サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

コミュニティの持続可能性を測る指標 (CSA)

2008年08月18日 | 提言
写真:ストケシア


●持続可能な地位づくりに係る計画(市町村計画)は、自然と人(コミュニティ)の関係を、持続可能性の観点から評価し、あるべき姿と実現戦略を計画するものとしなければならない。

●ここで、自然と人(コミュニティ)の関係の持続可能性は、環境面のみならず、社会、経済、文化、精神などの各側面がバランスよく持続可能な営みをしているときに達成されるものである。

●これらの各側面において、具備すべき項目を整理し、その項目によって、地域を診断し、評価し、計画の足がかりとするツールが、CSA(Community Sustainability Assessment)である。

●CSA(Community Sustainability Assessment)は、エコビレッジというテーマで集う世界のネットワークによって開発された。CSAは既に開発されたもので、それを日本に適用する検討が行われたことがあるが、さらに改良の余地がある。

●CSAは、環境、社会・経済、文化・精神の3つの大項目ごとに、具体的なチェック項目を当てはめたもので、チェック項目の数は大項目後に50問程度である。

●このチェック項目について、地域住民あるいは専門家が地域を評価し、その総合点を分析する。得られた結果は、一定数のサンプル数を持つことで、相対的な客観性を有し、地域間比較や時系列での進行管理を可能とする。一方で、地域住民は、評価活動を通じて、地域への気づきを得るという学習効果が期待できる。

●客観的数値指標を作成することは、多くの作業を要するわりに、抽象化した結果となり、実現可能性や操作性に乏しいものとなる。この点で、CSAは住民参加型ツールであるものと、点数化により一定の客観性を持ち、現実的に有効なツールとなり得る。


【参考:CSAの構成イメージ】

  環境面
    ・土地に対する感覚~地域の立地と範囲、自然の復元と保護
    ・食の調達可能性、生産と配分
    ・物理的な基盤、建物、交通―環境に負荷の少ない資材、方法、設計
    ・消費パターンと廃棄物管理
    ・水―水源、質、使用パターン
    ・排水と水質汚染管理
    ・エネルギー源とエネルギーの使用

  社会・経済面
    ・地域の場における信頼性と安全性
    ・意見や情報の伝達について
    ・地域の中と外における情報のやりとりについて
    ・社会の持続性:多様性と寛容性、意思決定、意見の食い違いの解消
    ・教育
    ・医療
    ・経済的な持続可能性―地域経済の健全性

  精神・文化面
    ・文化の継承
    ・芸術と娯楽
    ・文化・精神の持続可能性
    ・地域の連帯感
    ・地域の問題解決力
    ・あらゆる視点からの持続可能な世界観
    ・平和的な世界を創りあげる意識


参考)社団法人中国地方総合研究センター「環境評価ツール(CSA)を活用した、循環型地域づくりの可能性」

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