逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

プリンセス小保方晴子の栄光と蹉跌

2016年07月08日 | 社会
『米誌で読む「STAP細胞」真相(上)小保方さんは「プリンセス晴子」と呼ばれた』2016年07月07日 The Huffington Post Japan

新潮社フォーサイト(新潮社の会員制国際情報サイト)2016年7月5日、アメリカのボストンに2007年から在住する内科医大西睦子氏が日本では報道されていないSTAP騒動の裏側を紹介している。
STAP細胞の論文が科学雑誌ネイチャー(Nature)に初めて掲載されたのが2年半前の2014年1月30日。
ところが、日本中のマスコミは誰も彼も同じように小保方晴子氏らによるノーベル賞級の大発見だと大騒ぎしたから一連の悲喜劇が生まれているが、米国では共著者のハーバード大のチャールズ・バカンティ氏やSTAP細胞のニュースを聞くことはないらしい。
ところが最近日本の一部メディアでハーバード大学が世界各国でSTAP細胞に関する特許申請を行っているというニュースが流れ、これでSTAP細胞の存在が証明され『小保方氏は正しかった』と報じられる。
確かに特許の申請は行われたがハーバード大学ではなくバカンティ氏が論文発表以前の2013年5月25日に行い9月12日には所属していたBWHに譲渡していた。
バカンティ氏は期限付きでハーバード大学医学部関連医療機関ブリガム&ウィメンズ病院(BWH)麻酔科部長(2002~2014)だったが、論文が撤回された1カ月後の2014年8月辞任し、1年間休職すると報じられたが結局、BWHに復職せず現在ハーバードとは無関係。
この特許申請は形式上は現在も審査が続いていることになっているが、米特許商標庁に譲渡の記録があるだけで何の動きもない。しかもバカンティ氏はすでにハーバードを去って論文も撤回。何より世界中の著名な科学者が誰1人再現できないインチキな代物だった。今後この特許申請が通る可能性はほぼゼロである。
米国では今年2月に1度だけ米高級誌ザ・ニューヨーカー(THE NEW YORKER)に、『ストレステスト~幹細胞研究の世界におけるライバル、陰謀、不正』で、バカンティ氏の声を紹介、STAP細胞が改めて注目を集めた。バカンティ氏が公式にメディアで一連の経緯について語ったのは初めてだった。

『STAP細胞の「真の由来」とバカンティBWH麻酔科部長』

約15年前、ボストンにあったバカンティ氏の研究室で、のちにSTAPと呼ばれることになる芽胞様細胞(spore-like cells)仮説が生まれ、生化学分野において有名な学術雑誌『The Journal of Biological Chemistry (細胞生化学)』誌に発表される。
『芽胞様細胞』仮説は、ケガや病気によって活性化するまで休眠していて、ケガや病気で失われた組織を再生する能力をもつと主張したが、学会で『ナンセンスだ』と否定される。
バカンティ氏自身が、『人々は憤慨し、我々は"君たちは狂っている。ジャンクだと分かっているぞ"と言われたんだ』と語り、幹細胞研究者だけではなく、学校の教師である妻を含め、バカンティ氏がなぜこの研究を進めているのか、当時は誰も理解できませんでしたと書いてある。
2002年BWHの麻酔科部長に就任し、大きな組織工学研究室を開設したがストレスによる細胞の変化に関する研究は、バカンティ氏の専門外。ここで芽胞様細胞の研究で素人のバカンティ氏と早稲田大学理工学部の組織工学プロジェクトの才能のある学生だった小保方氏が出会う。
小保方氏が研究室に入ってきた瞬間、バカンティ氏は、彼女は心が広く聡明な女性だと感じたが、同時に懸念も感じた。
『主な懸念は、彼女を信頼できるかどうかということだった』。
その後、小保方氏はバカンティ氏の研究室で、幹細胞の研究に没頭、すべての手技も習得した『黄金の手』をもつ彼女の実験は、すべて上手くいった。『彼女より賢い人に会ったことがありません』。
バカンティ氏は勤勉で、熟練した手技を習得しプリンセス晴子と呼ばれた小保方氏を正式にポスドク(ポストドクター=博士号を取得した研究者)として雇い、実験のデザインをする責任を与えられ、小保方氏は数々の実績で研究室のスタッフらの信用を得たが、逆に、周囲の人間は徐々に彼女の仕事をチェックする必要性を感じなくなっていった。
バカンティ氏と小保方氏は仮説を、『ネイチャー』の論文として受理される共著者として、当時理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)チームリーダーとして、世界初のクローンマウス実現で世界的に高く評価されていた若山照彦氏(現・山梨大学生命環境学部教授)に目をつける。
しかし2012年の春『ネイチャー』に論文を投稿したが却下され、同じ年の秋に同じ分野で山中伸弥氏がノーベル生理学・医学賞を受賞してバカンティ氏らの野心は、ライバルの成功と自らの失敗によってさらに駆り立てられていった。ネイチャーの論文受理には、より知名度の高い共著者を必要としていたのである。
その後ES細胞の第一人者で論文の天才と言われた理研の笹井芳樹によりネイチャーに受理され一躍マスコミの寵児となったプリンセス晴子だが、論文の不正が発覚、以後は笹井氏の自殺や論文の撤回と真っ逆さまに転落する。



