ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「時をかける少女」'83年版

2020-10-02 15:09:20 | Weblog
(C)KADOKAWA1983 
                  
なぜここで、この映画のレビューなのかと、言われるかもしれないけど、久しぶりに観たら、懐かしかったので、レビューします(^^♪

筒井康隆の同名小説を、先だって逝去された大林宣彦監督が1983年に、原田知世主演で実写化した作品です。当時様々な作品を作っていた、いわゆる、角川映画の一つです。

1972年に「タイムトラベラー」というタイトルでドラマ化されているようですが、「時をかける少女」というタイトルでの映画としては、恐らく一回目の映画ではないかと(違っていたら、ゴメンナサイ)思われます。

原作は、アニメも含むと、今まで9回も映像化されているとのこと。

この作品は、広島県の尾道をメインの舞台にしていて、大林監督の「転校生」「さびしんぼう」と並ぶ“尾道三部作”の一つと呼ばれています。

あらすじ的には、スキーの授業での深町一夫(高柳良一)の出現がまずあるのですが・・・。

ある日、原田知世演ずる高校生の主人公・芳山和子は、放課後の清掃中に、理科実験室の物音を確かめに行った際、割れたフラスコから立ち昇る白い気体を吸い込み、気を失ってしまいます。


一夫と、同級生の堀川吾朗(尾美としのり)によって保健室に運ばれた和子は、程なく意識を取り戻しますが、その時をきっかけに、彼女は時空間を飛び越える“タイム・リープ”の能力を身につけてしまいます・・・。

彼女の「普通の女の子でいたい」という思いとは裏腹に、一瞬、時としては丸一日タイム・リープしてしまい、火事を予見してしまったり、吾朗の危険を察知したり・・。

和子は、あの時の白い気体の香りを思い出します。
そう、それはまさに“ラベンダー”の香りでした・・。


図らずも身に付けてしまったタイム・リープの能力について、途方にくれた和子は、一夫にそのことを打ち明けますが、実は一夫の自宅の温室には、そのラベンダーが栽培されているのでした・・・。

という感じです。。。あとは映画を観てね・・。

この作品、SFとしてだけでなく、主人公・和子の、一夫と吾朗の間で揺れ動く乙女心を丁寧に描いていて、青春映画としても素敵なものがあります。

で、ストーリーも良いのですが、なんつっても映画全編を彩る音楽が素敵!
松任谷正隆さんが手がけているんですが、(エンディング・テーマの「時をかける少女」は、作詞・作曲ユーミンとなっていますが)この尾道を、より趣深く、時としてとても切ない青春物語の舞台に仕上げています。
オープニングの「時をかける少女」という題字からストーリーの最後の部分まで、一度も行ったこともない尾道を、まるで故郷のように感じさせてくれます。。。

主演の原田知世も、まだ新人なので、ちょっと演技にぎこちないところもあるのですが、一生懸命に演じていて、今見ても新鮮な感じがいたします。

ワタシ実は、'83年にリアルタイムで映画館で観たとき、そんなにイイ映画だとは思わなかったのです(エンドロールのNG集もちょっと違和感を感じました)が、時を経て自分が「時を経たオジサン」(?)になってから観直したら、えらく感動した次第であります。

そういう映画もあるんですね(^0_0^)

という事で、「時をかける少女」'83年版のレビューでした。。。




ヒッキー的満足度★★★★☆





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「誰も知らない」

2020-09-23 09:12:53 | Weblog
                     「誰も知らない」 

2004年公開の作品。
是枝監督の作品で、初めて観たのがこの映画です。

劇場公開時は、ポスターは見たことあったんですが、スルーしていて、タイトルもよく知らなかった本作。

観ることになったきっかけは、昨年の秋頃、知人と映画の話になった時に、「日本映画で今まで観た中で、この1本!というのをを選ぶとしたら?」という話題になった時に、知人が選んだのがこの「誰も知らない」でした(ちなみに私は「砂の器」を挙げました)。

