いまミャンマーに来ています。科研費で調査研究に通っているのですが、今回はさらに加えて、メンタル系の学会(4th Myanmar Mental Health Conference)で招待講演を依頼されるということが追加、日本の産業医制度やストレスチェック制度や過重労働対策の長時間残業の医師面談などなど紹介してきました。そしてディナーの席に就くと、この国の保健スポーツ大臣(Myint Htwe氏の隣の隣席でした。招待講演だから上座に通されるまでは想定内でも、大臣と一緒にご飯を食べるというのは想定外ですね。
で、せっかくなので、メンタル系のお話のほかに渡航医学系の話・・・麻疹とジカウイルス感染症・・・をちょっとふってみました。
政権交代で軍出身大臣が退陣するとともに就いた、Johns Hopkinsで学位をとった医師で、かつて17年間保健省に務め引退していたところを新政権に呼び戻されたとのこと。
そんな背景もあり、打てば響くように答がかえってきました。
- ジカウイルス感染症は、臨床症状から疑い例はあった。PCRを実施したが、1例はデング熱、もう1例は(よく聞き取れず)。で、not yetだ。
- 麻疹は先だってもアウトブレイクがあった。ザガイン州。 隣接するインドで流行のものと遺伝子型が一致した。インドから感染症が入ってくることは再々ある(感染症的には、インドはやや迷惑な隣人?)
- 麻疹はワクチンで対策できる。が、国土のなかには非常にアクセスの大変なところがある。
つい先だって日本に行ったということで(神戸の保健大臣会合のことかな)、日本の印象は
- 塩崎厚生労働大臣は非常にナイスである。また、スポーツ大臣にも会ったが(馳?丸川?)気に入った。
- 日本人は名刺を交換する習慣があるね。私の名刺交換するための行列ができたのはとても面白い光景だった、と笑う。かくいう管理人も名刺交換させていただいたのですが、こちらから差し出すと、どこかからかサッとお付きの者が現れて大臣の名刺を渡してくれました(常にじっと見ているのですね)
好々爺とした話しやすい大臣でした。薬指にはすごく高価そうな指輪が印象に。
この国の保健上の問題は(メンタル系含め)的確で、この先、ミャンマーの抱える保健問題が多少なりとも改善してゆくことが期待されます。