白珠だより

札幌にて美人画と武者絵を扱っております白珠画廊のブログです。

若菜を摘みに

2014-01-07 | 画廊の様子
明けましておめでとうございます。
皆様、お一人お一人の一年がお幸せでありますように祈ります。

元旦の朝、窓を開けるとそれはそれは美しく透き通った景色が
眩しく光っていました。空からのお年玉・・・大雪でした。
深い深い雪の世界が始まったばかりなのに「初春」と謳う暦の言葉には
戸惑ってしまいました。
かの柳田国男も太陰太陽暦が太陽暦に変わりその季節感のズレと
南北に横たわる日本の地形を無視した暦の自然情報には矛盾を抱き、
春の兆しも見えぬ北国に暮らす人々には大いに同情の念を示して
様々な記事や作品の中にこれを書き留めています。
とは言っても今日はもう正月七日、七草の節句です。
七草の菜は若菜とも呼ばれて七という奇数のめでたさでその昔は七種を
汁物にして祝い、室町時代になってからはお粥に入れるようになったそう。
深い山や野に芽吹き始めた野草を求めその生命力を得て春を待ち、
春を呼ぶ祝いの日としたのでしょう。
これからひと月先の旧暦の新年が始まるあたりにはこの北国の空の色、
日の光りも心なしか明るくなっていることでしょう。
温かく湿った風と僅かな水の流れる音に春の兆しを感じとり
若菜摘みに出かける楽しみは静かに先のこととして置いておきましょう。

今日の一枚の絵  「羽子」 伊東深水  リトグラフ A・P 

  春の野に若菜摘めどもさすたけの君とし摘まねば籠に満たなくに
                          良寛

新しい時が動き始めました。
この青い地上では平和と自由、安心安全が何よりも大切にされることを
願い、「おもてなし」ではなくて「思いやり」の心を大切にして日々を
過ごしたいと思っています。      s・y


       お正月のお菓子 ♪ジャムまきまき♪と名づけました。










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