教養原論の期末試験問題と、
それに対する解答。
「現代社会において重要と思われるような仕事に関わる論点をひとつ取り上げ、自由に論じてください」
近年、『自分の好きなこと』を仕事に」という考え方が広まってきている。これは、村上龍が2003年に発表した『13歳のハローワーク』で表れているが、問題点は無いのか、以下検討する。
まず、「好きなことを仕事に」ということだが、これには「好きなこと、嫌なこと」として仕事を分ける考え方が背後にある。実際に、村上龍も『13歳のハローワーク』の中で、「好きな仕事に就く人、嫌いな仕事に就く人」という2種類の職業人感を表している。この考え方に従うと、自分の好きな仕事以外の職業を選択することに消極的、もしくは選択しないということにつながるのは明白であるが、これが果たして現実的な考え方なのか極めて疑問である。
まず、新卒採用が依然厳しい状況にある中、採用希望者にとって希望の職を得るには厳しい現実がある。もちろん、その職を得るために努力するべきではあるが、それにも時間的・金銭的な限度がある。希望の職を諦めて他の職を探す際、もしくは他の職に就業した際に、「嫌な仕事には就きたくない」という考えが足枷になる場合が想定される。
また、「好きなことを仕事に」という言葉は、「自分の希望通りの職場があるに違いない」という幻想を生み出すことに繋がる。実際に就業してみて自分の理想と食い違った時に、それを打開するか順応する努力を放棄して、安易に仕事を辞めてしまって、結局はどの仕事もものにならないということも考えられる。
しかし、この考えを単純に否定することはできない。社会が豊かになり、嫌なことでも働かなければならない大変な状況でもないため、「好きなことを仕事に」という考え方が仕事の世界へ参入する際の大きな動機付けとなっている面は否定できない。
重要なのは、いかに現実と自分の理想との折り合いをつけていくことだと思われる。それには、働くということには「自分への需要(ニーズ)」という要素が含まれていることを意識するべきであると思われる。例えば、雇用者側は採用の選考の際、彼らが求める人物像と選考対象者とがいかに合致しているかを基準に考えることが想定されるし、自分で起業する際においても社会のニーズを考えなければならない。ゆえに、独善的に「この世には自分にぴったりの仕事があるはず」と考えるのではなく、自分の「好きなことを仕事に」するのなら、その需要に合致した能力を高めるために努力しなくてはならない。
(以上)
問題は授業中に発表されてたので、
事前に原稿を作って、本番はそれを思い出して書きました。
試験本番でちょこちょこと手直しを加えましたが、
とりあえず原版を公開ということで。
授業で聞いた話をだいぶと使ってます。
後半部分の論述荒い・・・・
2月になったら、先生のところまで答案を取りに行って、
コメントを受け取ることになってます。
何て言われるかな。
それはさておき、
前々から授業中に試験問題を発表してたから、
試験も終ったことだし、
ブログで公開しても問題は無い・・・はず。
それに対する解答。
「現代社会において重要と思われるような仕事に関わる論点をひとつ取り上げ、自由に論じてください」
近年、『自分の好きなこと』を仕事に」という考え方が広まってきている。これは、村上龍が2003年に発表した『13歳のハローワーク』で表れているが、問題点は無いのか、以下検討する。
まず、「好きなことを仕事に」ということだが、これには「好きなこと、嫌なこと」として仕事を分ける考え方が背後にある。実際に、村上龍も『13歳のハローワーク』の中で、「好きな仕事に就く人、嫌いな仕事に就く人」という2種類の職業人感を表している。この考え方に従うと、自分の好きな仕事以外の職業を選択することに消極的、もしくは選択しないということにつながるのは明白であるが、これが果たして現実的な考え方なのか極めて疑問である。
まず、新卒採用が依然厳しい状況にある中、採用希望者にとって希望の職を得るには厳しい現実がある。もちろん、その職を得るために努力するべきではあるが、それにも時間的・金銭的な限度がある。希望の職を諦めて他の職を探す際、もしくは他の職に就業した際に、「嫌な仕事には就きたくない」という考えが足枷になる場合が想定される。
また、「好きなことを仕事に」という言葉は、「自分の希望通りの職場があるに違いない」という幻想を生み出すことに繋がる。実際に就業してみて自分の理想と食い違った時に、それを打開するか順応する努力を放棄して、安易に仕事を辞めてしまって、結局はどの仕事もものにならないということも考えられる。
しかし、この考えを単純に否定することはできない。社会が豊かになり、嫌なことでも働かなければならない大変な状況でもないため、「好きなことを仕事に」という考え方が仕事の世界へ参入する際の大きな動機付けとなっている面は否定できない。
重要なのは、いかに現実と自分の理想との折り合いをつけていくことだと思われる。それには、働くということには「自分への需要(ニーズ)」という要素が含まれていることを意識するべきであると思われる。例えば、雇用者側は採用の選考の際、彼らが求める人物像と選考対象者とがいかに合致しているかを基準に考えることが想定されるし、自分で起業する際においても社会のニーズを考えなければならない。ゆえに、独善的に「この世には自分にぴったりの仕事があるはず」と考えるのではなく、自分の「好きなことを仕事に」するのなら、その需要に合致した能力を高めるために努力しなくてはならない。
(以上)
問題は授業中に発表されてたので、
事前に原稿を作って、本番はそれを思い出して書きました。
試験本番でちょこちょこと手直しを加えましたが、
とりあえず原版を公開ということで。
授業で聞いた話をだいぶと使ってます。
後半部分の論述荒い・・・・
2月になったら、先生のところまで答案を取りに行って、
コメントを受け取ることになってます。
何て言われるかな。
それはさておき、
前々から授業中に試験問題を発表してたから、
試験も終ったことだし、
ブログで公開しても問題は無い・・・はず。