逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

参加しているメンバー全員が「嘘つき」だった

2016年02月22日 | 社会
『LIAR!LIAR!(嘘つきだ)の大合唱』
孫崎 享 ‏@magosaki_ukeru 今日の政治漫画: トランプ、クルーズ、ルビオ、ブッシュ共和党討論会で互いが相手をうそつきと非難、聴衆「彼らもやっと本当のこと、いうようになったわ」
18日Tom Toles

『抜きんでた有力候補が一人もいない「団子レース」のみにくい泥仕合(つぶし合い)』

どんぐりの背比べ状態の共和党大統領候補の中で『メキシコとの国境に壁を建設しよう』と主張しているのはトップを走っているトランプ氏だけではないが、マスメディアは何故かトランプ候補だけを標的にして批判している。(2016年02月19日The Huffington Post 執筆者: Christina Wilkieによると、『共和党のテッド・クルーズ氏、ジョン・ケーシック氏、ベン・カーソン氏、マルコ・ルビオ氏もみんな、同様のことを言っている。』と、共和党の場合には候補者全員らしい)
メキシコを訪問中のローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は2月18日、専用機の中で、不法入国の防止のため、メキシコとの国境に壁を建設しようというドナルド・トランプ氏の主張について記者に問われ、『壁を造ろうとばかり考える人は、それがなんであれ、橋を架けようと考えない人は、キリスト教徒ではない』と答えた。



法王の強烈な批判に対して、トランプ氏のソーシャルメディア・ディレクター、ダン・スカヴィーノ氏は、周囲を高い壁で囲まれたバチカン市国の航空写真を提示して『バチカンは100%、巨大な壁に囲まれているのに、法王のコメントは驚きだ。』と、日本で大ヒットしたテレビドラマ『半沢直樹』風の倍返しのツイートをする。(孫崎 享も2月18日 『ローマ法王の「壁作る人はキリスト教徒でない」に痛烈な反撃。ローマ法王は壁に囲まれたバチカンに帰る。』 とリツイートしていた。 

『誰よりも嘘つきだと思われているヒラリー・クリントン』

『どんぐりの背比べ』での、小物同士の団子レースの潰し合いを演じる共和党と対照的なのが民主党で、元ファーストレディ(大統領夫人)で現オバマ政権のナンバー2の国務長官だった大本命のヒラリー・クリントンが、知名度で他を圧倒して独走しているはずが、まさかの大失速。泡沫候補だと思われていた自称社会主義者のサンダース候補に支持率で追い抜かれる。米国大統領選でFOXnewsの全国調査の最新結果は民主党のヒラリー44%、サンダース47%と逆転している。(FOXの前回調査ではヒラリー49%、サンダースー37%だからヒラリーの失速とサンダースの追い上げが顕著)
政治実績でも全国的知名度でも抜きんでている超有力候補のクリントンのまさかの苦戦ですが、原因は簡単で今までのヒラリー・クリントンの並外れた実績とか知名度による『誰よりも嘘つきだ』との有権者の一致した評価なのである。
2月15日に孫崎 享は、『ヒラリー。次の大統領選挙でヒラリーが選ばれる可能性は高い。しかし、この人ほど嘘をついてきた米国政治家そんなにいない。映像が示す。是非見るべきHillary Clinton lying for 13 minutes straight. https://www.youtube.com/watch?v=-dY77j6uBHI&feature=youtu.be …とツイートしている。(有権者の8割がクリントンでないと本選挙に勝てないと思っているが、同時に9割がサンダースの方が正直『クリントンが嘘つき』だと思っている)




