'Time to Say Goodbye' - beautifully arranged for cello and orchestra
哲学カフェ 第62回 2018年5月 22日 担当 坂元 登
地獄への道は善意で舗装されている
地獄への道は善意で舗装されているとは、この世界のあらゆる事象を包括し、
端的に表現した、西欧の格言。
このことばに関連して、カエサルとマキャベリに次のような言葉がある。
「いかに悪い結果につながったとされる事例でも、それが始められた当時までさかのぼれば、
善き意志から発していたのであった」 〜ユリウス・カエサル
「天国へ行くために最も有効な方法は、地獄への道を熟知することだ」 〜マキャヴェリ
愛と善意を説くキリストの教えからは、後に宗教戦争や魔女狩りなどの惨劇が起き、人々に地獄を体験させた。
またイスラムの教えから発して人々を正しい方向に導きたいという善意から、
世界中でテロ事件が起こり、多くの死者が生じている。
一方、戦争への道を歩んだ日本の昭和史では、こんなこともありました。
満洲国~文殊菩薩の意味を込めて満洲の国名をとって建国され、
「王道楽土・五族(日・満・漢・蒙・鮮)協和」を謳っており、
表面上はあくまでも民族共存の理想的な多民族国家を目指していた。
そして多くの人々はそれを信じて満洲に渡って行った。
しかし歴史は最後にこの名言を思い出す事になる。
〜地獄への道は善意で舗装されている
甘い言葉の指導者には要注意!!!
知らぬまに歴史は繰り返されるのだろうか?
〈問1〉「地獄への道は善意で舗装されている」~なぜこんなことが起こるのでしょうか?
〈問2〉色々な歴史で我々は 「地獄への道は善意で舗装されている」 を
体験してきました。そのことに気づき、阻止するためにはどうすればいいですか?