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以前の記事で、実家の物置でギターを見つけたと書いたことがありました。
このギター、私にとって初めてのギター。記事の中で、「見つけてしまった以上は、何とかしたい。」と書いていたのですが。。。
その後、随分時間が掛かりましたが、実家からギター持って帰り、リペアに出したのです。リペアをお願いしたのは、いつもお世話になってるF‐ROOTSさん。
この度、リペアが完了し戻ってきたので、紹介しますね。
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thumb W-180。典型的なマーティン・ドレッドノートのコピーモデル。
これは、私が中学2年生の頃に親に買って貰い初めて持ったギター。買ったのは恐らく1979年頃と思われるので、このサムは、33歳+αということになります。当時、およそ18k円だったと思います。
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33年の歳月とはいえ、私がこれを使っていたのは高校卒業して実家を出るまでのおよそ5年間。見た目の状態はとても良かったので、リペアメニューも限定的になると思っていたのですが、これがなかなか大変なことになりました。(笑)
私が想定していたメニューは、
(1)ペグ交換(今回、GOTOHのSG503に換装。)
(2)ナット、サドル、エンドピン交換(牛骨製)
で、あとは健康診断により予算と相談の上、と考えていました。
ところが、健康診断して貰うと、ネックの反りは予想以上に酷く、おまけにトラスロッドが全く効かない、とのことで、覚悟を決めて中を調べて貰ったら、なんとトラスロッドが折れている!という事態が発覚。。これは衝撃でした。確かに中学時代、高い弦高が嫌でトラスロッドをガンガン廻した憶えがあります。それにしてもねじ切れているとは。。。いったいどんなチカラで廻したんねん、って感じですよね。(笑)
リペアマンと相談しましたが、トラスロッド交換は必須。その上で、ネックの反りを解消する方策は次の3つ、とのこと。
(1)ネックリセット
→【根治療法】ネックを一旦ボディから外して、角度を考慮して再度繋ぐ。
(2)指板換装
→【対症療法】指板を新たに成形することで、弦高を確保。合わせて指板
には、エボニー(黒檀)などの固い材を使うことで強度も確保。
(3)ネックアイロン
→【対症療法】ネックに熱を与えることで反りを整形。ただし、リバウン
ドの危険あり。
この記載順序は、そのままお値段の順序。今回、根治は選択できず、(2)の指板換装を選択しました。
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これが、新しく作って貰った指板です。弦高は12F6弦で3mm。アコギ1号2号に比べれば若干高いですが、これが一般的な水準でしょう。ただし、指板成形で弦高調整してる面もあるので、若干ネックが太く感じますが、演奏上は、特に問題ありません。
むしろ、指板がエボニーになったことで、しっとりと高級感も出たし、フレットも打ち直して貰ったのでピカピカ。インレイのドットマークも綺麗に処理されてます。いや~、見違えちゃいました。満足です。
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このthumb、寺田楽器製だと思っていましたが、どうも違いました。これを見ると、イイダ楽器となってますね。
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ナットは象牙製、サドルとエンドピンは牛骨製。
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今回、ペグをGOTOHのSG503にしましたが、元々のペグとはネジ穴の位置が違うので、単に交換しただけでは、前のネジ穴が残ってしまいます。でも、F-ROOTSさん、パテ埋めして塗装までしてくれました。写真を見てください。
まったく、わからないでしょう? 素晴らしい仕事に感謝です。
さて、このサム君を弾くのは、恐らく二十数年ぶりになります。当時、糸巻の不具合に悩まされながらチューニングし、友人が持つギターとの弦高の違いを見て、ロッドを廻し、サドルを削り、レコードから流れるギターの音に憧れ、少しでもサスティンを得ようと金属製のエンドピンを入れたり。。。
色々な想い出があります。きっと、今の私の力量の8割程はこのギターで得たものでしょう。その後アコギ1号を手に入れた訳ですが、程なく止めてしまったので。
久しぶりに弾いたサムは、素朴でとてもいい音だと思いました。カミさんも「へぇ~、いい音するんだね。」と。 そりゃ、合板のギターですから、単板のギターとは音質の方向性が違いますが、私もハイポジの音はマーティンよりいいかも、と感じたほど。。(あとで弾き比べてみたのですが、やはり流石にマーティンは違います。音の安定感というか上品さというか。弦間のバランスも。今の私のD-28は弦高低すぎで確かにハイポジの響きは悪いのですが。)
リペアマンからも、「これでまた長年弾けるようになったので、ぜひ育ててみてください。」とのお言葉を頂戴しました。
私のアコギ4号。これからまた弾き込んでいきたいと思います。(4号?本当はコイツが初めてのギターだから1号と言ってもいいような・・・笑)
Toshi
[thumb W-180] 製造年 不詳(1970年代後半と推定)
■表板 :スプルース合板
■裏側板 :マホガニー合板
■ネック :ナトー
■指板 :ローズウッド→今回エボニーに換装。
■ブリッジ :ローズウッド
【関連記事】
