2月25日、26日と山村再生研修を開催した。
大和田さん、小林さん、嵯峨さん、嶋田くんという講師陣はいい仕事をしてくれたし、
参加者同士の交流等もいい雰囲気でなされていたと思う。
今回の研修では、山村マーケティングと山村コーディネイターの2つをテーマにした。
どちらも、山村再生にとって重要なテーマである。
研修用に作成したテキストや講演録は、HP等で公開され、さらに共有されるが、
ここでは山村コーディネイター・テキストの一部を紹介しておく(研修はこのテキスト
のことを、あまり紹介しなったため)。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)コーディネーターの定義
辞書をひくと、コーディネーターとは、「①テレビ放送で、演出者と協力して番組を進行させる係、②経営管理の調整者・調整機関」(学研国語大辞典)とある。
テレビ放送や企業経営の場面の他、ITコーディネーター、カラーコーディネーター等、コーディネーターが活躍する場面は多いが、「いろいろな要素を統合したり調整したりして、一つにまとめ上げる人」(大辞泉)という定義が本質的な所であろう。
(2)山村コーディネーターの必要性
近年、合併して都市に併合された山村も多い。そうした山村にいくと、地元の役場職員もそうだが、森林組合、商工会等も合併し、地域をとりまとめる力が弱っているように感じることが多い。地域の衰退に危機感を持ち、元気な有志は大勢でてくるのだが、それを束ねて、効果的に外に伝える力がないため、もったいないと感じる。これが、本研修で、コーディネーターを取り上げる出発点であった。
また、時代の流れとともに、地域づくりの方法が変わり、リーダーの役割も変化しつつある。カリスマリーダーが地域の個性を引き出し、アピールするという1980年代・19990年代の地域づくりの段階から、地域の多様な主体を巻き込み、地域内の関係主体の相互作用や波及効果を重視する段階に移行してきている。こうした時代のリーダーには、コーディネーターとしての仕事が不可欠となっている。
(3)地域づくりの多様なキーパーソンとコーディネーター
山村に限らず、地域づくりは、多様な役割を持ったキーパーソンによって、成り立っている。プロデューサー(地域づくりの呼びかけ人)、ディレクター(現場総括、現場を引っ張るリーダー)、アドバイザー(地域の活動主体に、専門性や客観性を持って知見を提供するもの)等、プレイヤーの活動を支える主体があって、地域づくりが動いている。
他にも、オーサー(シナリオライター)、ナビゲーター(水先案内人)、インストラクター(指導者・育成者等)、ファシリテーター(進行役)、メディエーター(仲介者)、アニメーター(元気づける人)等といった多様な役割を示す用語がある。各々の用語は重要な意味を持つが、通称で使われる場合も多く、意味が重なる場合も多い。
本研修で取り上げるコーディネーターは、地域づくりのキーパーソンの役割のひとつである。しかし、多様な役割を一人で果たす人をコーディネーターと称する場合も多く、コーディネーターを狭い定義に閉じ込めることは困難であり、実際の地域づくりに有効な意味を持たない。
このため、本研修では、プロデューサーやインストラクター、ファシリテーター等の役割も含めて、様々な役割を内包する、広義の意味でコーディネーターを捉えることとする。
(4)山村コーディネーターの仕事の範囲
参加のデザインを専門とする世古一穂氏は、ワークショップ等で出された意見を実現していくために、「住民と行政の間に入って参加のまちづくりをコーディネイトする専門家」である「協働コーディネーター」の必要性を提案し、その育成に務めている。
世古氏は、「協働コーディネーター」の仕事は、参加型会議の進行役である「ファシリテーター」に留まらず、「プロセスやプログラム、参加構成のデザインを、リーダーシップを持って実施する」こととしている。
コーディネーターを肩書きとしている、宮本英樹氏(NPO法人ねおす 専務理事)も、都市と山村の交流・連携、山村住民の参加、事業の計画・運営といった多様な側面で、コーディネーターの仕事があるとしている。
