[蒲団型]続き
9.鉢巻蒲団型-本物蒲団の欠点(長期保管時に形態保持が困難・高価等)を解決する方法を考えると、外観的には「本物蒲団同様」に見せられること、保管上は「省スペース」であること、高価な綿を使わず、身近な藁や籾ガラ・古綿などを代用して「真新しい蒲団」のように拵えられること等が、鉢巻蒲団型の採用に至った経緯ではないかと考えられる。小型太鼓台が主流であった時代には、蒲団部の強度はまだ問題ではなかったと考える。(次の蒲団枠型移行への過渡的存在)
・周南市須々万(すすま)の「揉み山」 4本の藁の棒状であるが、旧態は下写真の種子島の太鼓山のように、1本の長い藁の輪であった。輪に拵えるよりも棒状の方が拵え易い。
・種子島・西之表市の「太鼓山」(古くは「ちょっさー」) 旧態は一回り小型であったと聞く。毎年新しく拵えると聞いた。
・丹後半島の「だんじり」 もみ殻を袋詰めし蒲団に見せている。木箱を巡らす。蒲団中央部はこんもりと作る。(竹籠を伏せている地区もある)
・佐田岬半島・伊方町川之浜の「四ツ太鼓」 丹後と同様な木箱を採用している。蒲団部は両端を縫い合わせ輪状に拵えている。
・たつの市千本の「屋台」 蒲団部の真ん中には木箱が収められている。(2枚目写真。台の箱は使われなくなった以前の木箱)
・愛媛県保内町雨井の「四ツ太鼓」(現・八幡浜市) 美しい鉢巻蒲団型太鼓台。鉢巻・竹籠・箱・密封などが、このカタチの太鼓台の要素。
・三重県熊野市の「よいや」 蒲団部には組み立てる際の工夫が見える。熊野でも籠を使っている。
・明石市・穂蓼八幡神社(ほたで・ほたて-)の「屋台」 蒲団部の中は木箱などを使わず空洞になっている。蒲団締めできつく縛りカタチを整えている。
・奈良市・南北三条太鼓台 明石の屋台に木箱を採用したカタチであろうか。
(終)
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