道警シリーズ9作目、さっぽろ雪まつり開幕前日に起こった、自動車窃盗事件、少女の家出、そして発砲事件。無関係に見える事件が、一年で一番賑わう札幌でひとつに収束していく。虐待、不正、外国人労働者など、刑事たちの執念は届くのか・・・「さっぽろ雪まつり」の数日前、長万部駅。札幌へ逃亡するベトナム人女性たち。自動車窃盗事件に遭遇する佐伯と新宮。一方、少女の家出事件に巻き込まれる生活安全課少年係の小島百合。そして、津久井巡査部長は、降る雪の中、ある発砲事件を追跡します。それぞれが追いかける事件は、「さっぽろ雪まつり」前夜祭の張り詰めた騒乱に向けて、次第にそのピースを寄せ合いながらやがて一つに収束されていきます。静けさのなかの立ち上がりながらスピーディーな運びでいつもの面々の活躍が面白かった。
2020年12月角川春樹事務所刊
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