「都市住民のニーズと山村の思いをどのようにマッチングさせるか」、「より多くの住民の参加をどのように促し、満足度を高めるか」、「効率的・効果的な事業運営を図るため、関係者の役割や分担、あるいは成長をどのように促すか」などが、コーディネーターとして、取り組む課題となる。
また、計画段階、実施準備段階、事業実施・運営等、PDCAの各段階でコーディネーターの仕事がある。ビジネスにせよ、コミュニティづくりにせよ、取組みの性質に応じたコーディネーターの仕事がある。
(5)コーディネーターの秘訣
コーディネーターの実践者に、コーディネーターとして成してきた仕事と工夫について、以下の5人にヒアリングを行った。
●菊池新一氏
(NPO法人遠野山・里・暮らしネットワーク マネジャー兼 東北まちづくり実践塾塾長)
●関原剛氏
(NPO法人かみえちご山里ファン倶楽部専務理事、協同組合ウッドワーク顧問、ウッドストック協同組合顧問)
●塩見直紀氏
(NPO法人里山ねっと・あやべ、半農半X研究所代表)
●本田節氏
((有)ひまわり亭代表取締役/国土交通省地域振興アドバイザー/郷土料理研究家)
●宮本英樹氏
(NPO法人ねおす 専務理事・コーディネーター)
5人から学ぶべき、コーディネーターの秘訣として、以下の7つを抽出した。
1)「間に立つもの」となる
2)良い人を集める・良いメッセージを発する
3)当事者意識を引き出すコンセプトとルールをつくる
4)アイディアは7つまで突き詰める・一緒になって悩む
5)小さなミラクルを実現する・信頼を積み重ねる
6)一人ひとりに応じた引き出し方をする
7)先人に学び、時代を先読みする
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここまでにしておく。詳細は下記サイトでテキストが公開されるまで
お待ちください。
http://sanson-saisei.com/
大和田さん、小林さん、嵯峨さん、嶋田くんという講師陣はいい仕事をしてくれたし、
参加者同士の交流等もいい雰囲気でなされていたと思う。
今回の研修では、山村マーケティングと山村コーディネイターの2つをテーマにした。
どちらも、山村再生にとって重要なテーマである。
研修用に作成したテキストや講演録は、HP等で公開され、さらに共有されるが、
ここでは山村コーディネイター・テキストの一部を紹介しておく(研修はこのテキスト
のことを、あまり紹介しなったため)。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)コーディネーターの定義
辞書をひくと、コーディネーターとは、「①テレビ放送で、演出者と協力して番組を進行させる係、②経営管理の調整者・調整機関」(学研国語大辞典)とある。
テレビ放送や企業経営の場面の他、ITコーディネーター、カラーコーディネーター等、コーディネーターが活躍する場面は多いが、「いろいろな要素を統合したり調整したりして、一つにまとめ上げる人」(大辞泉)という定義が本質的な所であろう。
(2)山村コーディネーターの必要性
近年、合併して都市に併合された山村も多い。そうした山村にいくと、地元の役場職員もそうだが、森林組合、商工会等も合併し、地域をとりまとめる力が弱っているように感じることが多い。地域の衰退に危機感を持ち、元気な有志は大勢でてくるのだが、それを束ねて、効果的に外に伝える力がないため、もったいないと感じる。これが、本研修で、コーディネーターを取り上げる出発点であった。
また、時代の流れとともに、地域づくりの方法が変わり、リーダーの役割も変化しつつある。カリスマリーダーが地域の個性を引き出し、アピールするという1980年代・19990年代の地域づくりの段階から、地域の多様な主体を巻き込み、地域内の関係主体の相互作用や波及効果を重視する段階に移行してきている。こうした時代のリーダーには、コーディネーターとしての仕事が不可欠となっている。
