すずきせいこの「日々雑感」

政治や暮らし、孫のことから平和・原発問題まで“本音でしなやかに”・・・

高浜原発再稼動!とんでもないクリスマスイヴ

2015年12月25日 | 地震・原発

23日の上越市での「原発再稼動を考える集い」から一夜明けた昨日のクリスマスイヴに、福井地裁がこの4月に高浜原発3・4号機の再稼働を認めない仮処分の決定に、別の裁判長が審理し運転差し止めの仮処分を取り消すという判決に頭を打たれたような衝撃です。

これは関西電力が異議を申し立ていたことによる判決ですが、どうして司法の場でこんなに大きく判断が分かれてしまったのか、難しい問題とはいえ福島事故の教訓を全く無視して再稼働を認める決定の背景には何があったのかと首を傾げるばかりです。それは福井県議会、福井県原子力専門委、林経産相の現地訪問、西川福井県知事と“総がかり”で地裁法廷前に政治的圧力があったことはいうまでもありません。

昨日の判決を受け、関西電力では高浜原発3号機への核燃料搬入を25日から始めると発表です。ウラン・プルトニウム混合酸化物、MOX燃料24本を含む157本を29日までに搬入し、来年1月下旬の再稼働という方針で、とんでもないクリスマスプレゼントで「メリークリスマス」どころではありません。

近年、孫たちへのクリスマスプレゼントは絵本に決めており、今年は上越市出身の絵本作家の川端 誠さんの『地球をほる』や『星の王子さま』などで、まだ小さい2才の孫には娘の希望で外国の作家の『とびだす絵本おもちゃばこ』にしました。これがなかなかよくできており大人でも楽しめる絵本ですが、動き出すことで小さな孫は「こわい!」と・・・。

ところで高浜原発は避難計画の策定が義務付けられる半径30キロ圏に、福井県以外に京都府と滋賀県が入り、とくに京都の圏内には約12万5千人と福井より多くの住民がいる点で九州の川内原発や四国の伊方原発と大きく事情が異なっています。また新規制基準の審査に合格した原発で、MOX燃料が入れられるのはこれが初めてで、関西電力は「MOX燃料と通常の燃料とで作業に違いはない」と主張です。ところが通常のウラン燃料と比べてMOX燃料は発熱量が多いほか、仮に冷却できなくなるとより低い温度で溶け始めるという危険極まりない物質です。

今回の福井地裁以外にも全国各地ではおよそ30の原発集団訴訟があり、福島第一原発の事故を裁判官がどうとらえるかで判断が分かれることでしょう。利権に群がる大人たちの身勝手さで、原子力発電所から出る始末ができない核のゴミはすべて子どもたちの世代へ“負の遺産”として、とんでもないプレゼントに怒り心頭のクリスマスです。