「誰も知らない」のことは、しばらく映画から離れていたせいもあって、本当に知らなかったので、「??」状態でしたが、あらすじを聞くと、なかなか良さそうだったのと、「この1本」で選ばれた映画を、恥ずかしながら自分が全く知らなかったので、逆に興味が湧いて、観てみることにいたしました。。。

ちょい、あらすじ・・・。

主人公の少年・明(柳楽優弥)と母親のけい子(YOU)が、とあるアパートへ、引っ越してくる。
近隣へ挨拶する2人であったが、実は引っ越してきたのはこの2人だけではなかった。
荷物のトランクの中から、次男の茂(木村飛影)と、次女のゆき(清水萌々子)が出てくる。
最寄駅の駅前に明は長女の京子(北浦愛)をこっそり迎えにゆく。
けい子の子供は、実は4人いたのである。。。

この家族のルールは、大きな声を出さない。明以外の3人は外やベランダには出ない・・・。
あくまでも、けい子と明の2人だけが住んでいることにする、父親は長期出張でいない、ことにするのだった。。。


この後に作られることになる「万引き家族」もそうなのですが、この「誰も知らない」も、実際に起きた事件を元に作られているとのこと。


茂やゆきが、トランクの中から次々と出てくるシーンは、画面の色合いや、カット割り、および演出などのせいか、ドキュメンタリーの一場面を見ているかのような感覚になります。
リアリティという点で、是枝監督の意図した方法なのだと思われます。

引越ししたばかりの頃の、けい子と子供4人の食事のシーンがあるのですが、ホントに演技とは思えない、アドリブの応酬のような感じがします。
特に次男・茂を演じた木村飛影くんは、家族一の“騒がしやさん”を、これが地なのか何なのか、とても上手く演じています。

この4人の兄弟は、学校には行かせてもらえない状況でした。このあたりのシチュエーションも「万引き家族」と重なるところです。
母親のけい子は言います。学校なんか出なくても、立派になった人は沢山いる。。。

ベランダで、母親のけい子が明に「お母さん、今、好きな人がいるの」ともらすと、明が「またぁ・・。」とぼやくシーンがあります。

そうです、この4人の兄弟姉妹は、それぞれ父親が違うのでした・・。

そしてほどなく、母親のけい子が、現金を幾ばくか置いて、姿を消します。

その後一度だけ戻ってきて、以降、けい子は本当に帰って来なくなってしまいます。“影に男あり”です。

子供4人のサバイバル生活が、始まります。

光熱費、家賃、食費・・・長男の明がなんとか切り盛りしますが、母親が置いていった幾ばくかのお金では、そう長くはもちません・・。

明が、男親たちを訪ねるシークエンスがありますが、もらえたのは、たったの数千円と「ゆきちゃんは、俺の子供じゃないぞ、あのときはちゃんと避妊してたからな」のような無責任な言葉でした。
私を含め、こーゆーとき、男って、ダメなのね・・(T_T)

そしてそのうち、ガス、電気、水道までが、止められてしまいます・・。

まさに「息もつまる」状態。

兄弟のあいだにも、ストレスが溜まっていきます。明が、茂にキレて怒鳴りつける一幕も・・。

しかし、こういう苦しいシチュエーションに置かれても、明くんは色々、生きていく術を探して、実行してゆくから、バイタリティあるなぁ!と、思いました。

洗濯や、お風呂がわりに身体を洗うのは、公園の水道を使い、食べ物は、いつも立ち寄っているコンビニの裏口で、賞味期限切れのものを、店員のお兄さん(加瀬亮)からこっそりもらったり。。。飲み水は同じく公園の水道からペットボトルに入れて、アパートへ持ち帰り、電気の通じていない冷蔵庫に保管します。。。

陰湿なイジメにあい、学校へ通えなくなった高校生・紗希(韓英恵)が、ひょんなことから、明たちと交流することになります。
紗希も、明たちも、理由は異なれど、同じ「学校へ通えない」という点で、何か通ずるものがあったのかもしれません。