(3)地域づくりの多様なキーパーソンとコーディネーター
山村に限らず、地域づくりは、多様な役割を持ったキーパーソンによって、成り立っている。プロデューサー(地域づくりの呼びかけ人)、ディレクター(現場総括、現場を引っ張るリーダー)、アドバイザー(地域の活動主体に、専門性や客観性を持って知見を提供するもの)等、プレイヤーの活動を支える主体があって、地域づくりが動いている。
他にも、オーサー(シナリオライター)、ナビゲーター(水先案内人)、インストラクター(指導者・育成者等)、ファシリテーター(進行役)、メディエーター(仲介者)、アニメーター(元気づける人)等といった多様な役割を示す用語がある。各々の用語は重要な意味を持つが、通称で使われる場合も多く、意味が重なる場合も多い。
本研修で取り上げるコーディネーターは、地域づくりのキーパーソンの役割のひとつである。しかし、多様な役割を一人で果たす人をコーディネーターと称する場合も多く、コーディネーターを狭い定義に閉じ込めることは困難であり、実際の地域づくりに有効な意味を持たない。
このため、本研修では、プロデューサーやインストラクター、ファシリテーター等の役割も含めて、様々な役割を内包する、広義の意味でコーディネーターを捉えることとする。
(4)山村コーディネーターの仕事の範囲
参加のデザインを専門とする世古一穂氏は、ワークショップ等で出された意見を実現していくために、「住民と行政の間に入って参加のまちづくりをコーディネイトする専門家」である「協働コーディネーター」の必要性を提案し、その育成に務めている。
世古氏は、「協働コーディネーター」の仕事は、参加型会議の進行役である「ファシリテーター」に留まらず、「プロセスやプログラム、参加構成のデザインを、リーダーシップを持って実施する」こととしている。
コーディネーターを肩書きとしている、宮本英樹氏(NPO法人ねおす 専務理事)も、都市と山村の交流・連携、山村住民の参加、事業の計画・運営といった多様な側面で、コーディネーターの仕事があるとしている。
「都市住民のニーズと山村の思いをどのようにマッチングさせるか」、「より多くの住民の参加をどのように促し、満足度を高めるか」、「効率的・効果的な事業運営を図るため、関係者の役割や分担、あるいは成長をどのように促すか」などが、コーディネーターとして、取り組む課題となる。
また、計画段階、実施準備段階、事業実施・運営等、PDCAの各段階でコーディネーターの仕事がある。ビジネスにせよ、コミュニティづくりにせよ、取組みの性質に応じたコーディネーターの仕事がある。
(5)コーディネーターの秘訣
コーディネーターの実践者に、コーディネーターとして成してきた仕事と工夫について、以下の5人にヒアリングを行った。
●菊池新一氏
(NPO法人遠野山・里・暮らしネットワーク マネジャー兼 東北まちづくり実践塾塾長)
●関原剛氏
(NPO法人かみえちご山里ファン倶楽部専務理事、協同組合ウッドワーク顧問、ウッドストック協同組合顧問)
●塩見直紀氏
(NPO法人里山ねっと・あやべ、半農半X研究所代表)
●本田節氏
((有)ひまわり亭代表取締役/国土交通省地域振興アドバイザー/郷土料理研究家)
●宮本英樹氏
(NPO法人ねおす 専務理事・コーディネーター)
5人から学ぶべき、コーディネーターの秘訣として、以下の7つを抽出した。
1)「間に立つもの」となる
2)良い人を集める・良いメッセージを発する
3)当事者意識を引き出すコンセプトとルールをつくる
4)アイディアは7つまで突き詰める・一緒になって悩む
5)小さなミラクルを実現する・信頼を積み重ねる
6)一人ひとりに応じた引き出し方をする
7)先人に学び、時代を先読みする
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここまでにしておく。詳細は下記サイトでテキストが公開されるまで
お待ちください。
http://sanson-saisei.com/