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大病から復帰した親父が始めたギター。家族とギターとともに歩むマイペースな人生

つゆのあとさき

2012-06-10 11:44:46 | CD Review / My Favorite
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この記事のタイトルですが、さだまさし初期の作品に「つゆのあとさき」というタイトルの曲があります。大好きな作品なのですが、今日の産経新聞の産経抄で、永井荷風の「つゆのあとさき」に纏わる話がありました。
さだ氏の作品タイトルは、この永井荷風の小説から採られたと言われていますね。産経抄の内容自体は、梅雨と梅雨明けに来る暑い夏から原発再稼働問題に繋がるものだったのですが、それはここでは置いておくとして、記事中、

・「つゆのあとさき」とは郷愁を誘うタイトル
・「梅雨」という言葉が日本人に与える強烈な季節感

といったくだりが引っ掛かり、何気にネットで調べていました。すると、「梅雨時はあらゆるものが腐りやすくなるが、実は腐敗から発酵という過程を経ることで新たなものが生み出される。これは日本人の感情表現にも影響を与えている」、というある哲学者の言葉がありました。

なるほど。。。うまいことを言う。

じゃあ、こんなことも言えるかな、と。
4~5月の芽吹きの季節は、人間社会も新たなサイクルが始まる助走期間な訳だが、或いは逆に調子が悪くなる人の方が多いかも知れない。ところが、実はその後の梅雨時を経ることにより、次第に気持ちも熟成し、夏になる頃には、新たな環境にも慣れ、気持ちも上向きになってくる。梅雨の後先で何かが変わる。。 って、これはこじつけが過ぎるだろうか。(笑)

しかし、そんな認識を持った上で、改めて「つゆのあとさき」という言葉を噛みしめれば、なるほど、そんなことを見事に一言で表した言葉なのだと今更ながら気付いた次第。さだまさしの作品も、二人の別れを比喩的に卒業式と表現し、遠ざかる(これからの)君を見つめる私(男)の心境を唄ったものと解釈でき、まさに「つゆのあとさき」の様子、と見ることができます。

昨日の記事で、私は梅雨という季節が苦手、と書きました。苦手なのは正直な気持ちだったのですが、でも、そんな風に考えれば、四季+梅雨という日本独特の季節感を、少しは楽しむことができそうな、そんな気がしました。


ところで、さだまさしの「つゆのあとさき」ですが、世紀の名ライブアルバム「随想録」に収められているパフォーマンスが最高傑作と思っています。楽曲・アレンジの良さといい、歌唱力といい、まさにさだまさしの第1次全盛期と言って良いのではないでしょうか。(冒頭のイメージは、そのアルバムジャケットです。)
私は、これをLPレコード版でしか所有しておらず、CDが欲しいのですが、ネットでも中古がなんと3万円台で取引される代物。レコードプレーヤーの購入を考えた方が安上がりになりそうです。

Youtubeにそのライブ版がありました。当然動画ではありませんが、およそ33年も前の名演です。サビの迫力ある演奏は、今でも背筋がゾクゾクするほどの感動を覚えます。
■つゆのあとさき さだまさし - YouTube 

それと、アルバム「風見鶏」のオリジナル版です。この「風見鶏」版も改めて聴くといいですね!(2016.5.3追加)


 Toshi

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