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城ヶ峰砦 美濃 史料・伝承不明、人里離れた岩峰上に築かれた山道を扼する砦か

2023-12-13 | 歴史

城ヶ峰砦は岐阜県恵那市東野小野川にあります。巨岩に覆われた小ピークに城ヶ峰の名前が残り、城ヶ峰神社が祀られ、ここに城砦があったとされるようです。往時は山中に岩村から中津川へ抜ける地図に残らない程度の山道があった可能性がありそうです。付近の道路(413号)は後に敷設され、明治の地図にはそれらしい道は載っていませんでした。今回の参考資料は「信濃をめぐる境目の山城と美濃・飛騨・三河・遠江編」宮坂武男編2015 などです。

城ヶ峰砦 小野川沿いに413号が敷設された
 保古の湖は大正時代、根の上湖は戦後に造られた灌漑用の人造湖で往時は城ヶ峰砦付近を通って中津川へ抜ける道があった可能性がありそうです。
城ヶ峰砦 明治の地図には歩く道も見当たらない
 往時の城ヶ峰砦付近は深い山の中で、近年の開発で周辺雄様子は一変したのがわかります。近年の道路は川沿いに敷設される場合が多いようですが、往時の道は尾根上を通っている場合が多いようですので、砦が見張っていた道も小野川沿いの谷筋ではなくて付近の尾根上にあったのかもしれないと想像しましたがどうでしょう。

城ヶ峰砦 保古の湖と413号が出来て付近は一変した
 城ヶ峰砦には城ヶ峰神社が祀られていますので、参道を兼ねた山道があったと思われますが、確認することは出来ませんでした。保古の湖から流れ出す小野川には近年のハイク道が設けられていました。

城ケ峰砦 シロヤシオ渓谷  小野川の流れとなる  
 保古の湖は灌漑用の溜池として大正時代に造られ、シロヤシオ渓谷を下り小野川の流れとなって川下の田を潤しているようですが、観光地としてもPRされています。

城ヶ峰砦 城ヶ峰神社の祀られる山頂部は2段の小平場
 砦は山頂部の2段の平場Ⅰと①、南下の平場②のシンプルな構造ですが、多くの巨石の露頭があり、地形としては複雑な印象でした。

城ヶ峰砦 城ヶ峰神社が祀られている
 城ヶ峰神社は413号からの石段の参道が設けられていました。附近で往時の道の様子を知る手掛かりは見付けられませんでした。

城ヶ峰砦 途中の巨岩 障害物として利用していたか
 城ヶ峰神社は砦の主郭Ⅰにあたる頂上の小平場に祀られていますが、途中の参道にはいくつもの巨石が道を阻むように露頭していました。

城ヶ峰砦 地山は岩盤 頂上に城ヶ峰神社(写真○印)
 砦のある地形は小さな岩峰ですが、地山は岩盤で、露頭した大岩を縫うように道がありました。

城ヶ峰砦 主郭部は2段になっている 上段Ⅰに城ヶ峰神社
 砦は戦いを前提とした施設ではなさそうですので、この面積の平場でも小屋掛けが出来、居住しての見張の役割は果たせたと思われます。砦の西側には小野川が流れていますので、沢の水を汲むことが出来たのではないでしょうか。

城ヶ峰砦 山頂部に祀られた城ヶ峰神社 神社は現役のように見える
 神社名に城ヶ峰と付いていますので、地名の方が古いのではないかと想像しましたがどうでしょう。

城ヶ峰砦 山頂付近の巨石の露頭がスゴイ
 巨石の露頭は見どころでしたが、城郭遺構と言ってよいのか?でした。

城ヶ峰砦 平場② 東から
 平場②は腰曲輪のような地形でした。現況は傾斜のある面になっていましたが、土の堆積が無ければ小屋掛けくらいは出来そうな面積でした。

城ヶ峰砦は不明な点の多い、伝承も残らない小規模な城郭遺構でしたが、人里離れた山奥の間道を抑える砦の一つの形態として見学出来て良かったです。


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