麻疹の流行、すでに本州は尾張の国に入っている状況にて今さらですが、なぜ沖縄なのか・・・ これを考察する向きはあまり見かけませんので、ネット内の情報からいくつか思いついたことを独り言です。まあ、今回の騒動とは関連づけず、こんな事もある程度のことで。
1.都道府県別のワクチン接種率
厚生労働省の麻疹HP内、少しわかりにくい処にありますが、1期、2期別に毎年のワクチン接種率を地図で色分けしているページがあります。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou21/dl/170922-01.pdf
何気に眺めてみてはっと気が付くのは、沖縄県だけが、ピンクにも赤にもなったことがない!という事実。すなわち平成24年度以降で90%を超えたことがないことがわかります。沖縄と聞けば、感染症分野ではあの名門病院や輩出したすばらしき先生方のお顔が浮かんだりするのが外部の人間ではありますが、また別の現実もあるようです。
2.Peach CEOのインタビューから連想する好条件
これ、飛行機オタクの人々には印象に残っていることと思いますが(渡航医学が好きな人って、隠れ飛行機オタク結構いるでしょ)、数年ぐらい以前、Peachアビエーションの井上CEOが取材のたびに繰り返し繰り返し言ってた”物語”があります。曰く、
台湾から(Peachに乗って)沖縄の美容院に髪切りに通う人々がいる!
で、こんなLCCの利用法は想定もしていなかった。Peachが新しい需要をどんどん掘り起こしイノベーションを起している・・・と続いて、あちこちのインタビューで繰り返されています。今でも、PeachHPの挨拶にちょっとだけ入っていたりします。
https://corporate.flypeach.com/about/
これは象徴的なことで、沖縄はアジア諸国から見て本州よりも1時間半所要時間が短く(往復で3時間)、インバウンド客にとって本州よりかなり気軽に来れるという条件があります。このCEOの会社、Peachの時刻表で見てみると、台北から日帰りで滞在できる時間は関西空港3時間、成田空港不可能、に対して那覇空港4時間40分。これなら、日帰りで美容院に行くこともグルメを楽しむことも出来ます(もちろん宿泊旅行でも滞在時間が長くとれます)。アジアの人々にとって、その敷居が(我々本州の人間が想像するより)はるかに低いのです。台湾だけじゃなく、たとえばタイのバンコクだってPeachの路線は那覇行きはあれど本州行きは無かったりします。
アジアからみた敷居の低さ、ワクチン接種率の低さ。今後の成りゆきを見てゆくうえで、視点のひとつにはなるでしょう。