても、どんな出来事が展開しているかを読者は知る事が出来ます。もちろん、それは語り手であるモカが見たり聞いたりしているからなのですが、これにより読者は、あちこちの短編を読んで自分の頭で合成しなくても、物語の全体構造を理解しながら読み進める事が出来る訳です。
 内容自体は甘~い恋愛物語ですが、アクション場面も少しあり、楽しめる娯楽作となっています。コミカライズはシリーズ2冊分をまとめて展開しているので、そちらを読むのもオススメです。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。

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発想の広げ方が秀逸な『ひきこもり【箱入令嬢】の婚約』

2024-08-15 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛語り。今回は正に、「愛」の物語を紹介します。
 今回紹介するのは、北乃ゆうひ先生の『ひきこもり【箱入令嬢】の婚約』と言う作品です。
 この作品、ひきこもりの御令嬢が王子様の愛を勝ち取って、婚約者になるまでの物語…って、「そんなの普通の恋愛物語じゃん! どこがラノベなの?」って思いますよね。普通。
 ところがギッチョン、この御令嬢は只の「箱入令嬢」じゃない。
 本当に、物理的な意味で「箱入り」の御令嬢なのです。
 物語のオープニング、王子様のパーティ会場に木製と思われる木箱が置いてある場面から始まります。「何で、こんな場所に木箱が…」と皆が思い、やってきた王子様も思うのですが、その木箱が喋ったから、さあ大変! 箱魔法と言う、かなりヘンテコな魔法の力で、箱中ひきこもり生活をしている主人公モカと、王子様の恋愛物語が始まります。
 このラノベ、かなり真面目な恋愛物語なのです…が、主人公のモカが箱中ひきこもり生活をしていると言う設定のため、色々とシュールな情景が展開されます。
 例えば、王子とモカがバルコニーに出てくる場面。ひきこもり令嬢のモカは当然、箱の中から顔を出しません。その代わり、空中に浮かんだ箱の横から女性の腕が出てきて、その腕を引いて王子はバルコニーに出てくるのです。女性の腕の生えた、空中に浮かぶ木箱をエスコートする王子…大笑いとまではいきませんが、結構くすくす笑っちゃうと思いませんか。
 こんなシュールな情景が度々出てくるので、くすくす笑いながら読んでしまう作品でした。
 作者の北乃ゆうひ先生は、「箱入り娘が本当に箱に入っていたら…面白いんじゃね」と考えて作品にした様ですが、見事、大成功だと思います。その、ちょっとした思い付きから発想を広げ、これだけ面白いラノベにしてしまったのですから。
 この作品、コミカライズもされていて、コミックもラノベも同じくらい面白いです。

 ところで、令和6年8月9日のブログに「いいね」などをいただきました。気付くのが遅くなり申し訳ありません。そして、とても嬉しいです。どうも、ありがとうございました。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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実はいちゃラブな『悪役令嬢レベル99 その2』

2024-08-08 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛の日。今回は、前回(R6.8.1)紹介した作品の続編を紹介します。
 今回紹介するのは、七夕さとり先生の『悪役令嬢レベル99 その2~私は裏ボスですが魔王ではありません~』です。
 前作で断罪を免れた主人公ユミエラ。学校を卒業したユミエラは、伯爵位を継いでドルクネス領に戻ります。あまり目立った産業がなく借金が多めの領地を再建し、平穏な生活を手に入れるため、気合いを入れて頑張るユミエラ…ですが、やっぱり天然でズレています。そのため、次々と騒動を発生させ…と言うのが概略です。
 う~ん…概略だけ読むと、何か、前作と違わないですね。
 でも、安心してください。前作よりパワーアップしている部分があります。それが、ラブコメ…いや、もしかすると「いちゃラブ」かな…の要素です。
 前作で恋人になった…と思われるパトリック・アッシュバトン。もちろん、ユミエラはパトリックの事が大好きなのですが、天然でズレている上、極度の恥ずかしがり屋なので、恋バナは一向に進みません。
 でも読んでいると、ズレているなりに、いちゃいちゃしている印象を受けます。何と言いますか、ラノベ世界で言う「痛い子」的な展開なのですが、いちゃいちゃしている感じも強いって言いますか…。
 前作は、かなりカチッとまとまった作品でした。伏線なども概ね回収され、あれ1作で終わっている感じの作品です。ですから、続編を書くとなると新しい要素を入れる必要があり、それがラブコメ(いちゃラブ)要素の増強なのでしょう。
 私は、これは概ね上手くいっていると思いました。ユミエラとパトリックの間で、まるで漫才みたいな会話がなされる時があるのですが、天然要素とラブコメ要素が混ざっているので、無理なく読み進める事が出来たからです。
 話のまとまりは前作の方が上だと思いますが、楽しく気軽に読めるライトノベルに仕上がっていると思います。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。