・愛器の紹介-その1・・・YAMAHA L-10(アコギ1号)
・愛器の紹介-その2・・・Martin D-28(アコギ2号)
・ARIA Sinsonido AS-100S・・・(アコギ3号)
・KOHNO GUITAR MODEL No.10・・・クラギ1号
・FENDER JAPAN STRATOCASTER・・・エレキ1号
以前の記事で、実家の物置でギターを見つけたと書いたことがありました。
このギター、私にとって初めてのギター。記事の中で、「見つけてしまった以上は、何とかしたい。」と書いていたのですが。。。
その後、随分時間が掛かりましたが、実家からギター持って帰り、リペアに出したのです。リペアをお願いしたのは、いつもお世話になってるF‐ROOTSさん。
この度、リペアが完了し戻ってきたので、紹介しますね。
(クリックで拡大)
thumb W-180。典型的なマーティン・ドレッドノートのコピーモデル。
これは、私が中学2年生の頃に親に買って貰い初めて持ったギター。買ったのは恐らく1979年頃と思われるので、このサムは、33歳+αということになります。当時、およそ18k円だったと思います。
(クリックで拡大)
33年の歳月とはいえ、私がこれを使っていたのは高校卒業して実家を出るまでのおよそ5年間。見た目の状態はとても良かったので、リペアメニューも限定的になると思っていたのですが、これがなかなか大変なことになりました。(笑)
私が想定していたメニューは、
(1)ペグ交換(今回、GOTOHのSG503に換装。)
(2)ナット、サドル、エンドピン交換(牛骨製)
で、あとは健康診断により予算と相談の上、と考えていました。
ところが、健康診断して貰うと、ネックの反りは予想以上に酷く、おまけにトラスロッドが全く効かない、とのことで、覚悟を決めて中を調べて貰ったら、なんとトラスロッドが折れている!という事態が発覚。。これは衝撃でした。確かに中学時代、高い弦高が嫌でトラスロッドをガンガン廻した憶えがあります。それにしてもねじ切れているとは。。。いったいどんなチカラで廻したんねん、って感じですよね。(笑)
リペアマンと相談しましたが、トラスロッド交換は必須。その上で、ネックの反りを解消する方策は次の3つ、とのこと。
(1)ネックリセット
→【根治療法】ネックを一旦ボディから外して、角度を考慮して再度繋ぐ。
(2)指板換装
→【対症療法】指板を新たに成形することで、弦高を確保。合わせて指板
には、エボニー(黒檀)などの固い材を使うことで強度も確保。
(3)ネックアイロン
→【対症療法】ネックに熱を与えることで反りを整形。ただし、リバウン
ドの危険あり。
この記載順序は、そのままお値段の順序。今回、根治は選択できず、(2)の指板換装を選択しました。
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これが、新しく作って貰った指板です。弦高は12F6弦で3mm。アコギ1号2号に比べれば若干高いですが、これが一般的な水準でしょう。ただし、指板成形で弦高調整してる面もあるので、若干ネックが太く感じますが、演奏上は、特に問題ありません。
むしろ、指板がエボニーになったことで、しっとりと高級感も出たし、フレットも打ち直して貰ったのでピカピカ。インレイのドットマークも綺麗に処理されてます。いや~、見違えちゃいました。満足です。
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このthumb、寺田楽器製だと思っていましたが、どうも違いました。これを見ると、イイダ楽器となってますね。
(クリックで拡大)
ナットは象牙製、サドルとエンドピンは牛骨製。
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今回、ペグをGOTOHのSG503にしましたが、元々のペグとはネジ穴の位置が違うので、単に交換しただけでは、前のネジ穴が残ってしまいます。でも、F-ROOTSさん、パテ埋めして塗装までしてくれました。写真を見てください。
まったく、わからないでしょう? 素晴らしい仕事に感謝です。
さて、このサム君を弾くのは、恐らく二十数年ぶりになります。当時、糸巻の不具合に悩まされながらチューニングし、友人が持つギターとの弦高の違いを見て、ロッドを廻し、サドルを削り、レコードから流れるギターの音に憧れ、少しでもサスティンを得ようと金属製のエンドピンを入れたり。。。
色々な想い出があります。きっと、今の私の力量の8割程はこのギターで得たものでしょう。その後アコギ1号を手に入れた訳ですが、程なく止めてしまったので。
久しぶりに弾いたサムは、素朴でとてもいい音だと思いました。カミさんも「へぇ~、いい音するんだね。」と。 そりゃ、合板のギターですから、単板のギターとは音質の方向性が違いますが、私もハイポジの音はマーティンよりいいかも、と感じたほど。。(あとで弾き比べてみたのですが、やはり流石にマーティンは違います。音の安定感というか上品さというか。弦間のバランスも。今の私のD-28は弦高低すぎで確かにハイポジの響きは悪いのですが。)
リペアマンからも、「これでまた長年弾けるようになったので、ぜひ育ててみてください。」とのお言葉を頂戴しました。
私のアコギ4号。これからまた弾き込んでいきたいと思います。(4号?本当はコイツが初めてのギターだから1号と言ってもいいような・・・笑)
Toshi
[thumb W-180] 製造年 不詳(1970年代後半と推定)
■表板 :スプルース合板
■裏側板 :マホガニー合板
■ネック :ナトー
■指板 :ローズウッド→今回エボニーに換装。
■ブリッジ :ローズウッド
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