逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

殺人と自殺と失業率の不思議な相関図

2017年11月06日 | 社会
『世界一他殺率が低いが、逆に自殺率が世界一高いに日本の現実』

一貫して殺人が減っている日本では、逆に自殺が増えるとの、両者には反比例の関係があり『内向きの自殺』か、それとも『外向きの他殺』かとの違いだけで、何れも『人を殺す』との共通点が存在している。そして日本は世界で一番『内向きの殺人』(自殺率)が高い国だった。



『日本経済の成長率と関係しているらしい若者の自殺率』 

今の日本の29歳以下の若者たちの死亡原因の第一位が自殺なのですが、日本の消費税導入による消費不況の深刻化で失業率が上がってくると自殺数も上がって3万人の大台にのったが、失業率が下がると自殺数も下がっている。(アベノミクス?の恩恵??)
この政府の統計によると、自殺率と失業率の動きがピッタリと連動しています。死に急ぐ若者たちですが、多分、社会的に認知されたい願望が高いのでしょう。
日本も1960年代までは年間2000人だった殺人が、どんどんと減って今では500人を切る。ところが殺人が大きく減った日本では(その副作用として?)自殺率が上昇していた。
しかし、今回の座間の9遺体容疑者の供述報道によると、ネットの自殺サイトで知り合った被害者たちは『死』に興味があったが、誰も本気では自殺を考えていなかったらしい。

『1960年頃から一貫して減り続ける殺人件数で、崩れる日本国のユニバーサル・カーブ』

繁殖期の雄が同種で激しく争うのは動物では普通に見られる現象で、我々人類も哺乳類の一種として同じ傾向が備わっており、世界で国籍や文化や民族が違っていても同じように、一番人を殺す危険な存在は若い男で、年齢別の殺人率をグラフに描くと、10代後半から急増し20歳代前半にピークに達した以後は下がっていく。件数の数の違いはあっても、どの国でもグラフは同じ形になるので、ユニバーサル・カーブという名前がついたが、その唯一の例外が、現代の日本だった。
ほぼ同じだった日本の殺人率が急激に減り始める。
最大の変化は、50~60代の壮年の男の殺人率は半減程度に減ったが『最も人を殺す世代』である10代後半や20代の若い男の殺人が桁違いに激減したので、殺人率グラフのピークがなだらかになり、ユニバーサル・カーブが完全に崩れてしまう。(突然『怒りだす中年』など、いまや最も人を殺す危険な世代は50~60代の中高年の男姓であるとも言われ出した)

『日本で大量殺人は非常に珍しいが、・・・』

有名な『祟りじゃ~』のセリフで知られる横溝正史の小説『八つ墓村』のモチーフになった1938年(昭和13年)の『津山三十人殺し』とか、最近では2013年に『つけびして 煙り喜ぶ 田舎者』の言葉で有名になった近隣に住む高齢者5人が殺害された山口連続殺人放火事件。12が3回も並ぶ2012年12月12日の『北朝鮮の衛星打ち上げ』と同じ日に警察で主犯とみられる容疑者が『自殺』して事実上闇に葬られた『尼崎連続変死事件』など過去の例があるが、被害者と加害者とは閉鎖された空間で濃密で複雑な人間関係があった。
東京の連続殺人事件らしい座間の『9遺体』は、近年まれな猟奇事件らしいが、ネットの自殺サイトが関係していて被害者と加害者の関係性が不明確で謎が多い。

『死後を語らない仏教と、人の「死」の意味を積極的に説くキリスト教などの一神教の世界感の違い』

以前に付き合いのあった緻密で論理的な展開をすることが特徴のブログで『人の死』について盛り上がったが、唐突に『生きているとは、死んでいることだ』とか、『死んだことが無い者は、死を知らないのだ』と何ともカルト臭いことを言い出して一歩も譲らない。(死んだ経験がある人物など、そもそも世の中に存在しない)
それ以外にも他のブログでも『堕胎は殺人だ』と言い出して矢張り一歩も譲らずまともな会話が成り立たなくなり断絶状態になる。これ等は普通に考えれば、ほぼ破壊的カルト宗教なのです。
何とも不可解ですが、妙に『人の死』に興味があることが分かり、危ないので近寄らない様にしたが、如何もキリスト教の影響があるらしいのです。
ブッダは霊魂とか死後の世界については何も語らなかったが、逆にキリスト教やイスラム教など一神教では『死』とか死んだ後の世界にえらく関心があるので、これが影響しているのでしょうか。何とも不思議である。(日本のキリスト教徒は1%と圧倒的に少数ですが、なぜかインターネット『ブログ』では結構目立つ存在である。同じことが極左にも言えて、現実世界なら沖縄県でイリオモテヤマネコやヤンバルクイナに出会える確率より低いが、ネット世界では普通に幾らでも出会える)



