cafe de sou-ryu

ほっと一息
ちょっと休憩しませんか?

A thin thread

2010年04月21日 00時45分09秒 | I think so …


こんばんは。
本日の京都は朝から一日しとしとの雨模様のお天気でした。
雨降りという事も大きいのかもしれませんが、
今夜は夜帰宅する時、あまり人通りの多くない道を通ると
車の音も、人の話し声もほとんど聞こえず
とても静かな夜を感じました。
雨の音は、しとしととさやかな音を置いて行く代わりに
街の喧騒を連れ去っていくものかしら…。


さて。
そんな静かな夜を過ごしている宗流ですが、
今日のお昼はとても賑やかな来客がありました。
みなさんは全く見も知らぬ方に、思いがけなく自分と共通した点などが
あったりして驚いた経験などありませんか?
今夜のお話は、宗流のそんな一瞬のお話です。



宗流の会社は和装小物の中でも刺繍の半衿を主体に製造していて、
和装品の販売業者さん、レンタル・写真館の業者さん、
着物関係のスタイリストさんなど様々な方が、
和装小物をお求めにいらっしゃいます。
今日はそんなお客様の一環で、
とても大きな貸衣装関係の会社の社長さんが来社されました。
お名前は出せませんが、もしかしたら宗流のお話を読んで
頂いている方の中にも、そちらの会社でお世話になられた方が
いらっしゃるかもしれません^^


今日は初めてのご来店という事で、うちの社長がお相手を務め
宗流は傍で(…というより仕事部屋が一緒なだけですが)
そのお話を聞きながら、普段通りお仕事をしていました。


何だかちょっとワイルドな雰囲気のその社長さん…
宗流は勝手にスーツ姿の紳士を想像していたので
少し意外な感じがしましたが、何気なくお話を伺っていると
とても独特の審美眼をお持ちのよう。
そしてバイタリティ溢れるそのお話に、耳が引き寄せられます。

そしてある程度商談が終わりに近づいた時、
その社長さんが宗流に、ふと「それ、よく切れそうですね」
と話しかけられました。
宗流はその時、生地を切るのに大きな裁ちばさみを使っていたのですが
あまりに唐突なその語り口調に、おかしさを感じてしまいました。


「はい。よく切れますよ」
「僕は料理が好きで、包丁なんかは切れ味にうるさくて」
「私もうるさいかもしれません。この仕事の前には特にそうでした」


…という話から、宗流が元は調理師という話になったのですが
その中で、思いがけない人の名前が出てきました。


それは、宗流が以前働いていたホテルのキッチンで
お世話になった元上司のお名前でした。
その上司は今、この社長さんの関係する会社で、勤務されているとの事。
宗流はこの方とそのお兄さん(彼も同じ職場の調理師でした)
にとてもよく可愛がって頂き、
今も何かにつけてその時教わった事を思い出しています。
特にそのお兄さんは直属の上司で、公私ともに助言や相談のお世話になり
今も宗流の心の中で、尊敬する上司の第一人者として
大きな存在であり続けています。
私はそのお話を聞いて、当時の思い出が暖かく胸に広がるのを
心地よく感じていました。


その社長さんは宗流の元上司のご兄弟をとてもよくご存知で
思わず仕事の話が脱線し、当時の思い出話や料理の話に花を咲かせていました。
とはいえ、その場にいらした相手方の営業の方も、うちの社長も
何のことかさっぱり解らず、「???」という雰囲気でしたが^^:


商談も無事終わり、賑やかに帰られる後ろ姿を見送ってからも
私は何となく、浮き立つ気分とも騒がしい気持ちとも違う
何とも言えない不思議な感覚がなかなか消えませんでした。


それまで全く見ず知らずだった人と、誰かの存在を介して
消えそうに細い糸でつながっている事。
そして、それは普段目にする機会はなかなかなくとも
ふとした事で手繰り寄せられ、共通の話題が生まれる…
それはきっと誰の身の上にもある、普遍的なものかもしれません。
でも偶然その糸の端を見つけ、その先に忘れられない出会いの時間を見た事
それが私には静かで大きな心のうねりとして感じられた気がします。