しかし、このような状態になったら、普通は、区役所や福祉事務所もしくは警察などに助けを求めるのが、常道だと思うのですが、明くんは、そういうところに行くと、「兄弟4人一緒に住めなくなる」という理由で、行かずに、4人でなんとかしよう、と頑張るのです(T_T)

末っ子のゆきちゃんが、自分の誕生日だから、お母さん絶対戻ってくる、と言ってきかないシーンがあります。
明くんが、夜の道を駅まで、ゆきを連れて行き、戻る途中で、夜空を走る羽田空港行きのモノレールを見上げるシーンが印象的です。
明くんはゆきちゃんに、「あれは羽田空港まで行くんだ。ゆきも今度モノレール乗って、飛行機見に行こうな」と。。。

コンビニの店員さんで、明を、万引きの容疑から救ってくれて、それ以降も要所要所で明たちのことを気にかけてくれた女性(タテタカコ)の存在も忘れることができません。


物語は、終盤で悲しい別れが訪れます。
事実としては、やるせない気持ちになってしまいます。。。
しかし、それからもまた、明くんたちの生活は続きます。。。

この作品を「この一本」で薦めてくれた知人の、どれ程まで私はこの映画を理解出来たかは、わかりませんが、新たな映像表現のスタイルと、新しいメッセージの発信のしかたを、知るきっかけになったのではないかと思います。

今後も是枝監督の作品で未見のものを、観ていきたいと思っております。。。





ヒッキー的満足度★★★★







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「万引き家族」

2020-09-15 14:51:38 | Weblog
                       「万引き家族」


是枝監督の作品を観るのは「誰も知らない」に続き、2作目。

本作が国内外で高い評価を得て、数々の賞を受賞しているのは知っていたので、観る側としては、ちょっとハードルが高くなってしまうのは、いたし方なし。

ちょい、あらすじ。。。

柴田治(リリー・フランキー)と、その妻の信代(安藤サクラ)、信代の妹(?)である亜紀(松岡茉優)、治と信代の息子のような(?)男の子・祥太(城桧吏)、そして治の母(?)である初江(樹木希林)。この5人は、下町のビルとビルの間に取り残された、廃屋のような一軒家に住んでいる。。。

一家は治の日雇いの仕事と、信代のクリーニング店での仕事、初江の年金、そして・・・治と祥太がタッグを組んで行う「万引き」で生計を立てていた。。。

お世辞にも豊かとは言い難い家計だったが、何故かいつも温かい空気がこの家族を包んでいた。。。

そんなある寒い夜、万引きを無事に(?)終えた治と祥太が歩いていると、とあるアパートの階段の下で、ひとりの少女(佐々木みゆ)が震えているのを見つける。。。


取るものとりあえず、厳寒の中、見捨てていくわけにもいかず、治と祥太は、少女を家に連れてくることに。。。

最初は、すぐ帰さないと、誘拐になっちゃうよと言っていた信代は、食事のあと眠った少女を背負って、治と一緒に、少女がいたアパートに近づくと、その部屋からはDVと思われる男女の諍う大声が聞こえてきた・・・。


この作品は、実際にあった事件を元に、作られているとのこと。

リリー・フランキーが、イイっす。
ちょっと頼りなさげで、ちょっとおしゃべりで、実はちょっと優しい、治のキャラクターを、ちょっと巻き舌で、上手く演じています。
彼の出演作は「ぐるりのこと」しか観たことないんですが、本作の治役はとてもイイっす。
もっと最優秀主演男優賞とかもらってもいいのになぁ、と思いました。

そして、安藤サクラ。イイですね(^^♪
彼女の出演作は「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」「俺たちに明日はないッス」くらいしか観たことないのですが(朝ドラもあまり見ていませんで、失礼いたしました(T_T))、彼女の持ってるタイム感というか、演技なのか素なのか判らないような空気みたいなものが、この作品にハマっていました。


