イチローが4000本安打を達成した時の言葉です。
「こういうときに思うのは、別にいい結果を生んできたことを誇れる自分ではない。誇れることがあるとすると、4000のヒットを打つには、僕の数字で言うと、8000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。それと常に、自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思いますね」
多くのとてつもない記録を残したイチローですが、このような気持ちの中から記録が生まれているのですね。
ある企業からご依頼をいただいて、ここ数年国家試験の試験対策講座を担当させていただいています。この試験は合格率がおよそ30％で、しっかり取り組まないと合格できない試験です。私が受験しに行ったときにも周りの方が「もう今回で受験するのが8回目か9回目だよ。」と話している声が聞こえてきました。
さて、今回の試験の結果が先日発表されました。私が担当した方々の８３％が合格でした。全国の受験者全体の合格率が38％と言うことですから、なかなか高い合格率だと思います。欲を言えばもう少しで全員合格でしたが、なかなかそうも行かないですね。
私が担当させていただいている方の中に、本当に真剣に取り組んでいるにも関わらずなかなか合格に結びつかない方がいます。合格点ギリギリで不合格だったことから始まり、余裕を持って合格できるはずなのに本番で緊張したからなのでしょうか、本来の実力を出し切れず不合格になってしまったことが数回ありました。対策講座の中で模擬試験を行うと、私よりも高得点ですし、細かなポイントも私よりもしっかり暗記しています。
今回こそ受かって欲しいと思い、試験に向かう際の心構えや分からない問題に出会ったとき、分かるはずの問題が突然分からなくなってしまったときにどうするかなど、試験問題以外の部分もお話して万全の準備をしたはずでした。ところが、試験間近で体調を崩してしまい、試験を受けることができなかったと先ほど聞きました。私にとっても残念ですが、ご本人はさぞかし悔しかったと思います。
しかし、あのイチローでさえ、8000回もの悔しい思いに真摯に立ち向かってきたからこそ4000本ものヒットを生み出したと言うことですから、人一倍努力をしてもなかなか報われないと言うことは珍しいことでは無さそうです。その悔しい思いを乗り越えること、その積み重ねこそが大切なことなのだと思います。次回こそ嬉しい報告が届くことを期待しています。