NPO集改センター(NPO法人 集合住宅改善センター)活動レポート

大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、福岡を中心に大規模修繕工事やマンション管理運営をサポートいたします。

集改センターの第160回 スキルアップセミナー報告

2018-06-19 17:19:08 | スキルアップセミナー

集改センターの第160回 スキルアップセミナー報告

開催日:2018年(平成30年)6月6日(水)

テーマ:「シニア向けマンション」「定借マンション」の問題点

講 師:彌島 義尚(司法書士/司法書士法人なにわ合同)

<セミナー概要>

■はじめに

 新築分譲マンションの登記に携わるなかで、シニア向けマンション・定借マンションは問題をはらんでいるように感じていました。どういった部分が問題なのか考えてみましょう。

■シニア向けマンション

法律上の定義はなく、シニア層向けの分譲マンションを言い、「高齢者用マンション」「ケア付き分譲マンション」「分譲型有料老人ホーム」という呼称で分譲されることもあるようです。1970年代がはじまりと言われています。

分譲マンションですので、区分所有法第3条の団体(管理組合)が建物の維持管理・資産管理を行うことになりますが、問題なのは区分所有者が入居の時点で高齢者だということ。一般のマンションでも、高齢化による管理組合役員のなり手不足と言われておりますが、シニア向けマンションはスタート時点でハンデを背負っている状態といえます。また、契約時にうたわれていたサービスが提供事業者の採算悪化による撤退や追加費用の発生などで受けられなくなる事例もあるようです。その結果、転売することも難しくなるという悪循環に陥っています。

■定借マンション

1991年に導入された定期借地権制度による定期借地権付分譲マンションをいいます。定借期間は50年以上、契約の更新に関する規定の適用がないなどが要件となり、公正証書等の書面で特約を結びます。借地権方式(地上権・賃借権)と転借地権方式があります。主流は、分譲事業者が介在する転借地権方式です。制度導入以来30年近くなり、期間満了が近づくにつれ区分所有者の維持管理への意欲が失われていく、空き住戸の増加によりスラム化が生じる、契約満了時に円満に原状回復がなされ、更地明渡しが問題なく行われるのか、また、介在している分譲業者が地代を支払わなかった場合はどうなるのか、などといった問題点が指摘され始めています。

■まとめ

 今後購入を考えている場合は、「シニア向けマンション」については、提供されると記載されているサービスの中身をよく吟味し、月々の負担に見合うものかどうかよく検討すること。「定借マンション」を購入する場合は、修繕積立金とは別に、期間満了時に備えとして取壊し費用への対応がなされているか、についてチェックすることが重要だと思われます。どちらの形態のマンションも、国による分譲業者への法的規制などによる指導の強化が求められてくると思われますが、何よりも購入予定者、区分所有者が理解を深める必要があります。

 

~次回開催予告~

■第161回スキルアップセミナー 2018年7月4日(水)午後3時から

 テーマ:大規模修繕をより深める為に必要な事

講 師:上村 允郎(本会・正会員/設計監理事業部長・建築担当)

<設計も業者も大規模修繕を今まで以上に生業とする時、何がエンドユーザーから求められているのか。仕事をとる為の仕事になっていないか。従来の工法、材料の再検証も必要な時です。>

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集改センターのスキルアップセミナー「シニア向けマンション」「定借マンション」の問題点

2018-05-24 11:57:06 | スキルアップセミナー

集改センター6月の「スキルアップセミナー」を下記のとおり開催いたしますので
奮ってご参加ください。


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「シニア向けマンション」「定借マンション」の問題点

新築分譲マンションの登記に携わるなかで、
上記の類型マンションは問題をはらんでいるように思います。
私の思う問題点についてお話します。


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開催日時:6月6日(水)午後3時~5時 
講  師: 彌島 義尚 氏(司法書士/司法書士法人なにわ合同)
     

参 加 費:会員1000円/非会員2000円(講師料、会場費、資料代に充当します。)
開催場所: 大阪建築会館(会議室)
申 込 み :6月5日(火)迄に電話・FAX・メールでお申込みください。

<お願い>スキルアップセミナーは予約制です。
申込み締め切り後の急な参加も歓迎いたしますが、
必ず事務局まで電話で連絡願います。
事務局不在のときはFAXかメールをお願いします。     

