新しい目の病気!「サギングアイ症候群」
サギングアイ症候群とは、ぼやけはぼやけでも「ものが2重に見える」という特徴をもつ、新しい目の病気です。
患者さんたちへの聞き取り調査によると、運転中、前を走る1台の車が「2台」に見えたり、車道のセンターラインが「2本」に見えたりするため、日常生活に支障をきたすこともあります。
病気の原因は、眼球のまわりにあるプリーとよばれるコラーゲンが減少してしまうこと。じつはこのコラーゲン、眼球の筋肉を固定して、左右の目をつねに適切な向きに保っています。
ところが、加齢などによってコラーゲンが減少すると、左右の眼球の向きにずれが起きてしまい、その結果、左右それぞれで見ている映像に違いが出ます。
だから、ただのぼやけではなく、ものが2重に見えるのです。
サギングアイ症候群は「斜視」の一種ですが、特に初期段階では外見に目立った変化がないため、見つけづらいのが特徴です。
さらに、患者さんたちに症状を聞いた際、まず出てきた言葉は「ぼやけ」でした。
ぼやけという概念の中に「2重に見える」こともくるまれているため、ついそういう表現になってしまい、症状がちゃんと医師に伝わっていない可能性があるんです。