『事実上のミサイルでない衛星の打ち上げ』

日本が『事実上ミサイルでないH2aロケット』を使ってX線で重力波を調べることが出来る天文観測衛星「アストロH」を2月16日に種子島から打ち上げ成功する。
国際宇宙ステーションなどから類推して、ロケットというと巨大なイメージがあるが、日本の宇宙開発は半世紀前の糸川博士の長さ23cmの小さなペンシルロケットから始まったとされる、日本のロケットですが技術的に完成している米国の技術を導入してから本格化しているので、成功してもある意味では当然だった。
『ロケット』とは推力を生み出すエンジンそのものや、そのロケットエンジンを使っ物体(乗り物)を指す言葉であるが、ロケットは推進剤ど酸化剤を使うので大気が無い宇宙空間でも利用できる。対してジェットエンジンは酸化剤が無く推進剤のケロシンを大気中の酸素で燃焼させるので宇宙では使えないが、推進剤を化学反応の一つである『燃焼反応』によって高温・高圧のガスを作り出し、高速のジェット噴射の反動によって推力を得る原理は双方同一である。(巡航ミサイルはロケットではなくジェットエンジンで飛んでいる)
また大陸間弾頭弾とか長距離弾道ミサイルとは、大砲の砲弾のように標的に向かって放物線を描いて飛ぶロケット推進の破壊兵器のことなので、実は衛星打ち上げロケットよりも遥か高空を飛んでいる。
数百キロ程度の衛星軌道では水平飛行で加速する必要がある北朝鮮の衛星打ち上げロケットと、今回日本の政府やマスコミが挙国一致で喧伝する『弾道ミサイル』とは『同じ』ではなくて、原理的にその飛行形態が大きく違っていた。(軍事評論家の田岡俊次は『弾道ミサイルと呼べない』といったために日本国のマスコミの報道から締め出される)
今回の北朝鮮による人工衛星打ち上げに対する『衛星の打ち上げと称する 実上の弾道ミサイル』との、日本語として何とも気持ちの悪い、違和感のある言葉使いですが、如何しても英語に訳せないらしいのである。
同じマスコミでも海外と日本国内での報道とは大違い。
海外では『衛星ロケット』と報道されているものを、いつまでも日本国内だけ『事実上の弾道ミサイル』と称して報道を続ける日本のマスコミの異様さは胡散臭く見られて当然であろう。
NHKなど国内向けでは『弾道ミサイル』と報じているが、海外向けには『衛星ロケット』と放送する相手により言葉を使い分ける破廉恥なダブルスタンダード(二枚舌の印象操作)はまさに『国辱もの』であり、日本人の一人として恥ずかしい限りである。

『今までは、ひたすら横並び路線で「他と同じ」だった日本共産党(赤旗)』 目の覚めるような久々のクリーンヒット 

共産党機関紙『赤旗』は3年半前の前回の2012年12月の同一軌道での人工衛星打ち上げ時点では日本国内では他のマスコミとは一線を画して唯一『ロケット』と報道していたのに、今回は他のメディアと横並びで『弾道ミサイル』と呼んでいるのは何とも情けない。
日本共産党までが今回恥ずかしげもなく挙国一致の亡国の大政翼賛会に仲良く参加しているのですが、それほど今の日本がたった3年半の短期間に極限まで右傾化して暴走している何よりもの『動かぬ証拠』でしょう。
本来なら『炭鉱のカナリア』として世間に対して警鐘を鳴らす役目の日本共産党機関紙『しんぶん赤旗』ですが、最近は残念ながら政府やマスコミと同じ主張しか行わないのですから、これでは日本の右傾化は止めれない。
今回ロケットとミサイルの違いは、『その使用目的だ』との赤旗記事ですが困った話です。北朝鮮の人工衛星打ち上げロケットを弾道ミサイルと呼ぶことで、日本共産党が何かの利益を得ているなら、これは政治活動の範囲であり、ありうる話なのですが話は逆。大損害を出している。
北朝鮮の衛星打ち上げは7日朝であり、この日に行われた京都市長選では共産党は歴史的な大敗をしている。
同じような例が過去にも起きているのですから、最も効果的な反共攻撃とは、実はソ連とか中国、北朝鮮の不祥事である事実を認識する必要があるでしょう。
今の赤旗の腐敗堕落というか、政治音痴は酷すぎる。

今でも多くのファンがいる日本を代表する人気漫画『あしたのジョー』の主人公矢吹丈の必殺技として有名なのがクロス・カウンター。このcross-counterとはボクシングで相手選手が攻勢に出て来る勢いを利用するカウンター・ブロウの一種で、相手がパンチを打ってくる(相手の防御反応を間に合わせない)タイミングで顔面に有効打を放つ高度なテクニック。上手く決まればダウンなど決定打となる

