読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

佐々木譲著「帝国の弔砲」

2021-05-06 | 佐々木譲
改変歴史(オルタネートヒストリー)SF。なぜ彼は、工作員(スリーパー)として日本に潜伏したのか・・・1895年(明治28年)、日本人移民の子として極東ロシアに生まれ育った主人公小條登志矢が、ロシア帝国軍に徴兵され、第一次大戦を戦い、後に起こったロシア革命に翻弄される話。ロシア沿海州に開拓農民として入植した小條夫妻の次男・登志矢は、鉄道工科学校で学び、念願の鉄道技能士となった。だが世界大戦のさなか帝国軍に徴兵されて前線へ送られ、激戦を生き延びる。そして復員すると、帝国には革命の嵐が吹き荒れ、やがて登志矢もいやおうなしに飲み込まれていく。悲嘆、憤怒、そして憎悪が、運命に翻弄された男を突き動かすのだった。シベリア出兵や日露戦争史実を織り交ぜながら語られるので本当にあった史実かと読み進めたが・・・改変歴史小説だったようです。
しかし、戦争の悲惨さ国家に翻弄させる個人の悲嘆など良く伝わって来て思わず主人公に感情移入して読んでしまいました。
2021年2月文藝春秋社刊

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