『バカンティ氏が基礎科学の研究者ではなくて麻酔科の現役医師だったとの初めての驚愕の報道』

マスコミでは小保方晴子やSTAP細胞のネイチャー論文については散々報道しているが、なぜかこの特許申請の話はほとんど取り上げない。もっと取り上げなかったのが今回明らかになったハーバード大のバカンティの肩書である。
BWH麻酔科部長だったとの事実ですが、驚くべきことに何故か今までマスコミが誰も報じていないのである。
このSTAP騒動でマスコミは、科学とは無関係なプライバシーに関する箸の上げ下ろしのような些細なことまで報じていたのですから、ハーバード大以学外の肩書が無いバカンティの扱いが異様だったが、これはモンゴルの暴れん坊横綱の朝青龍が泥酔して殴ったという『一般人男性』と同じ種類の摩訶不思議。あまりにもマスコミの書き方が不可解すぎるのである。(普通なら会社員とか自営業、あるいは無職など何らかの肩書が付く)
この、マスコミが全員敬遠したらしい『一般人男性』の正体とは日本で一番危険で悪質であると言われている指定暴力団住吉会の下部組織の元暴走族グループ『関東連合』の幹部だった事実が、その後に歌舞伎役者の海老蔵暴行事件や薬物による中毒死の押尾学事件に関連して発覚しているのですから怖ろしい。

『肩書きを「知らないから書かなかった」ではなく、逆に「知っていたから書かなかった」と解釈出来る全員同じ横並びマスコミ報道』

麻酔ですが10万人に1人の割合で死ぬほどの大きな危険性があり『全身麻酔を1回受けると、寿命が6年縮む』との怖ろしい伝説があるくらいだが、実は麻酔が何故人体に対し効くかの科学的な説明は定まっていない。
驚くべき事実があるが、麻酔薬の作用機序、つまり『どのようにして麻酔がかかるのか』、『なぜ麻酔薬を投与されると、人は意識や感覚を失うのか』というメカニズムは、未だに完全には解明されていないのである。
つまり医者たちは『今までも効いてきたから、大丈夫だろう』という経験則にもとづいて、全身麻酔を行っているにすぎない。死に至る失敗例に関しても、正確な原因は藪の中というのが実情であるという。(今まで報道されているバカンティ氏の基礎科学の研究者として不可解な言動も、麻酔科の現役医師としてみればそれほど違和感が無い)