 

 

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集改センターの第159回 スキルアップセミナー報告

2018-05-21 09:16:09 | スキルアップセミナー

集改センターの第159回 スキルアップセミナー報告です。

開催日:2018年(平成30年)5月9日(水)

テーマ:「設計サイドと現場サイドの2面から見た大規模の問題点」

講 師:倉内 康行(本会・正会員/1級建築士・設計監理事業部)

 

<セミナー概要>

■はじめに

 データが少し古いのですが、2012年末時点で全国のマンションのストック戸数は約590万戸、棟数でいうと約12万棟と言われています。今後、マンションのスラム化、老朽化に伴う改修、コンバージョン(用途変更)又は建替えが問題となってくる、と言われているのはご存じの通りです。本日は、こうした大きな問題は少し横に置き、実務サイドの現状を考えてみましょう。

■設計サイドと現場サイド

 建築物の改良工事には、発注者、コンサルタント、施工業者に材料メーカーなどの様々な立場の者が関係し、その役割を担っています。その中で本日は、設計サイド(コンサルタント)と現場サイド(施工業者)の2つの面から見た大規模改修工事の問題点を取り上げます。大規模改修工事における問題点として、コンサルタントサイドでは、プロとしての自覚と責任をもってやっているか、業者、メーカー任せにしてないか、業者への指導・サポートといったマネジメント力、ヒアリング力は十分にあるのか、予算を気にしてマンネリになりがちな内容となっていないか、中長期を見据えた現状診断とコンセプトを持った提案を行なえているか、といった面が思いうかびます。施工業者サイドの問題点は、営業的要素が先行しすぎて工事内容がおろそかになっているのではないか(この点に関しては発注者側の見識も問われます)、現場監督の技術・知識不足による職人への指導が十分に行えていないのではないか、今のところはまだ顕在化していませんが、若年層の業界離れや作業員の高齢化による人手不足がおきることを想定した企業内における研修などによる社員育成はできているのか、今後は施工業者もコンサルタント力を強化していく必要があるのではないか、といった部分が考えられます。

■まとめ

 大規模改修工事は最初に述べたように、多くの関係者が関わっている作業です。発注者に安心感・満足感を与えるには、それぞれの立場の者が、プロとしての自覚と責任の意識をもって、その能力を向上させ、経験値によって対応力を高め、効率を生み出す、それによって工事価格の引き下げが生まれる、という発注者が最も満足を得る結果を生み出すのだと思います。単に大規模改修という「作業」をするのではなく、ユーザーの想像を超えた「仕事」を生み出すために、設計サイド、現場サイドは共に本日取り上げた問題点を解消するように努めていきましょう。

 

~次回開催予告~

■第160回スキルアップセミナー 2018年6月6日(水)午後3時から

 テーマ:「シニア向けマンション」「定借マンション」の問題点

講 師:彌島 義尚(司法書士/司法書士法人なにわ合同)

<新規分譲マンションの登記に携わるなかで、上記の類型のマンションは問題をはらんでいるように思います。私の思う問題点についてお話します。>

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集改センターの第157回 スキルアップセミナー報告

2018-03-23 10:39:12 | スキルアップセミナー

集改センターの第157回 スキルアップセミナー報告をいたします。

開催日:2018年(平成30年)3月7日(水)

テーマ:「新築工事のあれこれ設計、監理の観点」

講 師:實本 勝也(本会・正会員/一級建築士・設計監理部会)

 

<セミナー概要>

■はじめに

 マンション等の大規模改修工事においても、いろいろな人が関わりますが、マンションに限らず新築物件においてはさらに多くの人が関わっています。新築建物が出来るまでの企画段階から完成引渡しまでの流れと設計者、監理者の観点また立ち位置とは、何かについて述べます。

