わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

本のこと:三つ子の魂百までといいますが…

2012-08-14 | 映画・ドラマ・本
 私の本業は翻訳ですが、実際の所、原本と同じテーブル等の作成、ウェブサイトや図面の場合だと、元の構成を保つため限られたスペースに英語なり日本語なりを押しこむ作業に、実際の翻訳以上に時間がかかってしまうことがあります。これが文芸翻訳ですと、そういう手間は全く必要ないのでしょうが、日本における文芸翻訳は未だ徒弟制度が普通で、コネも何もない海外在住の一翻訳者が入り込む隙はありません。特殊言語の場合、現地在住経験のない翻訳者は稀ですが、英語の場合だと、どっぷり日本に住んで、自分の翻訳対象の国に住んだこともない翻訳者も多いので、現地では常識なんて事が、全く意識されずに強引に訳されちゃってる場合も多くあります。アメリカの作家の翻訳本を読んでいて、ちょっと現地の事情に詳しい人に確認すりゃいいのに…と、思うことがしょっちゅうです。

 テキサスに住んでいた頃、日本でもエターナル・チャンピオンのシリーズが人気のFT作家、マイケル・ムアコックのサイン会に行ったことがありますが、他の国の翻訳者は作業中に何度も問い合わせをしてくるのに、日本からは一度もないと言っていました。レイ・ブラッドベリの講演会で翻訳本にサインを求めた時も、「日本語版は初めて見た」と、珍しそうに中を見ておられましたが、日本の出版社は原著者に本の一冊も送らんのかいな?と思ったことがあります。

 そんなに文句をいうなら、翻訳本を読むなと突っ込まれそうですが、日本語で読んだほうが絶対ラクだしー。翻訳業なら英語の本を沢山読んでるでしょうねと言われることも多いのですが、娯楽でわざわざ英語読みたくないしー。てなワケで、新聞と雑誌、漫画の他には、日本語訳が出ていない、ハードカバーで高いという避けられない事情を除いては、とことん日本語の訳本で読みたいわたくしである。

 若い頃は小説が大好きでしたが、この頃はノンフィクションを好むようになりました。今でも、フィクションとノンフィクションでは、小説のほうが読む比率は多いのですが、本屋さんで最初に見に行くのはノンフィクションの棚になりました。以前は真っ先に文庫の新刊のコーナーに行ったものですが、日本から離れた年数が長くなって、流行作家や好まれる物語のトレンドについて行けなくなったのが最大の原因だと思います。ここ、ロサンゼルスは、国内を除いて最も多くの日本人が住んでいますし、特にトーランス市は日本人・日系人人口が多いので、公立図書館で日本語の本や雑誌が借りられるほどに恵まれています。お隣のガーデナ市も同様で、しかもBookOffまで存在します。これで、電子書籍で日本語の本がどんどん出版されるようになったら、わたしゃ、もう、この国に骨を埋めてもいいやって思ってます。実際には、死んだら焼いて、骨は太平洋に流してくれって頼んであるから埋まらないけどさ。


って、前ふりだけで、1,334字だしw

 何でもいいから、一日に日本語を最低3千字を書くことを目標に続けているこのブログですが、前振り長くて、本当に書きたかったことは後にチョロっと、というのは、わたくしの通常のスタイルである(←開き直ってんじゃねえよ!)ので、本来、日本で買ってきた本を含め、最近読んだ小説の感想を書きたかったんだけど、ここに至るまでに、もう今日のノルマの半分過てるし。でも、一応は一冊くらい取り上げたいと思う。自分に対する意地みたいなもんです。

で、この本:



「御宿かわせみ」のシリーズなんかで人気の平岩弓枝氏の「聖徳太子の密使」新潮文庫、590円
 絵が可愛いんで買った。中も挿絵あるのね。私の場合、表紙買いというのは結構多い。でも、図書館で借りた平岩氏の同じような古典お伽話系「平安妖異談」も面白かったし、聖徳太子の愛娘・珠光王女が男装して、愛馬にまたがり、お供の3匹の猫と使命を帯びて異国へ旅立つってプロットも好み。リボンの騎士、ベルばら世代だけに「男装の麗人」は大好物。そして、王女のルックスは私の中で三蔵法師姿の夏目雅子に決まり…の筈だったんだけど、私的に厩戸皇子といえば、もう

   これ

に固定されてるし、その娘といえば、

   この人

 なんで、最後まで違和感が抜けず… 若いころのすり込み恐るべしと畏怖を感じた一冊でありました。



これの何処が読書の感想やねん?!?


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ここアマゾンのリンク入れられ無いし、やっぱFC2復帰か?