『政治介入と特許利権の呆れたペテンの頭文字だったS・T・A・P(あるいは政治的なトンでも、あっと驚くペテン)』

笹井氏が自殺した後の2014年4月18日毎日新聞で、中村桂子JT生命誌研究館館長(元早稲田大学教授)が『予算の決め方がおかしい』と安倍晋三自民党政権による科学現場(理研)への政治介入を語っている。
文部科学省の担当官がSTAP細胞作成について下村博文文科相に説明すると、どんな政策が出来るかすぐにあげるように言われ、予算獲得のチャンスと思ったとか、安倍晋三首相の意向で小保方氏を政府の総合科学技術会議に呼ぶことも報じられるなどの数々の疑問があるSTAP細胞事件ですが、何より下村文科大臣、山本一太科学技術担当大臣など安倍政権による露骨な政治介入が疑われるのである。
そもそもノーベル賞を取ったiPS細胞の山中伸弥の論文発表など、大手マスコミはベタ記事しか書かない。(大きく報道したのはノーベル賞を取った後からだった)
今回はSTAP細胞が本物だと思った愚かな自民党(安倍晋三)政府が介入したから日本中のマスコミが異様に大きく報道し大騒ぎに発展した。そもそもが安倍政権の勘違いから出発している。
STAPの存在を信じた自民党政府のお馬鹿な下村文科大臣、山本一太科学技術担当大臣の判断が間違っていたのですが、死臭に満ちた第一次安倍政権では良くあったように、第二次安倍内閣でも矢張り同じで大恥をかいたSTAP騒動の収束を良くある手段の『ハラキリ』で解決してしまったのである。
(小泉純一郎首相の秘書官だった飯島勳は、死臭にみちた安倍内閣では『下手を売れば殺される。現職農相の変死で能天気な小池百合子までが震え上がった』と指摘しているが、山本一太まで自分のブログに『自分は痴漢もしないし 自殺もしないから、もしもの時はよろしく』と書いていた)

『ハーバード大学で研究していた大西睦子医師』

2015年7月03日新潮社フォーサイトが示す現実のアメリカの麻薬汚染の実態は凄まじい。
常識有る日本人が読めば到底現実世界の話だとは思えない。もしも2007年からボストンに在住している大西医師の数字が本当ならアメリカは旧約聖書のソドムとゴモラ以上の悪魔が支配する暗黒国家である。
アメリカが旧約聖書の記述のように天罰で(神の怒りで)焼き尽くされることは無いが、間違いなく内部圧力に耐えかねて(市民の怒りにより)近い将来に自ら崩壊する。
トヨタのアメリカ人女性役員が麻薬密輸で逮捕され一躍有名になったアヘンの麻薬成分を合成した『オキシコドン』は、モルヒネよりも強力な鎮痛作用があり、アメリカ国内でも扱いには一定の規制がある。
プリンスやマイケル・ジャクソンの死亡原因だといわれているオキシコドンの過剰摂取によりアメリカでは銃による死亡よりも多い年間16000人以上が死んでいるし、世界中のオキシコドンの消費の8割がアメリカ一国で使われていると言うから無茶苦茶。
今のアメリカの現状ですが交通戦争ならぬ、もはやオキシコドン戦争であるが何故か日本ではその実体が報道されることは無い。
銃規制に反対する圧力団体としての全米ライフル協会の話は日本でも詳しく語られているが、銃以上の死亡者が出ている医療用麻薬による薬物被害に関してマスコミが沈黙している理由はNRA以上に強力な製薬会社や損害保険会社、医療産業の圧力が考えられる。
(アメリカでの銃による死者は年間3万人超だが過半数以上が自殺であり、銃による犯罪や事故での死者数は1万人程度でオキシコドンなど医療麻薬の死者数よりも少ない。)
日本も医療の高度化で医療費が年々拡大してGNPの1割に達しているが、先進国として世界に例を見ない公的医療保険制度が存在しないアメリカの場合は、自由競争の医療費は無限大に拡大してGNPの2割にも達してアメリカ経済を圧迫する。
(アメリカ経済の崩壊を目前にして、公的医療保険創設を公約して当選したオバマ大統領だが草の根宗教右派の頑強な抵抗により目玉だったオバマケアは骨抜きにされる)

