cafe de sou-ryu

ほっと一息
ちょっと休憩しませんか?

雲外蒼天

2011年04月28日 00時24分02秒 | cafe


こんばんは。
こちら京都はここ十日ほど、ほぼ毎日一度は雨が降る微妙な空模様です。
晩春から初夏への季節の変わり目、だからでしょうか。
みなさまのお住まいの地域はいかがですか?
雨続きで地盤が緩んでいる地域もあるかと思います。
どうぞくれぐれもご注意下さいね。


さて。
ここしばらく多忙のため、お友達のみなさまのところへもお伺いできず
ご無沙汰をしております、ごめんなさい。
五月の半ば過ぎ頃には少し落ち着くかと思いますので、
またお伺いしました際には宜しくお願い致します!
…とはいえ、ひっそりとお邪魔する事もあるかと思いますので
その際にはどうぞ暖かく見守ってやって下さいね^^












本日の画像は、今年最後の京都の名残り花を。

スカイブルーに桜色。
このコントラストを再び目にするのはまた来年。
次に季節が巡ってくる頃には、今よりもっとこの花が似合う
穏やかで平和な日本となっていますように。


ここしばらく、なかなかすっきりと晴れない京都ですが、
かといって、曇りや雨の日ばかりは続きません。

雲外蒼天。
厚い雲の先には、やがてクリアな青空が待っています。
日々も同じ。
困難の先には必ず晴れ晴れとした瞬間が待ち受けているはず。
そう信じて出来る事から、一歩ずつ少しずつ。
一足飛びに、物事は進んでくれませんものね。


頑張る全てのみなさまの明日が、今日よりも素敵な一日でありますように!




宗流


美しき国、麗しの花

2011年04月12日 23時23分00秒 | outing


こんばんは。

まずは、昨日の地震に遭われた方にお見舞いを申し上げます。
お疲れとご心配が募られてらっしゃる事と存じますが
まずは何よりお身体の無事を心よりお祈り申し上げます。



さて、本日は今年の京都の桜をご紹介いたします。
とても花を愛でる気持ちが起こらないと仰る方も多いかもしれませんが
ほんの少しだけでも、自然の色彩に心穏やかになりますように。
今日は自宅のすぐそば、烏丸六角にある六角堂の桜です。







この日は晴れた日曜日。
青空に浮かぶ桜色は、まるで春の雲を思わせるようでした。









降り注ぐのは、桜色の雨でしょうか。
それとも桜色の陽射しでしょうか。
はたまた桜色の傘の許での雨宿りでしょうか。










空に架かる天井格子は春爛漫の桜色。










桜楓(おうふう)は一つの景色に桜と楓が描き込まれた様子です。
これも桜楓の景色と言っていいかしら。









花と蕾。
まだまだうら若きお嬢さん、といった風情です。










六角堂はビジネス街のビルの谷間の異空間。
古いお堂のすぐそばには、近代的な建物がそびえ立ちます。










美しき空の許、麗しの花は穏やかに咲き誇ります。






宗流


大地の恵み

2011年04月10日 00時21分03秒 | cooking



こんばんは。
今週に入り、京都は本格的に桜のシーズンが到来。
市内の桜も満開を迎えました。
いま、桜前線はどのあたりまで伸びているのかしら?
もう東北地方まで到達したのでしょうか…。
今年はとても桜どころではないのかもしれませんが、
せめて少しでも優しい桜色が癒しの風を運びますように。


さて。
今日は久々にお料理のお話です。
とはいえ、今回は非常に地味なお料理、なんですけどね^^;








うーん。。これ、分かりますかねぇ。
この茶色の物体は、山菜の「ぜんまい」です。
でも、今年のものではなくて、会社のお仕事をして頂いている
染め屋さんの社長さんに頂いた、昨年の「干しぜんまい」です。

春先のお店の売り場に並んだ生のものや、通年見られる水煮は
今も時々お料理によって使う事がありますが
干しぜんまいって実家にいた時以来で、ホントに久しぶりでした。
今朝、久々に(?)キッチンの戸棚を整理していたら、
しまい込んだまま忘れていた干しぜんまいを発見!
思い出したが吉日、ゆっくりと戻してからお揚げさんと炒め煮にして
今晩のおかずの一品となりました。

干しぜんまいって、戻すと7~8倍くらいに増えるのですが、
戻しながら時々眺めていると、時間を追う毎に少しずつ成長しているようで
何だか楽しい♪
最初は真っ黒の細いガビガビの針金みたいだったのに、
だんだん茶色く太くなってくるのも、生き物みたいで不思議です^^

柔らかく戻ってみると、随分立派な太さだった事に改めて感動!
昨年奥様とぜんまいを摘んでらして、たくさん干しぜんまいを作られたそうですが
私の分だけでもかなりたくさんあったので、全部を一本ずつ綿毛を取って
掃除される作業はさぞかし大変だっただろうと思います。
有難いなぁと感謝しつつ、一部を美味しく頂いて、残りはまた明日のお楽しみ。
ごちそうさまでした。

