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花鳥礼讃 渡辺省亭・水巴ー父と子、絵画と俳句の共演

2018-05-16 | 【アート】美術館・ギャラリー・レビュー
GW前の話になりますが、4/29の特別開館で斉田記念館に「花鳥礼讃 渡辺省亭・水巴ー父と子、絵画と俳句の共演」を見に行ってきました。

待ち遠しくしていた企画展。小さな展示室ひとつだけですが、そこそこの人が来てました。
感想としては、、もっと省亭の絵が見たかった〜
俳句や美術世界の展示もあるので仕方ないけど、やや物足りなし。

展示室は、入口入って右半分に省亭の絵画、中央のケースには『省亭花鳥画譜』や『美術世界』などの出版物、左半分に息子 水巴の俳句の展示となっていました。

省亭の静かな絵と、その絵の世界を俳句にしたような水巴の作品がまさしく「共演」していました〜

今回展示されている絵をみてあらためて思ったのは、
・省亭はやたら上手い
ということと、
・省亭さん、結構お茶目なんでは
ということ。
あんな狭い一幅の中で、写真みたいに丹念に描くところと軽く描くところ、カメラのピントを合わせるように引き立っているところとぼんやりしているところ…強弱があるのがすごいと思う。
これ以上描いてあるとしつこいけど、これより少ないと物足りなくなる、、その絶妙なバランスに存在してる気がする。
私は細かな技法などはわからないけど、いろんな技術を高度に使い分けた上で、余裕がある印象を受ける。
きっと省亭にとって上手いのは当たり前で、そんな技術の披露よりも、季節の空気感とか鳥や花の変化を描きとめたかったのではないかなー

あと、省亭の絵に出てくる生き物は、中に人間が入ってる もしくは 人間がリモコンで操ってるような気がする。笑
なんとも言えない格好で描かれている気がします。
一つの作品の中で、前向き・横向き・後ろ向きの鳥がきれいに並んでいたり。鳥の身体の特徴を描きたくてそうしてるのかもしれないけど、パッと見たときに「この出来過ぎたポージング…!」と私は思う。
それとも、パラパラマンガの展開版ということで、時間の経過を描いているとか?うーん
正面向いてる鳥とか、こっちに何か話しかけてきてるようにみえて仕方ない。

ケース内に展示されている「美術世界」は、省亭ワールド満載の雑誌。
先日東京国立博物館でみた「國華」は政治の匂いもする雑誌だけど(だから長く続いているんだろうな)、こちらはZINEみたいな私的で自由でコダワリを詰め込んだ雑誌という感じ。
省亭も編集してて楽しかっただろうなぁと思いながら見ました。


俳句のことはよくわからず、水巴という存在も今回初めて知りました。
省亭の絵を連想させるようなしみじみとした自然の描写が多いことに気付きます。
ただ!明らかに展示室の左半分には人が居ない!
みんな省亭の絵に夢中になっている!!
もれなく、私もそうなのですが。

省亭の絵は前期後期で総入れ替えするようなので、後期にまた行かねば!

あと、省亭が浅草寺観音堂に日参していたことや、浅草小島町に住んでいたことがわかったので、また省亭の足跡をたどる旅に出なくちゃいけないな。ぐるっとパスも使いたいし、、うーん悩ましい。


花鳥礼讃 渡辺省亭・水巴ー父と子、絵画と俳句の共演
前期 〜2018/5/26
後期 2018/6/4〜2018/7/28
*省亭の絵は前期後期で総入れ替え

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