白珠だより

札幌にて美人画と武者絵を扱っております白珠画廊のブログです。

小さな神様

2010-03-22 | 画廊の様子
かわいい蕗の董が我が家の庭に産声をあげました。
小さなつぼみの集まりは赤ちゃんの拳のような形です。
待ちわびた北海道の春を真っ先に告げてくれる野草です。

雪解けのやわらかな黒土の中にこの若芽を見つけると本当に春が来たのだと心が躍ります。

生まれたての蕗の董はその香りとほろ苦さで冬の疲れを癒してくれます。
元気に育った茎は六月のお祭りの頃には柔らかい葉と共に野の香りで食卓を包みます。

北海道の野生の蕗は山間の肥えた土地では2メートル以上にもなって
まるでパラソルを広げたような姿になります。

昔、アイヌの人たちはこの大きな葉っぱで緊急の避難小屋を作ったり雨具の代わりにしたり
ご馳走を入れるお鍋やお皿にしたと伝えられています。

小さな蕗の董から大きく育った大蕗まで「蕗」という力強い植物が
アイヌの人たちの暮らしを助け守り支えたおかげで、その葉っぱの下には
小さな神様が住んでいるというお話が生まれました。
コロポックル(フキの下の小さな神様)と呼ばれたそうです。

時々、いたずらっ子になって悪さもしたそうな・・・・・

この赤ちゃんのにぎにぎの拳のようなつぼみの中にコロポックルが隠れているかも
しれませんね。

                             s・y

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