ガジュマルから作られたコカリナ
NHK沖縄から昨年の12月17日に放送された、伊江島で開かれたコカリナ演奏会についてのニュースのネット上の記事と動画(生まれ変わったガジュマル 平和の音色を世界に|NHK 沖縄県のニュース)が、日本コカリナ協会から配信されてきた。
沖縄県伊江島にはニーバン・ガズィーマルと呼ばれるガジュマルの古木があった。
この木の上で、終戦も知らずに2年間身を隠していた二人の日本兵がいた。その中の一人佐字田秀順さんの息子の満さんの呼びかけで、このコンサートは開催された。
会場の稲森小学校は佐治さんの母校で、在学中の1956年にアメリカの戦闘機が墜落して、18人の生徒が犠牲になっている。伊江島は今でも島の35%がアメリカ軍の基地で占められている。
話は前後するが、ニーバン・ガズィーマルは2022年の台風で倒れてしまい、その枝をコカリナ奏者の黒坂黒太郎さんが譲り受け、コカリナを制作した。そして、出来上がったコカリナを伊江島の子供たちに贈るとともに、その子たちの手紙を添えてウクライナの子供たちに送った。ニュースでは、コカリナを吹くウクライナの子供たちの姿が流されていた。
佐治満さんは、父親の命を救ってくれたガジュマルの木への思いと、小学校時代に見た戦闘機事故による子供たちの無残な姿の記憶が重なって、平和の尊さを子供たちに伝えようと、黒坂さんを招待してコカリナコンサートを開いた。
会場の学校体育館に集まった子供たちに、黒坂さんは「この学校にジェット機が墜落して、子どもたちが亡くなっていったんだね。同じようなことがまだこの世界で起きていますね。子どもたちがこれ以上、被害に遭わないように、戦争で死んだりするようなことがないようにと、僕が作った曲があります」と語り、自分が作曲した『ガジュマルの花』をはじめ8曲を演奏した。子供たちは手拍子をとりながら聴きいっていた。そして、黒坂さんから贈られたコカリナで、子供たちも『故郷』を演奏した。
演奏会の後で、子供の一人は「(ガジュマルが)台風で飛ばされてもずっと受け継がれるんだなと自分は思いました」と話していた。
STOP WAR!
ウクライナにはコカリナの公認講師の資格を持つ坂本さんという方が活動されていて、おそらく贈られたコカリナの演奏を指導されたと思います。