■工事の流れと設計、監理

 新築工事の場合、事業主(施主)がいて、資金を借入れた場合には銀行等金融機関が絡み、建物の設計者(設計事務所)、建築工事を施工するゼネコンなど建設業者、場合によっては近隣住民が関わってくるなど非常に多くの関係者が存在します。建築の流れとして、企画の段階において設計者はまず、「事業主が希望する通りの建物が建つ敷地なのか」を見極めなければなりません。住宅が建てられる用途地域か、容積率・建蔽率、道路幅などを検討した上で判断します。また、行政との関わりも出てきます。開発許可が必要か否か、農地であれば転用許可が必要となるのか、など建築行政以外の対応も生じます。こうしたことをクリアして初めて建築確認申請に移ることが出来ます。次に設計段階に入ります。地盤調査を行い、どういったコンセプトでいくのか、意匠設計において全体像を把握します。木造かRC造または鉄骨造でいくのか、設備のグレードはどうするか等を決めていきます。それによって構造、機械設備、給排水衛生設備、電気設備といった設計が行われます。場合によっては外構工事設計も入ってきます。設計者は事業主、行政と打ち合わせを繰り返して完成させた設計図書で工事業者に見積り依頼を行ないます。1社指定か見積合わせかは、建物の規模等により変わってきますのでケースバイケースです。業者が決まり工事段階になると、設計者は工事監理という立ち位置にかわります。限られたコスト・工程の中で事業主と工事業者の間に立ち、より良い建築物を造るために、工事が滞りなく進められるように仲介します。工事が完成すると役所の検査などの後、事業主に建物が引き渡されます。各検査合格証や保証書などが渡されます。検査済証は特に大事ですので大切に保管しておいてください。通常は、登記手続きが終わると支払がなされ新築工事は全て終了ということになります。完成後については、建物の寿命を延ばすためには、当然、定期的にメンテナンスを行うことが大事になります。

■設計事務所の役割

 最後に、設計者の役割は事業主の希望を、専門知識というフィルターを通して工事業者に伝えることにありますが、事業主が間違った選択・方針をとろうとしているときに、正しい方向に導くことも大事な役目だと考えています。

 

 

~次回開催予告~

■第158回スキルアップセミナー 2018年4月4日(水)午後3時から

 テーマ:「理事長解任に関する訴訟を検証する」

講 師:九鬼 正光(本会・正会員/管理運営事業部・)

<理事長解任は理事会で出来ると、最高裁が逆転判決。1審・2審と最高裁の判断を検証します。その他、マンションに関係する、最近の裁判事例を考えてみましょう。>

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第158回スキルアップセミナー 「理事長解任に関する訴訟を検証する。」

2018-03-15 21:12:21 | スキルアップセミナー

集改センターの恒例第158回スキルアップセミナー は

 

 「理事長解任に関する訴訟を検証する。」


 理事長解任は理事会で出来ると、最高裁が逆転判決。
 1審・2審と最高裁の判断を検証します。
 その他、マンションに関係する、最近の裁判事例を考えてみましょう。


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 開催日時:4月4日(水)午後3時~5時
 講 師: 九鬼 正光 氏(本会・正会員/弁護士)


 参 加 費:会員1000円/非会員2000円(講師料、会場費、資料代に充当します。)
 開催場所: 大阪建築会館(会議室)
 申 込 み :4月3日(火)迄に電話・FAX・メールでお申込みください。

 

 

 

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集改センターの第156回 スキルアップセミナー報告

2018-03-09 11:47:25 | スキルアップセミナー

 集改センターの第156回  スキルアップセミナー報告


 開催日:2018年(平成30年)2月7日(水)
 テーマ:「団地型と複合型の管理規約を検証する」
 講 師:枝 俊男(本会・正会員/管理運営事業部長・マンション管理士)