ちなみに。
生のぜんまいには飛び抜けた高い栄養素はあまり期待できませんが、
天日で干すことによって水分が減るかわりにビタミンBやE、
カロテン、カリウムが倍増します。
そして何より女性には嬉しい食物繊維も豊富です。
また干したものは、あく抜きをしてから天日でゆっくりと干しながら
何度も手で揉んで作られる、とても手間と時間のかかるものですが、
そのおかげで生のものより風味や味わいも一層深まります。
戻すのにも多少の手間がかかりますし、頂くまでに時間はかかるものの、
ある意味では、昔ながらの安全安心な「日本のスローフード」
と、いったものかもしれませんね^^



春の山菜って、味や香り、歯触りはもちろん嬉しいのですが
寒い冬を越え、固い土を割って地上に芽を出す
自然の力強さを頂いているような気持ちになります。
大地は私たちを生かす多くの食物を育む母親のようなもの。
そう思うと、いつまでも健やかであって欲しい、
そんな風に感じる宗流です。




宗流






ちいさな灯り

2011年04月03日 01時10分01秒 | I think so …

三月も終わり、昨日から四月。
この節目を早いと感じる方、遅く感じる方、
それぞれが様々な思いで感じておられているのだと思います。
この四月は、少しずつでも多くの方が
春の到来を喜べる事を願っています。



私はここしばらく、会社の展示会の準備で慌ただしい日を過ごしていました。
今日でようやく設営も終わり、月曜日の予備日に最終チェックを残すばかり。
来週からはこれまでとはまた違う忙しい日々が始まります。

こんな時期に、のんきに展示会でもないだろう、という意見も
もしかしたらあるかもしれませんね。
また実際に会を催した所で、現実的に商品が動く可能性もかなり低いでしょう。
けれど、私たちのように被害を受けていないモノづくりの現場では
真摯に前向きに精進する事しかありません。
少しでも経済を回し続ける事でささやかながら何らかの貢献ができれば…。
そして、やはりこうした状況下、仕事ができる事をまずは感謝しなくては!
そう思います。


私の携わっている和装業界でも、この震災で被害を受けられた
方は大勢いらっしゃるのだと思います。
繊維の材料となる麻や、からむし織を生産する福島県、
秋田八丈を生産する秋田市や北秋田市、
結城紬の茨城県や栃木県などなど
被災地の中には多くの和装関係の産地があります。
そしてそれらの製品の陰には、そこに携わる方々の生活があるのです。

生活必需品と違い、きものは一種の贅沢品です。
でも、そうしたきものを生産されている方々の全てが
贅沢な暮らし向きをされている訳ではありません。
昔ながらの工程や伝統を守り、細々ながらも続く生産家もあります。
そして私たちの和装小物業界も、その一部です。
呉服業界は現在、伝統工芸という名の斜陽産業であり、
いま私たちが頑張らなければ、その灯りはすぐに消えてしまいます。
だからこそ今回の展示会は、震災に遭わずにいた私たちにとっても
ある意味では正念場なのです。

もちろんどんな業界でも、同じ事が言えるのでしょう。
仕事が出来る状況に感謝すると共に、各業界の灯りを守る。
それがいま仕事が出来る者の使命なのかもしれません。



さて。本日はもうひとつ灯りのお話があります。
ごく個人的な事なのですが、私は子供の頃から甲状腺に疾患を持っています。
心臓や肝臓といった臓器と違い、甲状腺はあまり耳慣れないものですから、
もしかしたら今回の原発事故で、初めてその名前を耳にされた方もあるかもしれませんね。
甲状腺はちょうど喉仏のすぐ下辺りにある、ごく小さな器官なのですが
この小さな器官は、人が生きるための身体の代謝や成長のホルモンを分泌する、
とても大切なものなのです。

その甲状腺の疾患の一つに使われる薬を生産している、
日本でほぼ唯一の製薬会社が福島県いわき市にあるのですが、
その工場が今回の地震で被災し、震災直後から生産がストップしていました。
日本全国ではおよそ数十万人の人がこの薬を処方されており、
生産再開が解らないまま、国内の供給に不安を感じていましたが
先日の4/1にいわき工場の生産が段階的に再開された事、
また、あるジェネリック医薬品のドイツの本社から、
国内への輸入が開始され、4月上旬を目途に販売されるとの発表がありました。
ごく狭義的な事ではありますが、これも震災の中の小さな灯りなのかな…
そんな風に感じた宗流です。

あすか製薬株式会社



この震災で、さまざまな持病を持つ方にお薬が満足に手元に届かなかったり
必要な治療や看護が充分でない事が未だ多いのだと思います。
普段から滞りなく健康な日々を送れる私たちが想像するそうした不便は、
たとえ病の種類は違えど、健康に不安を抱える方々にとってみれば
離れた地のお話であっても、我が事のように心を痛められておられるのでしょう。
何かの痛みを知る人は、きっと人の痛みにも敏感ですもの。
そうした全ての方に、一日も早く灯りが訪れる事を、心から願っています。



宗流