『2016年神奈川県相模原市の障碍者施設での特異な大量殺人(ヘイトクライム)事件』

超越的なキリスト教(一神教)文化の欧米では深刻なヘイトクライム(主義主張の違いや宗教による嫌悪殺人)は普通に起きている。ところが世界とは対照的に相対主義の日本では起きないとされていた種類の凶悪犯罪が1年前に起きて社会に衝撃を与えた。
障碍者の安楽死を三権の長である衆議院議長に訴えた後に実行したのですから、これは明らかに日本では非常に珍しいヘイトクライムである。
参議院自民党比例区でトップ当選した青山茂晴や東京都知事で元自民党広報部長の小池百合子など自民党幹部が在特会の櫻井誠とヘイトの親和性がある。
あのセコイ升添要一(都知事)叩きの切っ掛けとなったのは都有地の韓国系民族学校への貸し出しで、嫌韓嫌中のネットウヨが見るに堪えない汚いヘイトスピーチを繰り返していた。
諸外国では一つの例外も無く、これ等のヘイトスピーチを放置すると必ずヘイトクライムにエスカレートするから、日本以外の国でヘイトスピーチを厳しく取り締まる。(今まで日本は口先で『殺せ』と連呼しても実行は誰も行わなかったので安全だった。ところが、とうとう実行者が現れて、根本的な物事の次元が変化したのである)

『障碍者の大量殺人を応援するインターネットの右翼人脈』

障碍者に対する大量殺害犯に対して、ネットでは何と擁護する書き込みがあり『税金の無駄だ』との犯人と同じ心象風景なのですが、犯人植松聖がアクセスしていたのが、 安倍首相、百田尚樹、橋下徹、Kギルバートら右翼人脈。模原事件の犯人の植松聖容疑者はネトウヨと心情的に瓜二つであり、相互にフォローしあっていた。
自民党の公式なネット支援団体の自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC、通称ネトサポ)自民党公認のネットボランティア組織ですが、これらの主張がおよそ犯人と同じ主張をしている。
両者の違いは言葉だけの罵倒(ヘイトスピーチ)なのか、本当に実行した(ヘイトクライム)のかの、『違い』なのですから怖ろしい。そして、その自民党の最高責任者だったのが広報本部長の小池百合子現都知事だった。



『朝三暮四』 サル並みだった判断力

フジテレビのアナウンサーだった長谷川豊が、ネットで『自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!』と主張してテレビ番組を降板させられるが、まさに模原事件の犯人の植松聖容疑者と同じ発想なのである。
ところが少しも懲りる事無く政治家に転身して2017年総選挙では橋下徹の暴言で有名な『維新』から千葉1区と比例南関東ブロック1位で立候補するが、最下位で落選し供託金も没収になる。(いくら日本人が病的に右傾化しても、少しは良識が残っていたのでしょう)
ところが自民党筆頭副幹事長の小泉進次郎が、お馬鹿な長谷川豊が袋叩きされる様を見て、少しだけ言葉を選んで『健康維持に努力したら、その分優遇する』と、危険な長谷川豊と丸々同じ。『朝三暮四』の主張をしているのに神奈川11区で対立候補に大差を付けて当選していたのである。(アホの長谷川豊の主張と、カシコの小泉進次郎の発想がソック瓜二つ。まったく『同一』の考え方だと善良だが愚かな日本の有権者は何故気が付かないのだろうか。実に不思議だ)
猿に餌を朝三つ、夕方四つ与えようとしたら怒ったので、朝四つ夕方三つやるように変えたら喜んだという中国の故事が、情けないことに極限まで病的に右傾化した今の日本では現実化していたのである。


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1 コメント

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ウヨクとは (ちくわ)
2017-11-08 03:31:43
自分の弱さを誤魔化し強く見せるために、他人の弱さを攻撃せずにはいられない。それを国家レベルでやっているのが今の日本なのでしょう
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