逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

世界の原発離れで崩壊寸前の原発メーカーのアレバや東芝

2015年06月02日 | 経済
『フクシマの5年前(2006年)にアメリカのWH(ウエスチング・ハウス)を買収した東芝の粉飾決算疑惑』

『東芝の会計偽装、儲かっているかに見せた罪、』

つまり東芝が会計処理をごまかし、その利益を500億円も水増ししたことが問題になっている。
儲かっていないのに儲かっている、とごまかしたのだ。
(以下読売新聞より引用)
東芝の不適切な会計処理問題で、次世代電力計「スマートメーター」と「ノンストップ自動料金収受システム(ETC)」の二つの新たなインフラ(社会基盤)事業が、現時点で営業利益の水増しが見込まれている約500億円の8割(約400億円)を占めていることがわかった。東芝関係者が19日、明らかにした。
東日本大震災後、主力の原子力発電事業の先行きが不透明となり、新規事業での収益拡大を急いでいたため、受注後のコスト増を決算に反映させなかったとみられる。
東芝は、2012年3月期からの3年間の決算で、修正が必要な受注案件が電力などインフラ3部門で計9件あったと発表している。
(引用終わり)
儲かっていないのに儲かったようにように偽装して税金を多く払ってくれるのだから、結構なことだ、と思いがちだが、じつはそうではない。実際には投資家を欺き、大きな損害を与える。
またとりひき先の信用を欺き、取引銀行に損害を与える。つまり社会的な偽装によって社会に損害を与える。
勿論社員に対しても、長期的には裏切り行為となる。東芝と言えば日本有数の大企業である。会計処理の偽装は国際的な信用問題でもある。
2015-05-20 大槻義彦の叫び

『日本政府(安倍晋三)が東芝の株価下落を必至でくい止める八百長官製相場』

『不自然な株価…絶体絶命の「東芝」支える外資ファンドの正体』

株価沸騰を安倍政権は「アベノミクス効果だ」なんて大威張りだろうが、何やら「官製相場」のにおいもプンプンする。
市場関係者が「不自然」と指摘しているのが東芝の株価だ。
東芝は「第2のオリンパス事件」との声も漏れ始めた不適切会計問題で大揺れ。15年3月期決算が確定できず、6月末までに有価証券報告書が提出できなければ「監理銘柄」や「上場廃止」の可能性もある。
フツーに考えればこのタイミングで東芝株に手を出すのは控えるだろう。
ところが、なぜか大きく値下がりしていない。
「東芝がインフラ関連工事をめぐる不適切な会計処理があったと正式に公表したのは8日。決算公表の延期と期末配当の見送りも決めました。
5年ぶりの無配当ですから市場の衝撃も大きかった。
その上、上場廃止危機ですからね。
ところが株価は直後に80円ほど下がっただけで、ジワジワ回復しているのです」(金融関係者)
一体誰が買っているのかと思ったら、このタイミングで東芝の大株主に名乗り出てきたファンドがあった。
米大手投資会社「ブラックロック」傘下の「ブラックロック・ジャパン」だ。グループ全体で約570兆円を動かす資産運用会社だが、見逃せないのは国内株式の運用比率を12%から25%に引き上げた「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」が国内株式の運用を委託していることだ。
「要するに東芝の暴落を防ぎ、買い支えた陰の主役はGPIFといわれているのです」(前出の金融関係者)
ブラックロックが提出している大量保有報告書を見ると、東芝以外にも、半導体製造で世界最大手の米アプライドマテリアルズとの経営統合が破談になった「東京エレクトロン」などがある。ブラックロックの動きに要注目だ。
2015年5月30日 日刊ゲンダイ
(この記事にあるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は組織のトップである理事長一人の専決処分でアメリカのファンドに一切の運用を委ねると言う非民主的な方法を採用している)

『崩壊するアレバ社:フランス政府、解体案に着手/ルモンド紙』(5月20日) (フランスねこのNews Watching)

フランス原子力業界を代表するアレバ社(注:仏政府が株の87%を所有)は2014年度に48億ユーロ(約6500億円)もの巨大損失を計上。
解体に向けた協議が一気に加速している。
巨大赤字の背景には、ドイツで8基、日本で50基の原子炉が停止するなど、原子力への需要が大きく低下していることに加え、原子力発電の原料となるウラン価格が1ポンド(約450グラム)40ドル(約7500円)まで低下している現状がある。
アレバ社の経営立て直しに向け、フランス政府と産業界は同社の分割・買収案の検討に入った。
フランス最大の電力会社、フランス電力公社(EDF)はアレバ社の原子炉製造・維持管理部門の買収に強い関心を表明。
アレバ社は分社に抵抗を示しているが、フランス政府の幹部らは6月3日、同社の将来について協議を行う予定。
元の記事:「アレバ社の解体が進行中」/ルモンド紙(5月20日)