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笑いと泣きの塩梅が良い『悪役令嬢レベル99』

2024-08-01 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛の日。今回は、ラノベもコミックも面白い作品を紹介します。
 今回紹介するのは、七夕さとり先生の『悪役令嬢レベル99~私は裏ボスですが魔王ではありません~』です。
 前世は日本人女性だった主人公は、前世で好きだった乙女ゲームの悪役令嬢ユミエラ・ドルクネスに転生します。しかも、このユミエラ、ゲームでラスボスである魔王を倒すと登場する、裏ボス設定のあるキャラでした。
 普通のラノベですと主人公は断罪されないよう努力するのですが、ユミエラは前世と同じ黒髪に黒い目で生まれており、御丁寧に、この世界では「黒=悪」と言う差別が定着しています。そのため、生まれた時から周囲に「悪の存在」認定されて恐れられており、そもそも断罪されない事が難しい状況となっています。
 しかも、ユミエラに転生した主人公…ちょっと、いや、かなり天然で世間の価値判断からズレています。そのため、幼少の頃からレベル上げに力を入れてしまい、魔王よりも強い、レベル99にまで到達してしまうのです。さて、平穏な生活を望む主人公ユミエラは、果たして平穏を手に入れる事が出来るのか…。
 以上、概略を書けば予想出来る通り、この作品はコメディです。天然でズレているユミエラが、真面目に善良に頑張った結果、様々な事件を引き起こしてしまう…と言うのが基本的な流れです。
 漫画家の大和和紀先生が、「当人は真面目に頑張った事が、ちょっとズレていた時、笑いが生まれる」…と言う様な事を、何かの漫画の中で仰っていました(確か、『ハイヒールCOP』だった様な…)。正に、その通りの内容で、当然、とても面白いです。
 それが物語のクライマックスでは一転。びっくりする様なシリアス展開が…。
 全体の割合で言うと、コメディ、コメディ、コメディ、コメディ…コメディ、シリアス、コメディって展開です。最後はコメディで終わるのでホッと一安心ですが、クライマックスのシリアス展開によって、作品全体がぐぐっと引き締まる感じがします。松竹新喜劇などで多かった、「笑いと泣き」の塩梅が良い作品って感じでしょうか。
 この作品、コミカライズもされている他、令和6年にはアニメ化もされました。私はラノベとコミックしか読んでませんが、どちらも同じくらい面白かったです。ラノベは、すっきりしていて読みやすく、コミックは、細部が詳しくなっていて楽しく読めました。

 ところで、令和6年7月29・30日のブログに「いいね」などをいただきました。いつも、どうも、ありがとうございます。とても嬉しいです!
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。

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コミックの方をオススメ『Sランクパーティから解雇された【呪具師】』