『赤旗(共産党)が鮮やかなクロスカウンター(cross-counter)を放つ』

2月19日付け『しんぶん赤旗』の経済面『軍事依存経済』に、目の覚めるような素晴らしい『指摘』が掲載されている。(まさに『あしたのジョー』の必殺技クロス・カウンターだった)
日本国の場合には、今回『事実上のミサイルでないロケットの打ち上げ』でX線で重力波を調べる天文観測衛星アストロHの成功をマスコミが称えているのですが、28年前の1988年のアメリカの包括通商法スーパー301条で、日本政府が打ち上げる衛星では国際入札が義務として押し付けられたのです。
アメリカの国内法である通商法スーパー301条ですが、他国に『不公正貿易国』のレッテルをはって、関税の大幅引き上げなどの制裁処置をとれるようにしたもので、自国の経済的要求を強引に押しとおす為の条項なのです。
ところが、100億円以上の高価格の日本のH2ロケットでは(公開入札すれば)80億円以下の安価なアメリカなど外国勢には逆立ちしても勝てない。
平和目的の商業衛星の打ち上げですが、そもそも日本のH2ロケットでの打ち上げは絶対に無理なのですから困った話である。
ところが、スーパー301条への対策(抜け道)として『軍事用の衛星』は例外としているので、これを利用して日本国では人工衛星の打ち上げを軍事産業(日本版軍産複合体)の三菱重工が請け負ってH2を打ち上げている。日本の場合には『衛星だけど軍事用』ということですね。(そうでないとアメリカに包括通商法スーパー301条で提訴され莫大な賠償金を払わされる)

『永久凍土でメルトダウンしたフクシマ原発を制御しようとしているとの「目からうろこ」のロシアSputnikの指摘』

日本外国特派員協会で驚愕の記者会見、岡山大学の津田教授の『数十倍多い福島県の甲状腺がん』を今回2月16日付毎日新聞などメジャーな日本国のマスコミも追認するが、実は福島県検討委自身が去年の時点で認めている事実を1年遅れで今回マスコミが報道しただけ。
ただ、この話ですが左翼護憲派が全く騒がない。
左翼や護憲派の知識層が一切沈黙しているか基本的に無視している。この原因ですが、なぜか共産党(赤旗)が無視しているのです。ごく小さく分からない様に書いているだけ。この消極姿勢に影響されたのか、左翼護憲派の反応がきわめて鈍い。
小児甲状腺がんの大量発症では消極的な赤旗ですが、ところが摩訶不思議な(説明されると余計に謎が深まる)フクシマの海側遮水壁とか凍土遮水壁などに関しては他のマスコミよりも格段に詳しいのです。
この凍土遮水壁ですが、目からうろこ。
『岡目八目』とはいうが、ロシアの通信社スプートニクは、永久凍土でフクシマを封じ込めると報じていましたよ。今回のフクシマの『?』報道ですが、多分他の誰よりもシベリアの永久凍土に詳しいロシアの言い分が『正しい』のでしょう。

『一字違いで大違い』

フクシマの意味不明の東電の『凍土壁』の正体ですが、まさに『フクシマを全部凍らしてシベリアにする』との驚愕的な『永久凍土』構想だったのである。
何と今回の報道では、東京電力は公式に『凍結や解凍にに8カ月もかかる』と言い出した。
ところが、これは、今までのマスコミの凍土遮水壁報道とは根本的に話が違うのです。(凍結管の技術そのものはトンネル工事等で普通に利用されている確立した技術体系であり、当たり前ですが数時間で凍らないと話にならない。数日間でも大問題なのに今回のフクシマは8か月である)
単なる『氷の壁』程度ではなくて、今回ロシア人が察知したように、日本のメルトダウン事故を起こした福島第一原発の敷地全体を凍らす(人工的なシベリアの永久凍土)との何とも壮大な構想らしいのですから驚いた。
メルトダウンして原子炉圧力容器を突き抜けて地下に落下した数百トンの超高温の核燃料デブリが5年たった現在でも少しも冷えていないのでしょう。何とも恐ろしい話です。
今回フクシマでは原子力規制委員の更田委員が、今までの『40年廃炉』や『アンダーコントロール』を無視して、原発事故で溶け落ちた核燃料について『取り出すことがよいかも含めて検討する必要がある』と今頃になって言い出している。
原子炉4基が同時に暴走したフクシマではチェルノブイリと同じ石棺化での『核の封印』が出来ない。
ところがフクシマをこのまま放置することは危なすぎてもっと出来ない。
『万事休す。』
空っぽの原子炉圧力容器と何処にあるのかが一切分からない溶解した超高温のウラン核燃料の所在場所。
無い知恵を絞って『現場』の東電や経産省が考え付いたのは、なんとフクシマのシベリア化(永久凍土)とのトンデモナイ構想だったのである。
この『仕方が無い』(石棺化は不可能だが、このままま放置することも出来ない)ので、東電や経産省が進めている凍土壁構想には最初から核の恐ろしさを知っている田中委員長など原子力規制委側が激しく反対していて、完成している現在でも規制委の認可が下りる見込みが立っていない(規制委の認可が無いと運用できない)。



