土曜はライトノベル…と言う事で、先週(R5.9.2)に続けて『オーバーロード』について書きます。
ライトノベルでは、往々にして有りがちな主人公設定があります。例えば、「主人公は自分に自信がない」とか、「主人公は恋愛感情に鈍感である」とか、「主人公は世の中の常識に疎い」とか…まぁ、そんな感じです。
そんな主人公設定の中に、「主人公は気が小さい」というものがあります。『オーバーロード』の主人公モモンガ(途中からアインズに名前を変更しますが、このブログではモモンガで統一します)は、正にソレです。
現実の世界でのモモンガは、どこかの企業に勤める一般人にすぎません。別に役職がある訳でもない、ただの平社員です。だから、転移した世界では圧倒的な強者であるにも関わらず、心は小心者の一般人である…このギャップが、何とも言えない面白さを生み出しています。
ネタバレになりそうなので詳細は書けませんが、小市民的に挨拶に行ったら、相手が深読みしすぎて降参する事になったり、自分が気付いてない事を誤魔化すために言った言葉が、相手には深遠な発言をしたと受け止められたり…随所に、そんな話が織り込まれています。これが、ともすれば凄惨で暗い物語になりそうなところを、何とな~くポップな雰囲気の物語にしてくれます。
漫画家の大和和紀先生が、「面白さというのは、本人が真面目に行っている事が、現実との間にギャップを発生させている時に生じる」的な発言をされています。『オーバーロード』を読むと、それを強く感じさせられます。
…と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。