「妙薬 篋(はこ)にみつれども、嘗(な)めざれば益なし。珍衣(ちんい) 櫃(ひつ)にみつれども、著(き)ざれば即ち寒し。」という弘法大師様のお言葉があります。
解釈としては、「その病気に効く薬が沢山あっても、飲まなければ何の効果もあるはずがない。良質な服が沢山あっても、自分で身に着けないと少しも暖かくはない。」となるのでしょう。宗教的意味合いで弘法大師様は説かれているのでしょうが、私なりに普段の生活においての意味合いで考えてみました。
例えば、「最高の家庭教師を迎えたところで、本人に勉強する気がなければ、結果は得られないだろう。」・「すばらしいアイデアを沢山持っていても、それを形にしなければ誰にも分からないし評価されることもないだろう。」・「目の前に美味しそうなケーキがあっても、自分で食べなければ、その味は分からないだろう。」・「理想ばかり追いかけていても、それに近づく努力をしなければ、単なる空想で終わるだろう。」など、色々と思い浮かびます。
何事も他人任せでは一歩たりとも進むことはなく、現実からどんどんと離れて行き、最終的に何をしたら良いのか分からなくなってしまいます。良い薬(良策)を持ったら、その薬で早く悩み(やるべき事)を自分で把握(解決・実行)することが大切なのではないでしょうか。
また、自分の周囲に悩んでいる人がいたなら、その薬(良策)で助けてあげることも大切なことであると思います。