蜘蛛の糸のように細い細いもので、誰かと誰かをつなぐ糸。
それはきっと目に見えないだけで、網の目のように無数の人々を
つないでいるものなのかもしれませんね。
そして時にそれは思いがけない何かを絡め取っているのかも。

新たな人の出会い、興味、新しい環境、古い記憶などなど
たくさんの何かを内包して、私たちをつなぐ糸。
その中で何かを拾い上げる時、人はその細い糸の存在に
色んな感情を抱くのかな、私はそんな風に感じます。

もしかしたら…
このPCの前のあなたと宗流も、どこかでつながっているのかも。
なんちゃって^^




宗流


和装小物 宗流
http://www.sou-ryu.jp







my favorite 13

2010年04月18日 22時41分21秒 | my favorite
こんばんは。
本日の京都は日中とてもいいお天気で
暖かな春を満喫できました♪
でも…明日一日置いたのち、またお天気は下り坂のよう。
今日のぽかぽか陽気は思惑通りに続かないみたいです。



さて。
先週もお送りし、ちょっと気を良くしたため(?)
勢い余って今週もお送りする「my favorite」シリーズ。
今夜は第13回目。本日はちょっと賑やかにまいりましょう!


本日ご紹介させて頂くのは、これまでこちらで取り上げました
シンガーやソロプレイヤーから少し趣を変え、
スイング・ジャズをご紹介いたします。
このスイング・ジャズを表す有名どころと言えば
デューク・エリントン楽団、カウント・ベイシー楽団、
ベニー・グッドマン楽団…とたくさんあります。
本日はその中で宗流の独断と偏見により、
大好きなグレン・ミラー楽団をご紹介します。







ニューオリンズを発祥とした音楽が、ソロ演奏から小人数編成の
バンド形態へと、時代と共に姿を変えたのち1930~40年代にかけ
更にその規模は拡大され、ビッグバンド形式の音楽が生まれました。
swing(揺れる)。
そのビッグバンドの形式は、スイング・ジャズと呼ばれ
揺れる=踊るための音楽として当時の人気を博しました。

聴く役割だけに留まらずダンスミュージックとしても
1つの役割を果たしたスイング・ジャズ。
だからでしょうか、様々な楽器が複合して奏でられるリズムには
心浮き立つようなテンポの良さが感じられます。
ソロの演奏に感じる鬼気迫るような迫力と比べ、
大衆的といった感はありますが、それぞれの音が重なる華やかさは
ビッグバンドならではという、また違う良さが楽しめます。
それは無言のはずの音が、言葉のようにお喋りなものに聴こえそうです。

…ちょっとイメージは違うかもしれませんが、
今で言うと「スカパラ(東京スカパラダイスオーケストラ)」のような
ノリでしょうか。スカパラを聴くと、宗流は同じような感覚になります♪
言ってみればSKA(スカ)にもジャズの影響があるようですしね。



さて。
お話をもとに戻し、グレン・ミラーオーケストラですが、
この楽団は名前の通り、「グレン・ミラー」という
ドイツ系アメリカ人のトロンボーン奏者がもとになっています。
当人は40代という若さで、戦時中の慰問演奏の際の飛行機事故で亡くなったのですが、
その後も彼の遺した音楽は、何代ものバンドリーダーを迎え
今も多くの人々の耳にグレン・ミラーサウンドを届け続けています。


少し前、邦画で「スィングガールズ」ってありましたよね。
あの劇中でも、グレンミラーオーケストラでお馴染みの名曲
「IN THE MOOD」や「MOONLIGHT SERENADE」が演奏されています。
また同じくたまたま上野樹里つながりなのですが、
「のだめカンタービレ」で流れるガーシュウィン作「RHAPSODY IN BLUE」が
本日の画像「COLEZO!」に収録されています。
他にもこのアルバムの中の曲たちはCM等で時折耳にします。
そう思うと、いい音楽って色んな場面で使われてるとホントに感じます。



