絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

私の構図のセオリー

2012-02-04 | 絵のこと
私の構図のセオリーをお話しします。
 
例えば、今日のモデル組みを例に取ると。



1、横絵は、横の流れ
    この絵は、なぜ横に描いたのか?ということが、分かる組み立てにするには、横に物が並べられて、
    見る人の眼が横に移っていくようにすることです。

2、中心になるものを決める。
    物には、目立つ物と目立たない物があります。置き方、向きによっても目立ち方が違います。
    色でも違います。この場合は、白い箱を中心にしました。白さが他のものよりも目立つのでということです。
    また、文字があることも重要です。隣の赤いストーブも色として目立ちますが、文字の方が目立つようです。
    最終的には、赤いストーブか目立たないように、影の中に入れました。
 主役、わき役の関係で言うと、主役は画面の中心に近いほど、主張が強くなります。
    バランスも取りやすくなります。しかし、そればっかりが目立つと、私は日の丸みたいだねという事があります。
    日の丸みたいとは、真ん中の物ばかりが目立って、孤立している構図のことです。  
    そうならないように、脇役に上手く目が移るように設定してやることを考えます。


3、でこぼこのリズム
    途中経過では、横に並び方が、帯状になっていて単調だったので、最終的には手前にも物を置いて、変化をつけました。帯状の上のライン、下のラインにでこぼこをつくることで、リズムをつくります。
    

4、影の工夫
    左から影を落として、単調さから脱出を図りました。これは、人影です。
    適当なものがなかったので、人に立ってもらいました。

5、物の置き方にリズム感を。
    物がどのように置かれると、中心の物の邪魔をしないか。
    どのように置かれると、リズム感がよくなるかを考えて置きました。
    この場合、物の置かれる角度にも配慮が必要です。

6、違和感のないものを置く
    全体的には、粗大ごみという感じでイメージを統一しています。
    若干気になるのは、黒いバッグです。他のものより新品に見えます。
    まだ、捨てられなくてもよい感じです。描くときにぼろに見せる必要があるでしょう。

7、効果
    黒い物を置くことで、画面を引き締めています。
    最後は影を作ったので、暗さと明るさの効果も出しました。


8、問題点
    (1)手前の黒い物が上の缶と幅が揃ってしまいました。少し、右にずらす必要があります。
    (2)遠景の赤城山が、三角形なので、単調です。山の形を変えて、赤城山ではなくした方が良いでしょう。
    (3)枯れ草が、取ってつけたような感じで、面白くありません。適当に作った方が良いと思います。
    
   

  ※ 全体のバランス、リズム、主役の目立たせ方など、私のセオリーがお分かりいただけたでしょうか。
    もっと、いろいろな色を使う場合は、また、その色の組み立てが問題になります。
    下手をすると、チンドン屋になります。そうならないように、考える必要がありますが、それは、また
    具体例でやらないと分かりにくいでしょう。

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