『2020年東京オリンピックは開催できない!』

gooブログの【政治】人気ランキング(集計 : 2016年02月19日)の第三位は『東京オリンピックは開催できない!ドイツ首相、日本は放射能が強すぎ.』「みんなが知るべき情報/今日の物語」訪問者2,380になっている。
当該記事ですが、王冠マークの3のランクの次に『STAY→』と表示されている。
ところが、このグーグル『政治』ランキングに表示されている50番目までにフクシマの放射能を扱ったものは他には何もなし。(『全員が「嘘つき」だった』とのこの記事が8位に入っているが記事タイトルからは放射能もフクシマもない)
『STAY』も『→』も意味は同じで、『居残る』とか『とどまる』など今までと変化がないことを意味している。 『ランキング』なので訪問者数とか順位が『前回の数字と同じである』との意味になるのだが、当該記事は1年も前の記事だし、そもそも前日には50位以内にも入っていないランク外である。この記事ですが今回唐突に突然現れているのですから驚きだ。(本当に『STAY→』なら前日にトップになっている)
グーグルの政治ランキングの表示ですが、直近の1週間以内ではフクシマとか放射能を扱ったものは当『逝きし面影』記事以外、他には一つも50位以内のランキングに入っていないのである。
gooブログの【政治】人気ランキングですが、表示されている50位以内にフクシマの放射能被害を何か『一つだけ入れる』(一つ以上は入れない?)との決まり事でもあるのだろうか。ランキングの数字をグーグルが勝手に操作している疑惑があまりにも濃厚である。
gooブログの【政治】人気ランキングが言うように、本当にランク外から突然3位に躍り出たのなら、『STAY→』ではなくてトンデモナイ『急上昇↑』であるが、当該記事の内容ですがのドイツの諷刺漫画以上の内容な何もない。

東日本大震災の翌日に写真家の石川梵さんが空撮した福島第一原発。(上空からは津波被害が一切わからない)
鮮明な画像から、1号機の排気筒から(ベント作業による超高濃度の放射性汚染物質の大量放出の)白煙が確認できる。この約1時間後に1号機建屋は爆発した=2011年3月12日午後2時40分ごろ

『とうとう、5年ぶりに物凄い写真が出てきた断末魔のフクシマ』 

『ベントの白煙くっきり 写真家・石川梵さん空撮、爆発1時間前の福島第一原発』

2016年2月19日 中日新聞夕刊
東京電力福島第一原発事故で、東電は事故発生翌日の2011年3月12日、1号機の原子炉が破裂しないようベント(排気)を実施した。その様子を写真家の石川梵(ぼん)さんが撮影していた。
本紙に提供された写真を見ると、排気筒から北側に向かって白煙がたなびいている。
1号機は地震や津波に襲われた11日夕の段階で炉心溶融が起きたとされ、炉内の圧力が設計を大きく超える状態になった。
東電は12日午前にベントを試みたが、弁が少ししか開かず失敗。午後二時半ごろに再び試みた。
ベントが成功したかどうかはこれまで敷地南側にあった展望台からのライブカメラの不鮮明な映像や、格納容器の圧力低下で確認できたとされてきたが、ここまで鮮明な写真で確認できたのは初めて。
石川さんは当時、津波で壊滅的被害を受けた宮城県気仙沼市を小型機で撮影した帰りだった。
本紙の取材に「撮影したのは午後2時40分ごろ。気仙沼に向かう時は福島第一原発の様子がおかしいとは思わず、敷地内が津波でやられているとも思わなかった。帰りに排気筒から煙が出ているのを見て、とんでもないことが起きているのではと思い、シャッターを切った」と話した。
1号機の原子炉建屋は、その一時間後の同3時36分、建屋上部にたまったガスにより水素爆発を起こした。