ちなみに。
宗流が初めてジャズの音楽に触れたのは、
この「グレン・ミラー オーケストラ」でした。
全くジャズに興味のなかった10代の頃、何となく耳にした
「IN THE MOOD」に興味を惹かれ、今に至っています。
だからでしょうか、数多いグレン・ミラーの音楽の中でも
「IN THE MOOD」を聴くと初恋を思い出すような気持ちになります。
とはいえ…実際には、その後この曲にまつわる幾つかのエピソードは
初恋のような爽やかさというより、もっとリアルなものですが
それはまた別のお話の際に…^^;



人生は音楽のように、そしてカクテルのように…
宗流は最近それをよく思います。
ソロ演奏あり、セッションあり、
また様々な音が混じり合うオーケストラのような場合もあり。
そしてビ・バップやアドリブのように、変化を求めたくなる時もある。
しっとりと、賑やかに、刺激的に、その時々の時代を経て
ころころと変わる人の心と取り巻く状況。
そんな変化とともに増えてゆく音楽の記憶の数々。
それは自分という一つのグラスに注がれる
それぞれ味の違うアルコールとも似ている気がします。

それはシェイカーで一つの飲み物となる場合もあれば
比重の違うリキュールを重ねるプースカフェのように、
静かに層を成している場合もあるのかもしれません。
それを眺めた末に、ステアして飲み干すか、
それとも一つずつの層に細いストローを挿すかは
人それぞれの愉しみ方、振り返り方…でしょうけどね。









それではみなさま、来週も頑張ってまいりましょう!



宗流


和装小物 宗流
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揺れる灯りを見つめ…

2010年04月15日 23時24分36秒 | cooking



こんばんは。
本日の京都はやや肌寒い、時折小雨が降るお天気でした。
このところ、春というのにひどく冷え込んだり
はたまた夏日のような暑いくらいの日もありと
不安定な気候のようですね。
どうぞみなさまご体調にはくれぐれもご留意下さいね^^


さて。
今日は宗流、いつもと比べ物にならないくらい早く帰宅しました♪
薄曇りではありましたが、空にまだ陽が残ってる!
その事があまりに久々で、うきうきでした^^v

が…!
今日は仕事が早く終わった訳ではなく、ただの早退です。
実は昨日の朝から、突然宗流のお部屋の電気がつかなくなり
電球を変えてもぴかりともしませんでした^^;
三本ある蛍光灯の電球が一時に切れるなんて、おかしいとは思ったのですが
どうやっても全く灯りがつきません。
で、管理人さんに連絡して、今日の夕方電気屋さんを呼んでもらったのですが
夕べも朝も全く反応しなかったのに、電気屋さんに来てもらったら
「パチッ」とスイッチ一つで普通につきました。。

おかしいっ!!あれだけやってつかなかったのに~!?
「…宗流ちゃん、ちゃんとスイッチ確認したの~?」
と、管理人さんにも笑われちゃいましたが、
ホントに何度も確認したんだもん!嘘じゃないもん!!
…理由も不明、ちょっと納得がいかないのですが、
何はともあれ、暗闇からは脱出できたので今日の所はよしとしましょう。


ちなみに昨夜は一晩、宗流は暗闇の中で夜を過ごしました。
私のお部屋は縦長の一間続き。でもキッチンの小さな灯りはついたので
全く見えないという事はなく、何とか懐中電灯とアロマキャンドルで
難はしのげたのですが、それでも不自由な事この上ありません。

部屋の灯りを落とし、キャンドルの揺れる炎を見つめる夜…
文字だけで見ると随分ロマンチックな光景ですが、
そんな余裕はさらさらありません。
停電と何ら変わりない、かなり微妙な状況です。
おまけに今夜ももしダメだったら、小さなアロマキャンドルは昨夜のうちに
ほぼ燃やし切ったので、コンビニでお仏壇用のろうそくを
買う羽目になっていたかもしれません。危ないところでした^^;

電気って、普段あまりに当たり前に使っていたので
蛍光灯一つつかないだけで、こんなに不自由なんて思いもしませんでした。
もし電気が使えなかったら、TVもPCもエアコンも電子レンジも動かない…
そう考えると電気の存在って大きいです。
たとえHoneyが不在でも、かなりの日数を無事に生きていけますが、
電気が全く使えなかったら…そう思うと怖い気がする宗流です♪





