割石城は愛知県豊田市室口町割石にあります。割石(わりいし)の地名は豊田市内に3ヶ所あり花崗岩の産出と関係がありそうな地名です。
城の城主、来歴は不詳ですが北西800mに鶏足城、南南東600mには浅谷城があり、どちらも付近に集落がありますが、割石城周辺には集落がなかったと思われ、どちらの城も見えることから、両城またはどちらかの城に関連する連絡拠点だったのではないかと思いました。今回の資料は 「足助の城 足助町教育委員会2001」です。
割石城 旧地図では城の両サイドには南北を結ぶ旧道が通る。街道を見張る役割もあったかも
北東方向には足助地区の飯盛山城、真弓山城などがあり鶏足城、浅谷城が支城として機能していたようですので割石城のシンプルな構造から考えると、独立した城郭ではなかったように思いました。
※林道は未舗装で狭く、大雨などで崩落すると通行が危うい場合もあると思いますので、通行はあくまでも自己責任です
割石城 削平されたⅠ郭から南北3方向に伸びる尾根に大岩が顔を出す
資料の図では南北の3方向に伸びる尾根も城域とされていましたが、自然地形のように見えました。
Ⅰ郭は削平されていましたが土塁、堀切等の目立った防御施設は設けられていなかったようで、法面は自然地形のように見えました。
割石城 山頂のⅠ郭 削平された? 平坦面になっている
Ⅰ郭はきれいな平坦面で削平されているように見えました。。資料では腰曲輪状の表現もがありましたがⅠ郭の周囲の法面は概ね自然地形ではないかと思いました。
割石城 南尾根の先端部 割れた大岩が顔を出す
南側に伸びる尾根は自然地形のようですが、全体になだらかな状態でした。大きな岩が顔を出していて、いかにも城域の区切りのような印象を受けました。
割石城 南尾根先端の割れた大岩 尾根の地形は自然地形に見える
南尾根先端部には平坦面があり、高さ2mを超す割れた大岩が顔を出していました。割石城の名前の由来はこの岩かとも思いましたが、自然に割れた岩でしょうから 「わりいし」ではなくて「われいし」ですね。
割石城 北東尾根の大岩 尾根地形に大岩が顔を出している 尾根の地形は自然地形に見える
北東尾根は植林がされて密集した樹木が尾根を覆っていました。ここでも城域を区切るように尾根に大岩が顔を出していました
。
割石城 北尾根先端部 林道の工事で尾根が削られ大岩が転落
北尾根の先端部にも大岩があったようなのですが、林道の工事で転落していました。こちら側も自然地形の尾根だったようでした。
資料によると三方向の尾根は削平が十分ではない城域とされていましたが、見学結果によると山頂部の削平地のⅠ郭が城郭遺構で尾根は自然地形ではないかと思いました。
非常時には、街道を見張り、鶏足城または浅谷城にノロシなどの手段で相互に連絡する拠点となっていたのではないかと思いました。 城と言うよりも見張台・ノロシ台のようでした。
鶏足城、浅谷城も見学しましたので別途の機会にアップしたいと思います。