2024-07-25 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛を語る日。今回は、ラノベとコミックを比べ、コミックの方が面白いと感じた作品を紹介します。
 その作品は、『Sランクパーティから解雇された【呪具師】』。Sランクのパーティを解雇された主人公は実は凄腕で、解雇したパーティはどんどん駄目になっていき、主人公はどんどん幸せになっていく…と言う、ラノベでは多く見られる展開の作品です。
 では、この作品の特徴とは何か…ですが、主人公が凄腕なのは「呪具」、つまり「呪われた道具」を作る能力だと言う点です。
 「呪われた道具」は一般的に、呪われる事による負の効果がある分、他の道具とは比べられない程の驚異的な効果もあります。この作品の主人公ゲイルは、驚異的な呪具の製作能力により、呪われる効果を最小にしつつ、発揮できる効果を最大にする事が出来るのです。かなりのチート能力です。
 この作品は、主人公ゲイルが無茶苦茶な効果の呪具を作り出したり、作った呪具で無双したり…それらを楽しむ作品な訳です。
 ところで、この作品はコミカライズもされています。
 ラノベとコミックの両方を読みましたが、私個人としてはコミックの方が断然面白かったです。もちろん、これは私個人の意見なので、ラノベの方が面白いと言う方も多いと思います。この先の意見は、参考程度に考えて読んでください。
 理由の1つ目は、コミックの絵が私の好みだったと言う事です。作画を担当している小川錦さんは、とても可愛らしい絵柄なのに、アクション場面では迫力を感じさせます。作品の世界に、スッと入っていける感じがするのです。
 理由の2つ目は、コミックは無駄な要素が削られてスッキリしている…と言う事です。原作のラノベでは、しばしば漫才の様な会話が登場します。もちろん、ちょっと会話に入ってくる程度なら、物語のアクセントとして面白いです…が、いくら何でも長すぎます。2頁くらい漫才みたいな会話続く時もあり、読んでいて正直辛かった。それが、コミックではギリギリ必要な分に削られているため、物語の邪魔になりません。
 原作のラノベの骨格が良いからコミックが面白い…なのは分かりますが、私的には、どちらか片方だけならコミックがオススメです。
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やっぱり本が好き

2024-07-18 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛語り。今回は、令和6年7月4日の「図書館や本屋には魔力がある」の続きです。
 7月4日の記事では、『圕(トショカン) の大魔術師』と言うコミックと、ラノベの名作『本好きの下克上』を絡めて書いていました。
 この2つ、どちらも紹介文には「ビブリオ・ファンタジー」と書かれています。英語で書くと、biblio・fantasyでしょう…きっと。研究社の英和辞典で調べると、biblioは「本」や「聖書」、fantasyは「空想文学作品」ですから、「本に関わる空想文学作品」となるでしょうか。
 残念ながら私は、「ビブリオ・ファンタジー」と呼ばれるジャンルの作品としては、『圕(トショカン) の大魔術師』と『本好きの下克上』しか知りません。
 しかし、こうやってジャンル分けされるくらいですから、興味をもっている方は少なからず存在しているのでしょう。本に関わる空想文学と言うだけで、気になって仕方ない方々が…です。
 それは結局、私の様に「やっぱり本が好き」と言う人間が、世の中には少なからず存在するからでしょう。
 本を読む事はもちろん、本の見た目も、本の手触りも、本の香りも…本そのものが好き。だから、本に関する物語があると分かると、ついつい気になって仕方ない訳です。そして、最後は我慢できずに購入して読んでしまい、「沼」にハマッてしまうのです。
 7月4日の記事に書いた、「我々読書をする者にとって、図書館や本屋には魔力がある」の正体…もう分かりますね。そう、コレです。
 我々は「やっぱり本が好き」。だから、本が沢山存在する場所には、強烈な魔力(引力?)を感じてしまう…もう、本当に「宿業」と言ってもイイかもしれませんね、これは。 (^o^;)

 ところで、令和6年7月15・16日のブログに、また「いいね」などをいただきました。いつも、ありがとうございます。毎回、とっても励まされています。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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