「本日の cafe de menu ♪」



さて。
気を取り直し、今日は久々のcafe de menuです^^
今日は先日堪能した筍たっぷりの晩ご飯です。







♪ 筍ごはん
♪ 若竹煮
♪ エビすり身と筍・アスパラガスの春巻き
♪ 鮭の菜種焼き



筍を茹でたり、豌豆のさやをむいていると、春だなぁ♪と感じます。
時間はかかりますが、その時間さえも贅沢に思います^^
この日はいつもよりちょっぴり奮発して、大きな筍を買ったので
部分別にいろいろ使い出がありました。

そして、もう四月も半ばとなりましたが
今年初めての菜の花。こちらも春の香りいっぱいでした^^v
菜種焼きは卵に菜の花や青菜を刻んで焼く場合が多いのですが
今日のように黄色い卵を載せて焼く場合もあるようです。
黄色のふわふわ卵と緑のお浸しを菜の花に見立てて♪


ところで…筍って何であんなに捨てる部分が多いのでしょうね^^;
硬い皮に包まれた本体は美味しさがぎゅっとつまっているのですが
根が貧乏性なのか、もったいなぁと思っちゃいます。
そんなに着やせしなくったっていいのに…。
いえ、宗流が着やせしないからってひがんでいるんじゃないんですよ(汗)


まだもう少し寒い日も続くようですが
食卓と風に、ささやかな春の香りを感じながら
暖かな陽射しを心待ちにする宗流です♪



宗流


和装小物 宗流
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my favorite 12

2010年04月12日 01時10分44秒 | my favorite

こんばんは。
本日の京都は、午後から雨模様の日曜日でした。
お休みの日の雨…お出かけの予定がある時は
少し残念な気もしますが、のんびりと過ごす日曜日は
静かな雨に包まれるのも悪くありません。
みなさまはどんな日曜日をお過ごしでしたか?



さて。
静かに更けるこんな夜は、ちょっとお部屋の灯りを落とし
音楽に耳を預けてみませんか?
少し久しぶりになりましたが、今夜は「my favorite」12回目です。



前回、バレンタインデーにちなんだ一曲という事で
ジュリー・ロンドンの唄う「My funny valentine」を
ご紹介させて頂きましたが、今夜はその続き。
ジュリー・ロンドンの「AROUND MIDNIGHT」です。







まずは「AROUND MIDNIGHT」のジャケットから。
宗流、アルバムもさることながら、このジャケット大好きです♪
「AROUND MIDNIGHT」というタイトルにかけて、
彼女のすらりとした脚が時計の針となって12時を指しています。
ベタと言われるとそれまでなのですが、
私は大好きですね、こういうイメージ^^

ところで、ジュリー・ロンドンと言えば、
この「AROUND MIDNIGHT」にも収録されている「'ROUND MIDNIGHT」を
一番に挙げられる方は多いかと思います。
かくいう宗流もその一人なんですけどね。
でも、この「'ROUND MIDNIGHT」は彼女の声や雰囲気に
ホントにマッチしている気がします。
ハスキーな声と囁きかけるような唄い口…
それはまるで声からドラマを見るような感覚に陥ります。
大人の美しさをたたえた女性が過ごす追憶の夜。
けれど甘い恋の思い出を語るそばに、愛しい人の姿はない…。
この曲はそんな女性の真夜中を描き出しています。


今夜は「'ROUND MIDNIGHT」より、宗流の好きな1フレーズを。
時計の針が真夜中を指す頃、彼女の追憶の時間は始まるのでしょうか。
夜は更けるにしたがって、様々な感情を連れてきます。
とりわけ、陽の射す時間に影となっていたものは
光と交代するように姿をあらわすものなのかもしれません。



'ROUND MIDNIGHT



Memories always start 'round midnight
Haven't got the heart to stand those memories,
When my heart is still with you,
And ol' midnight knows it, too.
When a quarrel we had needs mending,
Does it mean that our love is ending.
Darlin' I need you, lately I find
You're out of my heart,
And I'm out of my mind.




