サンチアゴの思い出
昨日のブログでイースター島のことを書いたら、行き帰りに立ち寄ったサンチアゴのことを思い出していた。行きの時は市内見物をちょっとしただけで、すぐイースター島に向かったが、帰りはサンチャゴに一泊した。
市内に「ダーウィンの丘」と称する公園があり、ダーウィンがビーグル号の航海で立ち寄ったときここで散歩をしたという。
名前にひかれて散歩に出かけ、公園内をぶらぶらしていると、学生らしい若者に声をかけられた。
「日本の方ですか。」と訊かれ、「そうだ」と答えると、「自分は日本に留学したいと思っていて、その資金をためようと、詩集を作って販売しているので、買ってくれないか。」と言われた。
それは感心なことと、言い値の3ドルを渡すと、A4版くらいの紙を四つ折りにした8ページに印刷してあるものを渡してくれた。それが詩集だという。
ちょっと騙された気分になったが、相手は悪びれるところがなく、人懐っこく公園の中を案内してくれた。そして一緒にいた女性を紹介し、彼女の詩集もいかがですかと持ち掛けられたが、丁重にお断りした。
別れてしばらくして振り向いたら、件の学生はニコニコして手を振っていた。「してやったり」と思っているとは考えたくない気持ちで、こちらも手を振った。
泊まったホテルがチリ大学の近くだったので、見学に出かけた。
大学の横に古本屋街があり、その1軒でパブロ・ネルーダの詩集を見つけた。ノーベル文学賞を受賞したチリを代表する詩人だったことを思い出し、購入した。
サンチアゴの古本屋街
外国の本屋で買った本は、その土地の思い出として本棚を飾る見得本となることが多く、これもそうなることは予測しての購入であった。
大学に入って、事務室で見学の許可を得ようと名前と身分を告げたところ、「どうぞ、どうぞ」と招き入れられ、案内されたところが最上階の図書室だった。女性の主事の方に招き入れられ、日本からの客人は久しぶりと歓待された。
パブロ・ネルーダの記念室があって説明をしてくれたが、本屋でネルーダのことを思い出していたので、調子を合わすことができ、恥をかかないで済んだ。
パブロ・ネルーダ記念室。ネルーダの写真が飾ってある。
パラグアイに帰って、詩集を机の上に置いておいたところ、メードさんがそれを見つけ、娘の学校の宿題の参考にしたいので貸して欲しいといわれ、喜んで貸してあげた。
パブロ・ネルーダ詩集は、見得本としてだけではなく、いささかではあるが役に立ったのである。
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