 <セミナー概要>
 ■はじめに
 マンション標準管理規約の「団地型」「複合型」には問題が多く、一元管理の「管理費会計」と棟別「修繕積立金会計」
 で様々な問題が発生しています。安易に作成された(と思われる)団地型標準管理規約と複合型標準管理規約。2つの管理規約について検証していきます。
 ■団地型標準管理規約
 団地型にはいろいろなタイプが考えられます。同一敷地に3つの区分所有建物が存在している場合。敷地は3つの区分所有建物が各々所有しているが、
 駐車場や通路を共有している場合、もしくは1棟の区分所有建物の1室を集会室として他の棟と共有している場合等があります。団地型標準管理規約においては、
 管理は団地管理組合という組織で行い、義務違反者に対する措置等の一部は棟別の総会で決議するとしています。管理費、駐車場使用料等の「管理費」
 は団地管理組合で一元管理し、「修繕積立金」については、団地修繕積立金と棟別の修繕積立金で区分経理し、
 各棟の修繕積立金の改定は棟総会では決議できないとされています。大規模修繕工事において各棟の負担配分等で、「高層棟」と「低層棟」
 が混在している団地形態の場合に問題が発生しているケースがみられます。
 ■複合型標準管理規約
 複合型標準管理規約は大規模な開発型マンションを前提とせず、いわゆる下駄ばきマンションといわれる低層階に店舗があり、
 上層階が住居になっているマンションを対象としている、としています。会計処理は全体管理費、住宅及び店舗一部管理費、
 全体修繕積立金、住宅及び店舗一部修繕積立金で区分経理し、一元管理となっています。大規模開発マンションを対象としていないのに、
 ここまでする必要があるのか、という感じをうけます。店舗・事務所の比率が少なく、一部共用部分がないような場合は、
 単棟型の管理規約でよいのではないか、と思っています。複合型では住宅部会、店舗部会という構成をとられている管理組合が多くみられますが、
 修繕工事を実施する場合に住宅・店舗それぞれの負担割合をどうするか、ということで紛糾するケースが多々あると聞いています。
 ■最後に
 「団地型」「複合型」のマンションにおいては、いろいろな形態を考慮し、強行規定に違反しない範囲で、標準管理規約にとらわれず、
 自分たちのマンションにあった管理規約を定めることが大事です。

 



 ~次回開催予告~
 ■第157回スキルアップセミナー 2018年3月7日(水)午後3時から
 テーマ:「新築工事のあれこれ設計、監理の観点」
 講 師:實本 勝也(本会・正会員/設計監理事業部・)
 <新築工事のあれこれ設計、監理の観点>
 マンションにかかわらず、新築建物が出来るまでにはいろいろな立場の人がかかわります。そこで設計者の観点、監理者の観点また立ち位置とは何か、
 自分の家を建てるとき設計者は本当に必要なのかをお話しします。

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集改センターの第155回 スキルアップセミナーのご報告

2017-12-22 11:17:58 | スキルアップセミナー

第155回 スキルアップセミナー報告

開催日:2017年(平成29年)12月6日(水)

テーマ:「民泊新法とマンション」

講 師:田島 政幸(本会・正会員/管理運営事業部・マンション管理士)

 

<セミナー概要>

■はじめに

 2017年6月9日に成立した住宅宿泊事業法が2018年6月15日から施行されます。違法民泊などの問題は、民泊新法の施行によってどうなっていくのか、管理組合として民泊にどう対応すればいいのか、について勉強していきます。

■民泊とは

 民泊という言葉に定まった定義はないようですが、一般的には「住宅(戸建、共同住宅等)の全部または一部を活用して宿泊サービスを提供すること」と言われているようです。すでに大都市圏等を対象とした国家戦略特別区域法に則った「特区民泊」が実施されていますが、あらたに住宅宿泊事業法、いわゆる「民泊新法」による民泊がはじまることになります。どちらの法律による民泊においても行政への届出、認定、許可等の手続きが必要となります。「民泊新法」による民泊は「特区民泊」に比べれば年間営業日数が180日以内とされているため許可の要件が緩くなると言われています。一方、住宅宿泊管理業者・仲介業者というセクションを設けることで違法民泊の摘発などで行政が管理しやすくなると思われます。

■管理組合の対応

 「民泊新法」の施行は平成30年の6月15日ですが、民泊実施の届出・登録の受付は3月15日から行われます。「特区民泊」の旗振り役の内閣府の考え方は、「専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。」との規定だけでは原則、「特区民泊」に係る特定認定の対象となるというものです。「民泊新法」においても同様の判断だと思われます。行政によっては条例等の制定で多少変わるかもしれませんが、管理組合が民泊への対応を積極的に判断し、規約等に明記しておくことが大切です。民泊禁止と決めていても何もしなければ民泊の営業開始という事態を招く恐れがあります。民泊禁止の方針であれば、3月15日までに少なくとも理事会等で禁止の方針を決定し、掲示、回覧等の方法で住民に周知することが重要です。そして速やかに規約等の改正作業を行ってください。