さて。
ここからは宗流の勝手な思い込みのお話です。

静かな夜を音楽と過ごす長い夜。
そんな時私にはこの曲を聴くととても恋しくなるものがあります。
それがNestleの「after eight」
これはチョコレートなのですが、お子ちゃまのおやつではありません。
爽やかなミントクリームを薄い板状のビターチョコで挟んだ
大人のためのチョコレートです。
ミントチョコが苦手な方にはあまりオススメできませんが
甘いものはちょっと…でもアルコールだけで喉を湿らすのも何だかね。
と、いった時のお供にいかがでしょうか。


長い夜を味わい尽くすための音楽とアルコール。
そんな午後八時以降の大人の愉しみに似合うチョコレートです。


それでは、みなさまオヤスミナサイ。
Have a nice dream ♪




宗流




追記…先日、一度UPした記事なのですが
なぜか途中から続きが消えちゃったので、再UPです。
前回ご覧頂いた方の中には、何かだいぶはしょってない?
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが…それは正解です!
すっかりさっぱり忘れてしまって、ざっくりと変わってしまいました。
ゴメンナサイ。




絆創膏

2010年04月11日 03時40分58秒 | I think so …
こんばんは。
本日の京都は日中とても暖かな一日で、
お部屋の中にいても、陽が差している間は
エアコンなしでも平気な気温でした♪
…もういい加減、エアコンともお別れしたい季節ですが
なかなか別れがたい恋人みたい(?)な存在のようです^^;


さて。
前回のお話でも触れたのですが、
この一週間、宗流は会社の展示会に向けて
日々の記憶が飛ぶような慌ただしい時間を過ごしていました。
でも今日からようやく久々のお休み♪
この所の忙しさからか少々風邪気味の宗流、
この週末は完全OFFでのんびりしたいものです!



さてさて。
みなさまも何かでひどくお疲れの時などに
ふとした些細な出来事で気持ちが軽くなる瞬間ってありませんか?
家族や大切な人の笑顔や言葉、何気なく目にした景色などに
色んなものに一瞬救われたような、
心持ちが軽くなるような事があるような気がします。
今日は慌ただしさの中で見つけた、ささやかな出来事のお話です。



先日、仕事が立て込み、どれだけやってもなかなか先が見えなくて
疲れだけが先立っていたようなとある日。
私は仕事の用事で出かけていて、信号待ちをしていました。
ぼーっと立っていても周りがあまり見えなくて
信号が変わった事にも気付かず立ち尽くしていると、
不意に後ろから私の名前を呼ぶ声が。
振り返ると、知人の男性が仕事着で立っていました。


古くからの知人であるその彼は、私の会社の近くで働いていて
普段からよく顔を合わせます。
また私と年齢も近いせいか、気の置けない知人の一人です。

知人との間に普段ある、何気ない会話へと続くいつもの日常。
でも、その日はどことなく気持ちが揺らいでいたのかもしれません。
私は彼にジョークも気の利いた言葉の一つも返せませんでした。


「何か…疲れた」
顔を合わすなり、その一言しか発せませんでした。


彼はお世辞にもお利口さんとは言い難いのですが、
普段から辛口の私の会話に付き合わされているせいか、
もしくは彼自身の指令アンテナがそうさせるのかは解りませんが
野生動物の本能のように鋭敏な勘を働かせ、
彼は時々、どきりとするような言葉を私に投げかけます。
けれど、それはけして不快なものではなく不思議と納得してしまう言葉。
その日も、彼から返ってきた言葉は私を心地よくどきりとさせました。


「疲れたら休めって言っても聞くはずないから言わんけどな。
けど、お前が頑張ってるんは解ってる」


たったそれだけの短い言葉。
褒めも労わりも何もないのですが、でも私はその言葉に
何だかとても救われたような気持ちになりました。
家族でも、恋人でも、同僚でもない間柄。
そうした関係だからこそ、そう感じたのかもしれません。
もしこれが近しい間柄だったのなら、
きっと私は「もっと」を望んだような気がします。
そして、それが自分の望む形でなかったとしたら
ジグソーパズルのピースを埋められない時のように
イライラするかもしれません。
「もっと」を望まなくていい距離感。
その距離が生む言葉には、いい意味でのドライさがあるように感じます。



