白珠だより

札幌にて美人画と武者絵を扱っております白珠画廊のブログです。

近くて遠いもの

2013-01-06 | 画廊の様子
まだ真っ暗闇の中、かすかにチョンチョンチッチと雀たちの
さえずりが聞こえてきました。
夜明けが待ち遠しいのでしょう。
みんな同じ気持ち・・・春の兆しがどこかにないかしらと
探しています。
昨日は今日につながり今日は明日につながる、昨日が終わって
今日が始まり今日が終わって明日が始まる。
こうして日の出、日の入りを頼りに日を刻んで時は永遠に流れて
行くのでしょうか。
暦とは時を区切った不思議なものですね。
清少納言は枕草子の中に「近うて遠きもの・・・」を幾つか
挙げて~師走の晦の日、正月の朔日の日ほど~と述べています。
大晦日の次の日は元日だけれど一日違いで一年の差があると。
時は冬至を期にすべての一年の古い物事を燃やして一年を終わらせ、
新しい一年を誕生させてその生命を力の限り育てて行くのでしょう。

晦日までに身の回りを綺麗さっぱりと片付けて整え、心も身体も
清潔になりました。
不安と希望が入り混じって旧年から新年へのバトンタッチが
なされました。
春の誕生です。
遠いけれど、何処からか春の音が聞こえてきます。
たくさんの夢を胸いっぱいに抱えて春の光に向かって
歩いて行きましょう。 
   
今日の一枚の絵  「調べ」  中尾 淳  木版



みなさまの新しい一年がお幸せでありますようにお祈りします。  
                      s・y





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