■最後に

 民泊を禁止するかどうかは各管理組合の事情によって変わってくると思います。多くのマンションでは禁止の方向だと思いますが、投資型マンションや外部居住者が多い、または空室が多いといったマンションでは、民泊賛成というところもあると思います。管理組合としては現在の状況、今後の展望を区分所有者によく説明し、総会等で意見の集約を図り、民泊への対応を明確にする必要があります。

 

~次回開催予告~

■第155回スキルアップセミナー 2018年2月7日(水)午後3時から

 テーマ:「団地型と複合型の管理規約を検証する」

講 師:枝 俊男(本会・正会員/管理運営事業部長・マンション管理士)

 

<標準管理規約の「団地型」「複合型」には問題が多い。一元管理の「管理費会計」と棟別「修繕積立金会計で様々な問題が発生している。大規模修繕でも問題が発生しています。安易に作成されたと思われる管理規約について検証していきます。>

 

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集改センターの第151回 スキルアップセミナー報告

2017-10-13 21:36:56 | スキルアップセミナー

集改センターの第151回 スキルアップセミナー報告です。

開催日:2017年(平成29年)8月2日(水)

テーマ:「民間非営利組織(管理組合・自治会)のマネジメント支援について」

講 師:上野 義治(本会・正会員/司法書士)

 

<セミナー概要>

■非営利組織とは

 管理組合・自治会などの非営利組織と言われているものについて考えてみましょう。経済的利益つまり儲けを追及し、構成員に分配する株式会社などの組織は営利組織と呼ばれます。利益をあげていても構成員に分配しなければ非営利となります。NPO法人も特定非営利活動法人という非営利組織です。営利活動を行わない自治会・町内会は当然に非営利組織であり、管理組合もその範囲に入るものです。

■管理組合と自治会(町内会)

 管理組合とは、区分所有法に基づき区分所有者を構成員として組織された団体であり、自治会・町内会は地域の自治や親睦のために組織された任意の団体です。組織の成り立ちには違いがありますが、構成員の自治により運営され、地域(管理組合の場合はその区分所有建物)で暮らす住民ために活動するという目的・機能においては変わりがありません。

■管理組合の在り方

 人が集まって作った組織は、営利組織、非営利組織に関係なく使命を持っており、目標があるはずです。その目標を達成するために、戦略・戦術を考えそれを実際に行動に移すことになります。管理組合や自治会の場合はどうでしょう。当然、管理規約や自治会の会則といったもので、その組織の使命は規定されています。同じ目的に向かって進むことが求められています。最近感じることは、管理組合の相談会などにおいて、自分の意向ばかりを声高に主張される方が多くなってきたということです。管理組合は、組織としての意思を総会などにおいて、規則に則って多数決で決めておられると思います。その場合も、個々の考えや思いに配慮し、決定に至るまでのプロセスを明示するといった方法、いわば戦法をとることが重要になってくると考えます。個々の意見を無視するだけで済ましてしまうと、その個々は益々不満を募らせ、結果的に管理組合の活動に背を向けることとなります。

■最後に

 非営利組織においては横の関係を築くことが重要だと考えられます。管理組合においては特に、一人ひとりの繋がりが求められていると思います。個々の繋がりが新たなものを生み出すということはよくあります。これは管理組合活動にも当てはまるのではないでしょうか。現在、二つの老いを抱えていると言われている管理組合として、組織の現状をよく分析・検討することと、構成員が組織の運営に危機意識を共有し、管理組合活動に参加するようにもっていくことだと思います。そういった管理組合のお役にたてるように、集合住宅改善センターはマネジメント支援を今後も続けていきます。

~次回開催予告~

■第152回スキルアップセミナー 2017年9月6日(水)午後3時から

 テーマ:「鉄筋コンクリート造の構造としくみを学ぶ」

講 師:新保 勝浩(本会・正会員/1級構造建築士)

<鉄筋コンクリート造の確部材の役割や仕組み、各種の工法の違いなどを解説して、

 構造性能や耐震性能について学んでいただきます。>

 

 

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集改センターの9月の「スキルアップセミナー」のご案内

2017-08-10 10:21:41 | スキルアップセミナー

NPO集改センターからのお知らせです。

9月の「スキルアップセミナー」を下記のとおり開催いたしますので
奮ってご参加ください。


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「鉄筋コンクリート造の構造をしくみを学ぶ」

鉄筋コンクリート造の各部材の役割や仕組み、
各種の工法の違いなどを解説して、構造性能や耐震性能について
学んでいただきます。


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開催日時:9月6日(水)午後3時~5時 
講  師:新保 勝浩 氏(本会・正会員/1級構造建築士)
     

