男女の微妙な繋がりを描いた5編の短編集。小さな町の市民吹奏楽団の年の離れた男女の恋愛話・・・「アリス ボーイミーツガール1」「説教師 ボーイミーツガール・2」
ロサンゼルスまであと250kなのに定刻になっても来ない列車を待つ駅の待合室で出会った日本人の男性と・・・「六時間四十六分」
専業主婦の美佳は、夫の大介がいまだにかつての友人たちと遊んでいることに不満を募らせていた。特にその中にいる吾妻智子の存在は、美佳の心をよけいに不安にさせていた・・・「マドンナのテーブル」。
円満離婚が成立し、実家に戻った亜希子。ある日、同居中の母親の様子がおかしいことに気づき、病院へ連れて行くと、医者から告げられたのは母の「認知症」だった・・・「夜の森の騎士」。
男女の友情や、歳の差のある男女の関係、母と娘など、いろいろな人間関係の葛藤が描かれて面白い。離婚して実家に帰り毒親の面倒を見る娘の前に現れた騎士との出会いに希望が・・・。繊細な感情を描くのが上手い。
2020年4月光文社刊
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