樹木希林さん演ずる初江も、存在感たっぷりです。
パチンコ屋で隣の席の人のパチンコ玉を箱ごとくすねたり、亡き夫と後妻との間にできた息子夫婦を、夫の月命日に訪ねては、お金を貰ったり、それとなく初江の転居を勧めに来る、元地上げ屋には「あたしがここ出ると、あんたいくら貰えんだ?」と、ドスの利いた声で尋ねたり・・・なかなかタフなキャラクターです。。。

松岡茉優が、信代の腹違いの妹という設定で、亜紀という風俗店で働く女の子を演じているのですが、ワタシこのレビューを書くまで、彼女が「蜜蜂と遠雷」の栄伝亜夜を演じていた女優さんだということに、恥ずかしながら気が付きませんでした(+o+)失礼いたしました(汗)!
「蜜蜂と~・・」のレビューにも書いたのですが、栄伝亜夜役の時は、正直、自分的にはちょっとしっくりこなかったのですが、本作の亜紀役はとても魅力的です(^^♪
ストーリー半ばで、お店でよく来てくれる4番さん(池松壮亮)にひざ枕するシーンがありますが、彼を抱きしめた時に、その優しさと温もりが伝わって来るようでした。泣けます(T_T)


ストーリーでは連れてきた女の子に「りん」と名付けて、一緒に暮らすことになるのですが、このりんは、どうやら自宅でDVを受けていたと思われるやけどの跡などが・・。

この、りんを演じた佐々木みゆの表現力には驚きです。
オーバーな表情の変化は見せないのですが、ふっと、不安になったとき、あるいは何かを、思い出しているとき、ふっとその表情が微妙に変わる・・。

かつて「クレイマー、クレイマー」という映画で、父(ダスティン・ホフマン)と母(メリル・ストリープ)の親権争いのはざまに置かれた少年・ビリーを演じたジャスティン・ヘンリーが、ホフマンをして「小さなマーロン・ブランド」と言わしめて高い評価を得ましたが、本作の佐々木みゆの演技はそれに匹敵するものがあるのでは、と、思いました。
演出する側も、どうやって演出したんだろう??


治とタッグを組んで、飄々とポーカーフェイスで万引きをやってのける、城桧吏演ずる祥太。「家で勉強できない奴が、学校へ行くんだ」と、クールに言ってのけますが、思春期が近いのか、万引きをすることに、徐々に疑問を持つようになっていきます。。。


近所の駄菓子屋で、りんが、いつもの祥太の真似をして万引きをすると、後ろから店主(柄本明)が祥太に声をかけるシーンが印象的です。人の温かみに触れる一幕です。

ストーリーは初江が亡くなって、急速に進展してゆきます。火葬する費用もないので、庭に穴を掘って埋めたのですが・・・。

祥太が万引きで逃走中に脚を骨折し、警察が介入してきて、すべてがバレてしまいます。
治と信代の関係も、祥太のことも、りんのことも・・・。

取調べ室での信代と警察官(池脇千鶴)とのやりとりに、この映画のフォーカスが合っているような気がしました。

治と祥太の二人が訪ねた、刑務所の面会室での信代の笑顔が、どこか清々しくて、とても印象的でした。

そして、親の元に戻され、一人遊びをしていて、ふと遠くを見つめた、りんは何をつぶやいたのでしょうか。。。




ヒッキー的満足度★★★★☆






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「がんばって いきまっしょい」再び・・・

2020-09-02 05:42:08 | Weblog
                      「がんばって いきまっしょい」


敷村良子さんの原作を読む機会があり、映画もDVDを購入して、久しぶりに観てみました。

前の記事と重複するところあるので、お許しを・・。

この映画は、愛媛県・松山市が舞台になっています。
伊予東高のボート部でのエピソードを描いているのですが、モデルとなったのは、原作者の敷村さんが卒業した松山東高であるとのこと。原作では松山東高のまま登場します。

