すずきせいこの「日々雑感」

政治や暮らし、孫のことから平和・原発問題まで“本音でしなやかに”・・・

増村秀一遺作展

2015年05月05日 | 日々思うこと

風薫る5月、昨日と今日の2日間はビーチホールまがたまでの「増村秀一遺作展」へ出かけました。2014年(H26)2月に71歳で他界した増村秀一さんとは、20年程前に都立の定時制高校を辞めて糸魚川へ戻られ、市内緑町会館での初めての個展の頃だったかと記憶しています。この時に求めた根知谷の東橋付近から雨飾山を描いた油絵が我が家の玄関に飾ってあります。

遺作展の会場の多目的ホールには、4号の静物画やデッサンから100号の大作など糸魚川の自然を描いた約80点が展示され、これらはアトリエにあった300枚の以上の作品から選ばれたとのことでした。4日には福祉施設のお年寄りたちも大勢で来られて、やさしいタッチの油絵から故郷の野山を偲び、車椅子でゆったりと観て回ったり腰を休めたりと実行委員会の気配りを随所に感じました。

増村さんと最後にお会いしたのは亡くなる少し前の2013年秋の市展の同じこの場所で、体が不自由になっても最期まで絵を描き続けていたそうです。“時の流れ”に迎合することのない生き方を貫いた人生で、会場の中央には2013年最後の雪の西海谷の作品とその前には愛用の椅子が置かれていました。

また増村さんはジェンダーや平和憲法への視点が高く、上越の「ウーマンカレッジ出会いの会」の講師にもお願いしたりと思い出は尽きません。そして兵庫県在住で医師の弟さんのことをよく聞いていただけに、今回の遺作展の発起人でもある増村道雄さんとお会いしいろいろとお話しができたことをとても嬉しく思いました。何だか故人が引き合わせたような“見えない糸”を感じながら、2006年に雨飾と根知白池を描いた作品を求めて帰宅しました。