その日、いつものようにななやんは雀荘吉田へとやってきて、いつものように麻雀をしていた。本当は国語の勉強を教えに来ているハズの彼なのだが、メインが麻雀になるのは、経営者おかんの意向が大きく反映されているということは言うまでもない。
ともかく。彼は麻雀を打っていた。
その日の面子は、ゆか、ハマ?、おかんであった。かーるは何やら忙しく電話で話しこみ、オクティンは早く帰らないと電車がなくなるからである。
いつものようにおかんの左手に注意を置きつつ、トップを守り続けていたななやんが、今日はいつもと場の雰囲気が違う・・・そう感じたのは南2局に差し掛かった頃であった。
『ゆかの様子がおかしい・・・』
普段なら混一色バンザイの彼女が今日はやけにステハイにチュウチャン牌、それもど真ん中456が目立つ・・・。
ドラなんて、1巡目で捨てている始末だ。
一応注意したら、
『しまった?♪てへ♪』
と3文芝居でもめったにおめにかかれそうもないクサイ芝居で誤魔化していた。
こいつは・・・??
俺は昔、一時、こんな噂を聞いた事が有るのを思い出した・・・。
『ジュンチャンのあつし』
・・・いや、彼は関係ない・・・。
『ジュンチャンのゆか』
そう、ジュンチャンのゆかだ。
ジュンチャンと言っても高田順次のことでも、まして稲川順二のことでもない。
純チャンタ。
そう、手役の中でも3色も絡んでもっとも美しい役のひとつとされている、アレだ。
『まさかー!!!!』
俺は、心の動揺を隠せなかった。
彼女が東、発と手だしで切り出してきたからだ。
テンパイ気配充分。テンパイ、ジュンチャン、三色同順、ドラ3-----!!
ココでのバイマンは---!!
くそぅ!!!
汗が額を伝わり、渇いた俺の頬に一筋の曲線を描いた。
俺の手は、もはやダメだ。
中盤字牌を警戒しすぎて、手にならない。
もはや、これまでだ。彼女が和がるのを防ぐ手立ては、今の俺には-----ない。
そう、観念したときだった。
『ツッモー♪』
軽快なツモの声。
みると、おかんであった。
『ウフフー♪ツモのみ。失礼あそばせ?♪親は和がってなんぼよ?♪』
考えて損した・・・。
<<終劇>>
次回、
第二話『光れ、右手!!唸れ、左手!!おかんにたちはだかった勇者!!』
乞うご期待!!!
ps:1000文字ギリギリ・・・(笑)
ともかく。彼は麻雀を打っていた。
その日の面子は、ゆか、ハマ?、おかんであった。かーるは何やら忙しく電話で話しこみ、オクティンは早く帰らないと電車がなくなるからである。
いつものようにおかんの左手に注意を置きつつ、トップを守り続けていたななやんが、今日はいつもと場の雰囲気が違う・・・そう感じたのは南2局に差し掛かった頃であった。
『ゆかの様子がおかしい・・・』
普段なら混一色バンザイの彼女が今日はやけにステハイにチュウチャン牌、それもど真ん中456が目立つ・・・。
ドラなんて、1巡目で捨てている始末だ。
一応注意したら、
『しまった?♪てへ♪』
と3文芝居でもめったにおめにかかれそうもないクサイ芝居で誤魔化していた。
こいつは・・・??
俺は昔、一時、こんな噂を聞いた事が有るのを思い出した・・・。
『ジュンチャンのあつし』
・・・いや、彼は関係ない・・・。
『ジュンチャンのゆか』
そう、ジュンチャンのゆかだ。
ジュンチャンと言っても高田順次のことでも、まして稲川順二のことでもない。
純チャンタ。
そう、手役の中でも3色も絡んでもっとも美しい役のひとつとされている、アレだ。
『まさかー!!!!』
俺は、心の動揺を隠せなかった。
彼女が東、発と手だしで切り出してきたからだ。
テンパイ気配充分。テンパイ、ジュンチャン、三色同順、ドラ3-----!!
ココでのバイマンは---!!
くそぅ!!!
汗が額を伝わり、渇いた俺の頬に一筋の曲線を描いた。
俺の手は、もはやダメだ。
中盤字牌を警戒しすぎて、手にならない。
もはや、これまでだ。彼女が和がるのを防ぐ手立ては、今の俺には-----ない。
そう、観念したときだった。
『ツッモー♪』
軽快なツモの声。
みると、おかんであった。
『ウフフー♪ツモのみ。失礼あそばせ?♪親は和がってなんぼよ?♪』
考えて損した・・・。
<<終劇>>
次回、
第二話『光れ、右手!!唸れ、左手!!おかんにたちはだかった勇者!!』
乞うご期待!!!
ps:1000文字ギリギリ・・・(笑)