ちょい、あらすじ・・・。

主人公である悦子(田中麗奈)は、東高の合格発表があっても、これからどういう風になっていくのか、リアリティのないまま。「家出」と称し、海へやってくる。防波堤に座り、海を眺めていると、どこかの学校のボートが通り過ぎる。。。悦子とボートとの出会いであった。

このあと悦子は、学校のボート部の勧誘に、入部したい旨を伝えるが、女子の部は無いんじゃ、と先輩は申し訳なさそうに。。。
それでも諦めきれない悦子はひらめく。
無かったら、作ればええんじゃ!

顧問の先生が言うには、女子ボートであるのは、漕ぎ手4人、舵をとるコックス1人、という編成の「ナックル・フォア」という競技だけ。最低あと4人が必要だった。。。


そこから悦子の部員勧誘が始まるのですが、ここで出てくる、学生たちが学校帰りに寄るお店が、喫茶店ではなく「鍋焼きうどん」屋さんというのが何度見ても新鮮な驚きです。しかも、このシーンで悦子は鍋焼きうどんをおかわりする様子が描かれています(別におかわりしてもいいのですが)。舞台設定が1976年なので、この頃そういう学生文化があった(今でもあるのかな?)のでしょうね。とても興味深いシーンの一つです。

そしてなんとか集めた部員で、女子ボート部がスタートするのですが、そこで思いがけず、保育園の頃からの幼馴染で「天敵」である男子、関野ブー(松尾政寿)と遭遇します。入学したときにすでに見かけてはいたのですが、小さい頃太っていたブーは、カッコイイ青年になっていました。。。

この映画は、物語の時代設定が1970年代中盤から後半あたりの高校生ということで、私より少しお兄さん、お姉さんたちのお話で、前にも書いたのですが、「ベルばら」や「共通一次」など、懐かしい言葉が随所に出てきて、映画「世界の中心で愛をさけぶ」でもそうだったのですが、なにかあの頃にタイム・リープしているような気分にさせてくれます。

悦子役の田中麗奈は、勝気で一本気それでいて純粋なキャラクターを感情豊かに演じて、はまり役でした。公開された年のいろんな賞をもらったのも頷けます。

集まった部員である、ダッコ(真野きりな)、ヒメ(清水真実)、リー(葵若菜)、そしてイモッチ(久積絵夢)、それぞれもキャラクターが立っていて、素敵でした。

落ち着いていて優しい感じのリーは、合宿で料理をしながら身の上を悦子に伝えます。

コックス担当である小柄なヒメの「スパート!」の絶叫は、レースの緊迫感をいやが上にも煽ります。

ちょっとズレているイモッチと、クールなダッコとの掛け合いは、漫才を見ているようで、ストーリーに朗らかな笑いをあたえてくれます。

ストーリー途中から、中嶋朋子演ずる入江コーチが登場します。全日本選手権に出場経験のある元コックスという設定で。
このキャラクターは、実は原作には出てきません。この映画のためのキャラクターだと思います(原作でもコーチは登場しますが、別のキャラクターです)。
中嶋朋子が、気だるく、どことなくやる気のないコーチ役を好演しています。

悦子が貧血で倒れたあと、関野ブーが帰り道を、悦子を自転車の後ろに乗せて帰るシーンが印象的です。
今ではとんと見かけなくなった、自転車の二人乗り。かつての、青春の必須アイテムかも知れません(^^♪

そしてこの作品の魅力を高めているものの一つに、ストーリー随所に流れる音楽、その中でも、リーチェ(with penguins)というアーティストが歌う英詞の曲「オギヨディオラ」があります。
この歌は、悦子、ダッコ、ヒメ、リー、イモッチたちが駆け抜けた時代と、今の時代との時の隔たりを、いい意味で、ノスタルジックに観る者に感じさせてくれます。とても素敵な歌です。
“オギヨディオラ”とは、韓国の言葉で、船頭さんが船を漕ぐときの、かけ声なんだそうです。。。

