木曜はラノベ愛語り。今回は、「何を今更」な作品を紹介します。
その作品は、蝉川夏哉先生の『異世界居酒屋「のぶ」』です。元々は2014年に発行されていますから、もう11年も前の作品です。しかも、その間にコミカライズは出る、WOWOWで実写ドラマ化される…と、売れまくっている作品です。それを、今になって読んで感想を書こうってんだから、「何を今更」感が強いですよねぇ。
まぁ、既読の方や知ってる方は「しょ~がねぇなぁ」って感じで、未読の方や知らない方は「へぇ~、そうなの」って感じで、どうかお付き合いください。
この話、一言で表現すると、「異世界版の『孤独のグルメ』」です。
『孤独のグルメ』は松重豊さんが主演するTV番組が有名ですが、御免なさい。私、TV番組は、きちんとは視聴していません。私は主に、原作・久住昌之、作画・谷口ジローによる漫画版を読むのが中心です…が、まぁ、基本線は同じだから問題ないでしょう、たぶん。
それで『孤独のグルメ』ですが、主人公・井之頭五郎が飯を食って感想を言う…実際に言葉を発する時もあれば、心の中で語っている時もあります…だけの話です。添え物的に、何らかの出来事が発生する事もありますが、基本は食べて感想を言う…それだけ。
おいおい…って感じですが、それが何故か面白い。
そして、それを異世界に住む人にやらせているのが本作、『異世界居酒屋「のぶ」』なのです。
日本のとある場所で、ごく普通に開店した居酒屋「のぶ」。何故か、店の入口は異世界と繋がっていて、やってくる客は異世界の人々ばかり。現代日本の我々にとっては当然な、冷え冷えの「とりあえず生」も、熱々の「おでん」も、中世風の世界である古都(アイテーリア)の人々にとっては、珍しい食べ物になります。かくて、お客として来訪した人々が、井之頭五郎よろしく食レポを行う訳です。
鋭い方は、ここでピンと来るでしょう。この作品の面白さの1つは、ヤマザキマリ先生の『テルマエ・ロマエ』に似ているのです。『テルマエ・ロマエ』は、古代ローマと現在日本の入浴文化を比較した部分に、その面白さの1つがありました。比較文化論的な面白さです。
『異世界居酒屋「のぶ」』の面白さの1つも、同じ比較文化論的な面白さです。中世ヨーロッパ風の異世界の食文化と現代日本の食文化を比較する事によって、面白さ(興味深さ…の方があってるかもしれません)が生まれてきます。
もう1つの面白さとして、登場する異世界の人々の多様性があるでしょう。『孤独のグルメ』は主人公・井之頭五郎だけが食レポするので、切り込み方は基本1通りです。それが『異世界居酒屋「のぶ」』だと、お客さんが多種多様なので、様々な切り込み方が可能となります。
また、様々な登場人物が出てくると言う事は、それだけ物語の幅も広くなる…と言う事です。実際、悪そうな人が出てくる話もあれば、他愛も無い話もあり、可愛い話も人情話もあります。そう言う多様性を担保する上で、「居酒屋」と言う設定は実に見事だなぁ…と感じます。
食べた人の食レポがメインの本作、多少のドラマはあっても、基本は「ほっこり」です。美味しい物を食べたら、人間は穏やかになる…って事でしょう。ですから、読み終わった後の読後感も「ほっこり」です。疲れた時に読むのに、とても良い作品だと思います。
問題点があるとすれば…読むとお腹が空く事でしょうか。 (^o^)
…と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
その作品は、蝉川夏哉先生の『異世界居酒屋「のぶ」』です。元々は2014年に発行されていますから、もう11年も前の作品です。しかも、その間にコミカライズは出る、WOWOWで実写ドラマ化される…と、売れまくっている作品です。それを、今になって読んで感想を書こうってんだから、「何を今更」感が強いですよねぇ。
まぁ、既読の方や知ってる方は「しょ~がねぇなぁ」って感じで、未読の方や知らない方は「へぇ~、そうなの」って感じで、どうかお付き合いください。
この話、一言で表現すると、「異世界版の『孤独のグルメ』」です。
『孤独のグルメ』は松重豊さんが主演するTV番組が有名ですが、御免なさい。私、TV番組は、きちんとは視聴していません。私は主に、原作・久住昌之、作画・谷口ジローによる漫画版を読むのが中心です…が、まぁ、基本線は同じだから問題ないでしょう、たぶん。
それで『孤独のグルメ』ですが、主人公・井之頭五郎が飯を食って感想を言う…実際に言葉を発する時もあれば、心の中で語っている時もあります…だけの話です。添え物的に、何らかの出来事が発生する事もありますが、基本は食べて感想を言う…それだけ。
おいおい…って感じですが、それが何故か面白い。
そして、それを異世界に住む人にやらせているのが本作、『異世界居酒屋「のぶ」』なのです。
日本のとある場所で、ごく普通に開店した居酒屋「のぶ」。何故か、店の入口は異世界と繋がっていて、やってくる客は異世界の人々ばかり。現代日本の我々にとっては当然な、冷え冷えの「とりあえず生」も、熱々の「おでん」も、中世風の世界である古都(アイテーリア)の人々にとっては、珍しい食べ物になります。かくて、お客として来訪した人々が、井之頭五郎よろしく食レポを行う訳です。
鋭い方は、ここでピンと来るでしょう。この作品の面白さの1つは、ヤマザキマリ先生の『テルマエ・ロマエ』に似ているのです。『テルマエ・ロマエ』は、古代ローマと現在日本の入浴文化を比較した部分に、その面白さの1つがありました。比較文化論的な面白さです。
『異世界居酒屋「のぶ」』の面白さの1つも、同じ比較文化論的な面白さです。中世ヨーロッパ風の異世界の食文化と現代日本の食文化を比較する事によって、面白さ(興味深さ…の方があってるかもしれません)が生まれてきます。
もう1つの面白さとして、登場する異世界の人々の多様性があるでしょう。『孤独のグルメ』は主人公・井之頭五郎だけが食レポするので、切り込み方は基本1通りです。それが『異世界居酒屋「のぶ」』だと、お客さんが多種多様なので、様々な切り込み方が可能となります。
また、様々な登場人物が出てくると言う事は、それだけ物語の幅も広くなる…と言う事です。実際、悪そうな人が出てくる話もあれば、他愛も無い話もあり、可愛い話も人情話もあります。そう言う多様性を担保する上で、「居酒屋」と言う設定は実に見事だなぁ…と感じます。
食べた人の食レポがメインの本作、多少のドラマはあっても、基本は「ほっこり」です。美味しい物を食べたら、人間は穏やかになる…って事でしょう。ですから、読み終わった後の読後感も「ほっこり」です。疲れた時に読むのに、とても良い作品だと思います。
問題点があるとすれば…読むとお腹が空く事でしょうか。 (^o^)
…と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。