読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

佐々木譲著「樹林の罠」

2023-05-15 | 佐々木譲
道警・大通警察署シリーズ。Covid-19禍の札幌。轢き逃げの通報を受け、臨場した北海道警察本部大通署機動捜査隊の津久井卓は、被害者が拉致・暴行された後に撥ねられた可能性が高い事故ではなく事件の可能性があることを現場で知る。その頃、生活安全課少年係の小島百合は、駅前交番で保護された、九歳の女の子を引き取りに向かう。その子は、旭川の先の町から札幌駅まで父親に会いたいと出てきたようだった。一方、脳梗塞で倒れた父を引き取るために百合と別れた佐伯宏一は、仕事と介護の両立の生活に戸惑っていた。そんな佐伯に弁護士事務所荒らしの事案が舞い込む・・・。それぞれの事件がひとつに収束していく時、隠されてきた闇が暴かれていく展開。コロナ禍に見舞われながらも過去の事件によってメインを外され遊軍にいる刑事たちの閉塞感と矜持がそこはかとなく描写され地味な事件の地道な捜査の様子と、そんな彼を支える仲間たちの熱い思いや行動が丁寧に描かれた道警シリーズ、最新作に静かに感動。中国人の土地の買い漁り、原野商法と無断伐採などリアル感ある話で面白かった。
2022年12月角川春樹事務所刊



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 柚月裕子著「月下のサクラ」 | トップ | 太田忠司著「鬼哭洞事件」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

佐々木譲」カテゴリの最新記事