私は、人の言葉はそれぞれ個人の生き方・考え方が
色濃く反映されるものなのかなと思います。
それはどんな学校を出て、どんな仕事に就き、どんな地位にいるかではなく
また語彙が豊富とか、語学が堪能とか、正しい文法かどうかではありません。
投げかけた言葉を受け取る相手の状況を察知する事は、
そうした先の諸々の事象を得ていても、難しいのだと思います。
難しいからこそ、それが受け取る側にダイレクトに伝わった時
音や文字から「言葉」というものに変わる。
そして、そこには人の気持ちが加味されているのでしょう。
だからこそ、言葉は「言霊」と言われるのかもしれませんね。


ささくれた傷を冷たい水や摩擦から守る絆創膏。
弱った心に響くささやかな言葉は、そんなものなのかも。
お医者さんや病院の治療のようなものではなく
手軽に近くのドラッグストアやコンビニで買える手軽さ。
それが有難く思える、そんな瞬間ってアリだと思う宗流です。



では、みなさま素敵な日曜日をお過ごし下さいね♪




宗流



和装小物 宗流
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Own limit…

2010年04月04日 03時23分01秒 | I think so …

こんばんは。
本日の京都は陽のある日中も少し冷たい風が吹く
肌寒い一日でした。
陽の落ちた夜は、更に冷え込みが…。
満開の桜の花にはしばし時計の針止めて、
花の時期を少し長めに楽しめそうですが、
寒いの嫌いな宗流にはかなりがっかりの寒さです^^;


ところで。
みなさまは、自分自身の限界って感じられた事はありますか?
知力・体力、人間関係、仕事上…物事のあらゆるものに
始まりがあるように、果てというものもあるのかもしれません。
本日のお話は宗流のちょっとしたつぶやきです。


もうすぐ、宗流の会社では今年の秋物の展示会があります。
年間を通じて、展示会は季節ごとに開催されるため
それ自体はどうという事はないのですが、
今回はいつもと勝手が違うせいか、やや戸惑い気味です。


今回の展示会の中では、初めて私の企画コーナーが
一つのブランドとして設けられています。
冬の間、春の展示会用にこつこつと作りためた商品たちの
お披露目の場と言えば聞こえもいいのですが
何となく、喜び半分不安半分の複雑な心境です。

商品を企画し、生地やデザインを考えイメージをかたちにする。
そしてその商品群にブランド名をつけ、
それに相応しいディスプレイをして公開する。
それはモノづくりという仕事の中で、とても恵まれた状況だと思います。
感謝すべき事だという事も理解しています。
これまでは一商品の企画が主だったため
それが1つのブランドとして進歩した、その喜びも感じてます。
好きでやり続けた事が、夢への道を一歩前進した事も…。
でも、どこか嬉しさと共にかすかな怖さがあるのも事実です。


普段、私は人から見れば、自信のない様子というものは
あまり感じられないかもしれません。
でもそれは、強がり、と言えばいいのでしょうかね
人に頼る事や、弱音を吐く事が極端に苦手で
多少無理をしていたとしても人にそれを悟られたくない。
出来ないという言葉を一度でも口にしたら
気持ちが折れてしまいそうで、限界を見てしまいそうで怖い。
その思いが表面に表れないよう、気の強さで膜を張っている…
そんな感じなのかもしれません。

表面的には器用だと人から思われる反面、
きっと中身は不器用なタイプの人間なのでしょうね。


気の強さは脆さの裏返し。
硬度の高い硝子は意外と衝撃に弱い。
それは充分解っているんですけどね。
ホントは…
そんな硝子のような硬い強さより、
絹のようなしなやかな強さを持ちたいと思うのですが
なかなか思うようにはいかないようです^^;


限界も可能性も自分の中にある。
それをチョイスするのは結局自分…なのかしら。
とりあえず、今は前進あるのみ!のようです。

ちょっととりとめのないお話になっちゃいました。
ゴメンナサイ


それでは、みなさまよい日曜日をお過ごし下さいね♪




P.S いつも楽しいお話を読ませて頂いている
大切なお友達のみなさまへ

もうしばらくばたばたして、なかなかお伺いできませんが
落ち着きましたらまたお伺いさせて頂きたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします!





宗流


和装小物 宗流
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