『実は株価と連動していた内閣支持率』

鳴り物入りのアベノミクスなど安倍晋三首相の経済政策もGDPのマイナス成長が明らかになり、憲法改正や原発再稼動など内政での国民の支持は激減。積極的平和主義などの意味不明の外交政策も支持されていない。
個々の政策では圧倒的に不支持が支持を上回っている。
安倍政権(自民党)ですが、内政も外交安全保障でも支持されていないにもかかわらず、内閣支持率だけは何故か『高さ』をキープしたままなのです。
この不思議の原因ですが『答え』は案外簡単で、そもそも内閣支持率とは株価と密接に連動して動くものなのです。
何と今の安倍晋三は自分から政権を放り出して敵前逃亡した第一次安倍内閣を合算すれば、祖父の岸信介の政権在位記録を超えているのである。
今の安倍内閣の高支持率ですが、まさに株価高騰の賜物であるとしか、説明のし様が無い摩訶不思議な現象なのです。株価が上がれば長期政権になり逆に下がれば短命になる。
(安倍が下痢で首相を辞任したとの説が有力だが、実は原因と結果が逆さまで、第一次安倍内閣当時は『株価が大幅に下落していたので安倍晋三の腹のぐわいが悪くなった』のだと慶応大学経済学部教授の金子勝が指摘している)
歴代政権で、株価の上昇が大きかった首相のトップ3は次の3人である。
1位 中曽根康弘 221.1% 5年間(1982年11月~87年11月)
2位 佐藤栄作  219.7% 7年8カ月間(1964年11月~72年7月)
3位 岸信介   88.0%  3年5カ月間(1957年2月~60年7月)
今の株価は2万円を越えているが、安倍晋三の首相就任直前には7000円台を低迷していたのですから、上げ幅の速度では一位の中曽根康弘の2倍以上なので、現在の内閣の高支持率は当然だった。
(今の日本では『異次元の量的緩和』政策で、明らかな『株価バブル』が発生しているが、実体経済と乖離したバブルは長続きせず必ず崩壊する運命にある)

『多くの日本人が喜んだ小泉政権の「量的金融緩和」政策こそが、その後の日本経済の長期低迷を招いた元凶だった』




『アベノミクスの不思議の正体とは、究極のインサイダー取引(八百長相場)だった』

日本のGDPは人口が3億人を超すアメリカの3分1以下の大きさしかないが、日銀の『異次元の金融緩和』は、FRB(連邦準備制度理事会)のQE(量的金融緩和)と同規模である。
黒田日銀総裁の身の程知らずの大判振る舞いですが、GE3(2012年9月~2013年12月)をはるかに凌ぐ2年以上も続いているのですから不思議だ。
今の2013年からの安倍晋三の『異次元の量的緩和』(アベノミクス)の意味とは、14年前の2001年から始まった小泉純一郎『量的金融緩和』とは別々に生まれた一卵性双生児の関係にある、『桁違いに大きい、劣化コピー』のことだった。(財政ファイナンスを禁じた日銀法第5条は空洞化)
ところがアベノミクスは散々問題としているのに、同じ手品(金融詐欺)を小規模で行った小泉の『量的金融緩和』は誰も注目しない不思議。
そもそも長続きするなど有り得ない瞬間芸の手品とか詐欺かペテンの類であり、持続性は考えておらず、最初から無理なのです。
今でも(低脳右翼はともかく、高学歴の左翼支持層でも)小泉待望論が有るくらいに高すぎる小泉純一郎首相の高支持率も同じ現象で、バブル崩壊後の株価が全般的に下落する中では、唯一といってよいほど小泉政権下で小幅では有るが株価が上昇していた。
(首相在位が2001年4月から2006年9月まで、5年5ヶ月にも及んで小泉マジックですが、これは今のアベノミクスを同じ手法で、日銀がマネタリーベースを3倍増して株価を無理やり吊り上げていた)
小泉が無理やり上げた日本の株価ですが、輪転機をフル回転させた資金の大量放出という日銀の介入が止まれば自動的に下落するのは当然であった。
小泉純一朗の後を継いだ自民党の安倍晋三も麻生太郎も、民主党の鳩山由紀夫も菅直人も野田佳彦も全員が、徐々にではあるが確実に株価が下落するので、日本国首相の椅子が1年程度しか持たないのは当然であった。
何の不思議も無かったのです。
敗戦後の歴代首相在任日数ランキングでは、1位の佐藤榮作が2798日、2位が吉田茂の2616日、3位小泉純一郎1980日、4位中曽根康弘1806日である。
(政権支持率は株価の上下によって決まる。ところが、首相の任期の長短はアメリカの意向によって決まり、長期政権では全員が露骨な対米従属派。対して自主独立指向の首相は国民の人気や実力が抜きん出ていた田中角栄でも短命に終わっている)
マッカーサー元帥(GHQ)の米軍占領下の首相だった外務官僚出身の吉田茂に代表されるように、日本国首相とは『米国の利益代表』としての隠された裏の顔を持っているのである。
それにしても、どれ程大掛かりな詐欺でも世紀のイリュージョンでも、その手品のネタを知ると、余りの子供騙しの馬鹿馬鹿しい仕掛けには呆れるばかりである。