参 加 費:会員1000円/非会員2000円(講師料、会場費、資料代に充当します。)
開催場所: 大阪建築会館(会議室)
申 込 み :9月5日(火)迄に電話・FAX・メールでお申込みください。

<お願い>スキルアップセミナーは予約制です。
申込み締め切り後の急な参加も歓迎いたしますが、
必ず事務局まで電話で連絡願います。
事務局不在のときはFAXかメールをお願いします。 

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集改センターの第150回 スキルアップセミナー報告

2017-08-10 10:17:52 | スキルアップセミナー

第150回 スキルアップセミナー報告

開催日:2017年(平成29年)7月5日(水)

テーマ:給排水設備 診断~監理までのプロセスとポイント

講 師:安達博好(本会・正会員・設計管理事業部/1級管工事施工管理技士)

<セミナー概要>

■初めに

 マンションなどの集合住宅において、給排水設備は電気設備・ガス設備等と同様に生活する上で最も重要な設備といえます。戸建住宅等と違って、マンションにおいては給排水管ともに大きな竪管を共用し、各戸には枝管といわれる配管で繋がっており、入居者個々の意思で更新や撤去を行うことはできません。結果、不具合が生じると配管を共用している各戸に影響を与え、最悪の場合は建物全体に影響を及ぼします。今回は給排水設備の仕組みとその劣化診断、改修工事について考えてみましょう。

■給排水設備の劣化調査

 調査個所は、受水槽・高架水槽・ポンプ廻り・給排水管(共用部・専有部)・外構が対象です。まず目視による調査を行ない、ポンプについては動作確認を実施、共用部の給排水管はサンプリング調査や超音波厚さ計で配管の閉塞状態、腐食状況をチェックします。外構は手鏡やケーブルを使ったカメラで状況を確認。専有部の給排水管についてもビデオスコープを挿入し錆瘤や腐食による劣化の状況を調査します。給水に関しては水圧や水量の測定を行い基準を満たしているかを判断しています。

■給水方式について

 給水方式には高架水槽方式、加圧給水方式、直結増圧方式及び直結直圧方式があります。

高架水槽方式は水道本管から給水管で受水槽に水を貯水し、揚水ポンプで屋上の高架水槽に汲み上げ、重力によって各戸に給水する方式です。断水・停電時には高架水槽内に残っている水や非常用電源を使うことで受水槽内の水を使用できる。加圧給水方式は受水槽に貯めた水を加圧ポンプによって給水する方法。断水・停電時は非常用電源の使用により受水槽内の残量を使える。直結増圧方式は水道本管から引き込んだ水を増圧ポンプにより各戸に給水するもので、水槽の点検・清掃は必要ない。最後に直結直圧方式は配水管の水圧によって給水するもので小規模な建物に適用される。ポンプを必要としないので機械室スペース等は不要。

■排水システムと排水管更新工事

 排水システムは、従来は通気管と排水管の二管方式が主流でしたが、継手の改良により単管式排水システムが採用され省スペース化が図られています。排水管の材質は平成の初め頃までは鋳鉄管が多く使われ、その耐用年数は20年といわれています。実際はもっと長いと思われますが、接続部のゴムパッキンの劣化による漏水が懸念されます。現在主流となっている塩化ビニール管に交換すれば、その後の更新工事はまず必要ないとされています。

■最後に

 給排水管の不具合はマンション生活に多大なダメージを与えます。調査診断の結果、1か所でも劣化箇所があれば配管は更新するという基本方針をもっておくことが必要です。

~次回開催予告~

■第151回スキルアップセミナー 2017年8月2日(水)午後3時から

 テーマ:「民間非営利組織(管理組合・自治会)のマネジメント支援について」

講 師:上野 義治(本会・正会員/司法書士)

<共同体の人間関係は、集団の意思決定に際し大事。組織の合意形成には日常的な暮らしのあり方が大いに影響する。ヨコの関係を「つなぐ」難しさを考えると変わるかも?>

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