[蒲団型]の続き
10.枠蒲団型・各辺分解枠型-蒲団枠の各辺がバラバラな構造をしている太鼓台で、鉢巻蒲団型の改良型として登場したと考えられる。蒲団部の恒常的部材として、それまでの長い鉢巻を四辺に四分割した「改良された鉢巻四辺型」というような太鼓台が出てくる。前4における須々万・熊野・明石穂蓼八幡・奈良南北三条の形がそれである。
・愛媛県長浜町磯崎の「四つ太鼓」
・愛媛県保内町櫛生の「四ツ太鼓」
・観音寺市伊吹島の「ちようさ」
11.枠蒲団型・各段分解枠型 四辺バラバラ蒲団枠が一段作りに発展する。
・倉敷市下津井松島の「千載楽・せんだいろく」
・笠岡市入江の「千載楽・せんだいろく」
・倉敷市玉島柏島の「千載楽・せんだいろく」
・愛媛県中島町津和地島(現・松山市)の「だんじり」
・三原市幸崎町能地の「ふとんだんじり」
・愛媛県魚島(現・上島町)の「だんじり」
・福山市鞆の浦の「ちょうさい」
・広島県倉橋島室尾の「だんじり」
・広島県大崎下島大長(現・呉市)
・愛媛県愛南町福浦
12.反り蒲団型 蒲団の四隅が反り上がった形態のもの。蒲団〆で柔らかい蒲団部全体をしばった際に、跳ね上がる状態をそのまま伝えたものか。
・愛媛県愛南町久良の「四ツ太鼓」
・琴平町の「ちょうさ」
・明石市の「屋台」
・京都府木津市の「御輿太鼓」
・加西市の「屋台」
・高砂市の「屋台」
※現在各地で見られている、祖型的な太鼓台から徐々に発達していったと考えられる太鼓台の形態の概要は、「太鼓台-分岐・発展へ(1)~(5)」のとおりです。勿論まだまだ紹介しきれていない地方の太鼓台も多くあると思いますが、今後のブログの中で追々紹介できればと考えています。
※次の段階として、各地で大切に遺されてきた奉納絵馬などの「絵画史料」を、別稿で紹介したいと思います。写真機などがなかった時代、太鼓台はどのように描かれていたのでしょうか? 大変興味の沸くテーマだと思います。
(終)
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