2014年の残りわずか。今年の5大ニュースを独断で選んでみました。
みなさまの5大ニュースはいかがでしょうか。
1.エボラ熱EVD
エボラに始まりエボラに暮れた感じの2014年。ギニアの子供の第一例は昨年暮れでしたが、当サイトで取り上げ始めたのが3月から。国内報道では、J-castから取材が入りだしたのが3月ですが、TV・ラジオ・新聞が熱しだしたのは8月あたりからでした。
世間の関心が飛び上ったエポックは、当サイトのpvが跳ね上がった記事は「国境なき医師団の"out of control"宣言」でした(当サイトのpv見る限り、WHOの非常事態宣言よりインパクト強かったもよう)。
管理人的には、文化の衝突(呪いと認識、陰謀論、医療者襲撃、葬祭儀式、当局と衝突etc)、ファビピラビルの復権、搭乗前検疫の開始あたりが高インパクトでした。
2.チクングニヤ熱の100万超え
感染症流行を理由とした国家非常事態宣言(ドミニカ、ジャマイカetc)、同時並行で進行した2014年はつくづくエライ年でした。エボラの陰に隠れましたが、こちらはまったく下火にならず2015年に持越しです。
ヒトスジシマ蚊で媒介ですから、デング熱同様に、ある日突然日本国内autocton⇒報道沸騰ということが起こるのかどうか注目です。
3.デング熱日本国内発生
代々木公園の大騒動。前年の”日本旅行したドイツ人”報告から、想定内とする見方の一方で、それなりの騒動にもなりました。
管理人的には、いま経済界・産業界あげての「チャイナ・プラス・ワン」の動きがこれの一大原因と考えています。経済誌紙を開けば数年前から頻出していたこの単語は、中国進出企業がチャイナリスクの高まりから、まさにデング熱流行地域と重なる東南アジアに大挙して投資先が移動してゆくことをさします。東南アジアの在留邦人数が急増すると同時に、出張者や研修生含め人の流れが激増します。LCCの相次ぐアジア新路線開設やビザ免除も大きいでしょう。こうした流行地のヒトの流れがますます増加する要素ばかりな点からも、来年の蚊シーズンはますますデング熱に悩まされる日本列島と予想します。
4.MERS
2013年から引き続き、今年の前半、EVDの登場まではMERSが間違いなく渡航医学分野の最大テーマでした。サウジアラビアの保健大臣・副大臣のタブル更迭には度胆を抜かれました。インドネシア・マレーシアの飛び火、フィリピン人出稼ぎ看護師の感染など、アジアに入ってきたのも今年の出来事。他方。ラクダ原因説がますます強化され、ラクダミルク禁止など具体的な対策がとられ始めたのは朗報です。
発生自体は続いており、来年の動向に要注目です。
5.鳥インフルエンザ
H5N8が不気味に拡大しているのは今年後半のテーマです。前半はH7N9、逮捕者や名誉の戦死などがエポック。H5N1もエジプトや隣のリビアで目立っています。