なんとも衝撃的な問題写真だが、挙国一致の日本国のマスコミ全員(大政翼賛会)が一致団結して、『鉄の規律で今まで隠していた』のである。
この写真が5年も経った今頃になって、急に今回(2016年2月19日)公開されたことの方がよほど衝撃的である。(韓国の旅客船セオゥル号沈没と同じで、転覆して5年間も無意味に漂流している日本丸の沈没の時間が刻一刻と迫っているのだろうか)





(資料)『北朝鮮が発射したテポドン2改はミサイルではない』田岡俊次 [軍事ジャーナリスト] 第63回】 2016年2月11日

北朝鮮は2月7日午前9時30分(日本時間)頃、黄海岸の東倉里(トンチャリ)付近の「西海衛星発射場」から、米国が「テポドン2(改)」と仮称しているロケットを発射、北朝鮮中央テレビは午後0時30分、地球観測用の人工衛星「光明星4号」の打ち上げに成功した、と発表した。
米国の戦略軍統合宇宙運用センターも2個の物体が周回軌道に乗り、その1個が衛星、と発表している。「地球観測衛星」すなわち「偵察衛星」がその機能を果たせるか否かはまだ不明ながら、人工衛星が打ち上げられたことは事実のようだ。

弾道ミサイルではなく衛星打ち上げロケットだった
日本では「衛星打ち上げと称する長距離ミサイル発射」という政府の年来の表現に新聞、テレビもそのまま従っているが、現に人工衛星が打ち上げられると「衛星打ち上げと称する長距離ミサイル発射で人工衛星打ち上げに成功」という妙な話になってしまう。
このため、朝日新聞は米戦略軍が7日に人工衛星が軌道に乗ったことを発表していたのを、9日朝刊外報面のすみに1段で「地球周回軌道に2つの物体乗る。米報道、ミサイル発射後」と小さく伝え、8日の読売新聞朝刊も衛星を「搭載物」と書くなど、衛星隠しに努めた。政府の表現に盲従したのは大本営発表を流したのに似ている。
米国などのメディアは「人工衛星打ち上げ用」にも「弾道ミサイル」にも共通する「ロケット」と報じてきた例が多く、その方が正確で無難な表現だ。
北朝鮮は2012年12月12日にも今回と同じコースで人工衛星を打ち上げ、それが周回軌道に乗ったことを北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)が確認していた。打ち上げ自体は成功だが、日本ではこのことが小さくしか報じられなかったため、知らない人がほとんどだ。ただ、この衛星は全く電波を出していない。偵察衛星なら画像をデジタル通信で送る必要があるし、国威発揚なら国歌でも流しつつ周回しそうだが、通信機が故障し制御できないのではと思われる。

今回のロケットは地球を南北方向に周回する「極軌道」に乗るよう、南に向けて発射され、その9分46秒後に高度500km付近で水平に加速して人工衛星を放出している。この飛翔パターンから見て、人工衛星を上げるための発射であったことは疑いの余地がない。長距離弾道ミサイルなら上昇を続けて高度600kmないし1000km付近で頂点に達し、放物線を描いて落下する。
宇宙の状況を監視している米国の戦略軍統合宇宙運用センターは7日「2個の物体が周回軌道に乗り、うち1つは衛星、他の1つは3段目のロケットの燃え殻」と発表し、衛星に「41332」、ロケットに「41333」の認識番号を付けた。
北朝鮮が「光明星4号」と命名したこの衛星は、赤道に対する傾斜角97.5度(ほぼ南北)、高度約500km、1周94分24秒で周回しているとされる。地球は東西方向に自転しているから、南北方向に1日約15周するこの衛星は世界各地の上空を1日1回は通ることになる。だがこの衛星も前回同様、電波を出しておらず、回転している様子で、少なくとも当面、姿勢制御ができていないようだ。
北朝鮮はこれを「地球観測衛星」と称しているが、その軌道や高度は偵察衛星と同じだ。重量は200kg程度と推定されており、それが正しければ大型の望遠鏡を付けたデジタルカメラは積めず、解像力はごく低いだろう。米国の偵察衛星は11tから20tで解像力は10cm程度、日本の情報収集衛星は2~3tで50cmないし1mと推定されている。





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