『25%の子供が”クスリ"漬けのアメリカ』アメリカ経済ニュースBlog2010年12月29日

WSJによると、アメリカの25%の子供と10代若者が処方箋薬を常時服用しているらしい。さらに、7%が、2つ以上の処方箋薬を服用しているということだ。
ぜんそく、ADHD、うつ、高血圧、精神病、不眠、糖尿病などさまざまな処方箋薬が服用されているようだ。
子供が処方箋薬を服用する怖さは、子供への長期的な副作用について全く知られていないことだ。
Source: WSJ
4人に1人の子供が処方箋薬を常時服用している。
医者のやっている仕事は、薬物で『手っ取り早く』症状をなくすこと。アメリカは、慢性的な『クスリ』の病気に犯されている。
アメリカでは、元気すぎて学校で騒いでADHD(多動性発達障害)と診断される子供は10人に1もいる。ADHDの治療では覚せい剤と同じアドレナリン神経作動薬が使われるが、日本国内でも『NHKクローズアップ現代』2012年6月13日放送でADHD治療薬を飲んだ子供達の重大な副作用が取上げられていた。
逆におとなしすぎる子供はうつ病と診断され『抗うつ薬』が精神科の医師から処方される。
その結果は凄まじく現在は全米人口の8人に1人が常時『抗うつ薬』を服用していて、クスリが切れた途端にゾンビ状態になるという。
これ等のクスリを処方された人々は、自分の意思では最早クスリから離れられないのですから製薬会社の儲けは天井知らずに膨らんでいく。
アメリカの個人破産の原因とは、何と『医療費』なのですから、その凄まじさは想像を絶する。
今のアメリカを救う唯一の処方箋とは公的医療保険の創設なのですが、圧力団体として軍産複合体のNRA以上に強力な、製薬会社や損害保険会社の圧倒的な情報宣伝力が阻んでいる。
今回紹介した大西医師ですが、新潮社フォーサイト記事の前半部分では『日本ももっとオキシコドンを積極的に使え』『少なすぎる』と主張しているのですから恐ろしい。
薬物被害の後半部分とは180度逆さまになっていて『論』としての整合性がゼロ。支離滅裂で無茶苦茶な代物。
可哀想だが多分、脳みそがクスリ漬けで腐っているので合理的な判断がまったく出来ないのか、それとも、アメリカの製薬・医療マフィアが怖いので(オキシコドンの宣伝文句を入れないと)書きたくても何も書けないのである。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 消防署の方から来た!?「東... | トップ | さっぱり盛り上がらない参議... »

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
??? (宗純)
2016-07-11 15:20:22
小保方晴子のファンなのかも知れないが、この記事に対して意味不明の嫌がらせコメントや落書きが続いているが不思議である。

今回の記事の趣旨ですが、ハーバード大以学外の肩書が無いバカンティのマスコミの扱いが異様だった。
これはモンゴルの暴れん坊横綱の朝青龍が泥酔して殴ったという
『一般人男性』と同じ種類の摩訶不思議。
あまりにもマスコミの書き方が不可解すぎるのである。普通なら会社員とか自営業、あるいは無職など何らかの肩書が付く。一般人男性は無い。
そして『ハーバード大のバカンティ』とは
マスコミは、麻酔科の現役医師だった経歴を何故か隠したかったのです。
今回繰り返されるネットウヨの汚い落書き以外にも、
『ネットに情報があるから周知の事実であるとの』との趣旨でコピペが長野県民のHNで送られてくる。
このブログでは日本人の一人とか一科学者とか熊本県民など、個人を特定していないHNでのコメント投稿は不掲載としているのですが、普通に考えれば悪質な印象操作である。
ネットの情報とは、不特定多数が対象のマスコミとは違い、いくら正しくても『知っている人は、知っている』程度の意味しかないのです。
知っている人は知っているが、やはり知らない人は全く知らないので、いくら正しくとも悲しいかな、何の変化も無いのです。
返信する

コメントを投稿

社会」カテゴリの最新記事