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4 コメント

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日本の破綻は何年後? (コメット)
2015-06-01 12:23:13
昨夜のNHK番組「戦後70年の、、、」のエンディングで、堺屋太一氏と野口悠紀夫氏が「この2~3年が日本の最後のチャンス」と強調しておられました。でも安倍政権が続く限り、最後のチャンスなど生かせそうにありません。沈没する「日本」号から逃げ出す者、「火事場泥棒」をはたらく者、ヤケクソで華々しく散る者、、、。宗純さまのこの記事もそれを裏付けている?
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ゾンビ国家 (宗純)
2015-06-01 16:03:32
コメットさん、コメント有難うございます。

まあ。それにしても堺屋太一氏と野口悠紀夫氏の2人ですが、・・・・
こいつ等ですが間違いなく悪党か低脳の何れか。あるいは両方ですよ。
堺屋太一のほうは新銀行東京の石原慎太郎のについて評価など一分部分では確かに正しいのですよ。ところが大阪の橋下徹の後見人を任じているくらいに入れ込んでいた大馬鹿者。
野口のほうは『逝きし世の面影』では、わざわざ記事まで書いている。この男は間違いなく売国奴の極悪人ですよ。

野口悠紀雄『食料自給率40%の虚構』の虚構(政治的嘘)
2009年09月05日 | 経済
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/d389c39031809bf45a2c351b82acc54e

完璧な経済システムだった江戸幕府の封建制は260年で寿命を迎える。
鉄の規律を誇った大日本帝国ですが1868年から1945年までの77年で寿命が来て大崩壊する。
そして今の日本ですがすでに70年が経過しているが、実は4年前のフクシマで御名御璽。実は死んでいるのだが肝心の本人が気が付かないだけ。異様なハイテンションの安倍晋三ですが、到底今までの常識では理解できないが、『実は死んでいるのがだ、本人だけが、そのことに気が付いていない』とすれば全てが納得する。
日本の破綻ですが、2~3年後では無くて、4年も前に死んでいたのです。多分。
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Unknown (コメット)
2015-06-02 00:46:45
ありがとうございました。堺屋太一と野口悠紀夫の件、恥ずかしながら知りませんでした。日本国、「北斗の拳」の「お前はもう死んでいる」でしたか。そういえばタイトルは「逝きし世、、、」でした。
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賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ (宗純)
2015-06-03 16:12:18
コメットさん、コメント有難う御座います。

有名なドイツの鉄血宰相ビスマルクの言葉なのですが、・・・
今では流石に居なくなったが、敗戦から10年ほどは、
『今度戦争が起きたら、騙されずに上手く立ち回って大儲けするのだ』と真顔で語る困った人たちが大勢いたのです。
1945年8月15日ン玉音放送以前の日本ですが、口では全員が鬼畜米英とか八紘一宇の勇ましいスローガンを叫んでいたが、実は誰も日本が勝つとは思っていなかったのですよ。
ところがうっかり『日本が負ける』などと真実を口にするものは全員で袋叩きにしていたのですが、
薄々全員が日本がアメリカに勝てない(負けている)と知っていたので、賢いものは軍事物資の隠匿など私服を肥やし、この連中が敗戦後には石原慎太郎の太陽の季節に描かれているような富裕層なのです。真面目にルールを守ったのは大損し、ずる賢い悪党が大成功するのが資本主義なのです。
二回目の70年ぶりの日本の敗戦ですが、前よりももっと悲惨な状態になりそうですよ。しかし、前回と日本人の特性はまったく同じで、薄々は負けている事実を知っているのだが、その恐ろしい事実を認めたくないので全員で誤魔化して隠蔽して、先送りしている。
しかし、神風は吹かず、不幸が天文学的に倍加していくさまを無駄に眺めているのは実に悲しく辛い話です。
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