スーパーパントマイムシアターSOUKI ブログ

「銀河鉄道の夜 Gray ticket, Green ticket」ご来場ありがとうございました。

13年の時を経て

2021-12-24 17:55:36 | Yin & Yang

今回のライブは13年前に、初めてライブ出演した時の作品の再演でした。

その映像を見ると、13年という年月の長さを感じずにはいられません。

13年間で私が得たものは・・・、失ったものは・・・。

その集大成として作品と取り組みました。

パントマイムのテクニック、表現を改めて見直し、

テクニックの正確さや

物を見て、何かを感じ、身体が動く、その結果心はどう動いたか?等

江ノ上さんから多くのアドバイスやダメ出しを頂き、

その度に、悩んだり、混乱したりの繰返しの稽古でした。

 

13年前は繰り返し、何度も稽古をすることで解決してきたことが、

歳を重ねた今は、何度も稽古する体力が無いので、

その分、曲を聞き、イメージを膨らませ、台詞をしゃべるという稽古。

 

作品は農園で花を育てている女性が、嵐から花たちを守り、

日照りで水が涸れ、花たちの為に水を探し続けるというシンプルな物語。

役作りには、何故、農園で花を育てているのか?

誰の為に、何の為に、花を育てているのか?

女性は花を育ている事をどう感じてるのか?

この「?」が自分の中で明確になっていないと

中途半端な役作りになり、作品全体が薄っぺらなものになってしまうのです。

 

シーン1 農園

大好きだった父親が大切にしていた農園、そして花たち。

花たちは行き先が決まっていて、楽しみに待っている人達がいる。

女性は花たちを育てる事に生きがいと使命を感じている。

まるで自分の子供のように花に喋りかけ、世話をする。

それがこの女性の幸せ。

 

シーン2 嵐

嵐が来た。居ても立っても居られず、女性は農園に行く。

倒れた花に添え木を当て、身を挺して花を護る。

シーン3 日照り

 

日照りが続く毎日。農園の井戸が涸れてしまう。

女性は共同水場へ水を求めに行くが、そこにも水がない。

とにかく花たちの為に水を探さなくてはと、歩き続けると

大きな井戸を見つける。

「良かった!」と水を汲もうとするが、この井戸も枯れていた。

絶望と怒り、しかし、この日照り(温暖化)は人間が作り出したものだ。

なんてことを私たちはしてしまったんだ。

花たち、花を待っている人達の為に、水を探そうと

再び、歩きはじめる。

 

新関祐子