この映画を観ると、まるでこのストーリーを主人公たちといっしょに過ごしたような、気持ちになります。
いつか機会があったら、松山を訪れてみたいと、思っております。
鍋焼きうどん屋さん、まだあるかな。。。(^^♪





ヒッキー的満足度★★★★☆






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「日日是好日」

2020-08-26 11:03:24 | Weblog

                      「日日是好日」


劇場公開時に観たかったのですが、見逃してしまった本作を、ようやく観ることができました。

観たかったのは、「あん」での樹木希林さんがとても素晴らしかったので、本作も是非と思ったのと。。。え~、私の好きな多部未華子さんが出ているので、でした(そこかいな)

ちょい、あらすじ。。。

主人公である典子(黒木華)は二十歳の大学生。
ひょんなことから、典子は、同い年の従姉妹である美智子(多部未華子)と一緒に、「お茶」を習うことになった。

“武田のおばさん”と呼ばれている、武田先生(樹木希林)は、「タダモノではない」というウワサだった。

武田先生は、「お茶は、最初に形を作って。あとから心が入ります」と。
美智子の、それは形式主義ではないか、というツッコミに、先生も少々困惑気味。。。
そんな「お茶」のスタートだった。

やがて、季節は巡り、美智子は大学卒業後、貿易商社に3年ほど勤めた後、退職して地元へ戻り、結婚。母になる。

典子は出版社のアルバイトをしながら「お茶」を続け、三十代に。フリーライターとして仕事をしながら、長年付き合ってきた彼と、間もなく結婚するところまでたどり着くのだが。。。


その季節、季節ごとに、「お茶」のシーンが。夏は夏のお茶、冬は冬のお茶。
お茶をやったことがない私には、五感を研ぎ澄ませないと(それでも研ぎ澄めない(?)んですが(汗))、映画に置いていかれるようで、大変だったです(苦笑)

主人公の典子が、少しずつ少しずつ「お茶」を好きになってゆく過程が、丁寧に描かれます。

新年のお茶の集まり(正式名称が判らなくてすみません)での、出席者の座る場所の取り合いのシーンは、思わずちょっと含み笑いしてしまいました。皆さんやはり上座(?)へ座るのを遠慮なさるんですね。薦められて遠慮しつつそこに座った方は「ふつつかながら・・・」というご挨拶。思いがけず楽しい一幕でした。

樹木希林さん演ずる武田先生の「いつ辞めてもいいじゃない。ただ美味しいお茶を飲みに来るだけでもいいじゃないの。」という言葉が身に沁みます。

武田先生が、ひとり縁側でコーヒーをドリップしている姿は、不思議な感覚を呼び起こします。

ー世の中には、すぐわかるものと、すぐわからないものの2種類がある。すぐにわからないものは、長い時間をかけて、少しずつわかってくるー

フェリーニの「道」という映画になぞらえて、この作品のテーマであろうセンテンスが、典子の心の声として聴こえてきます。

ー毎年同じことが、できるしあわせー

武田先生の言葉が、逝去された樹木希林さんが残したメッセージのように、感じられました。

機会があったら、森下典子さんの原作も、読んでみようと思います。






ヒッキー的満足度★★★★







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バドミントン・タカマツペア解散

2020-08-22 08:59:10 | Weblog
バドミントン・リオ・デ・ジャネイロ五輪・金メダリストの高橋礼華&松友美佐紀ペアの解散が決まった。

高橋選手は8月いっぱいで現役を引退、松友選手は今までも並行してやっていたミックスダブルスに専念するかたちとなる。

バドミントン・タカマツペア、リオ五輪金の記念日に涙の解散会見

★チャンネル登録:https://goo.gl/U4Waal

リオ五輪(2016年)のバドミントン女子ダブルスで金メダルを獲得した「タカマ...

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10年程前までのバドミントン、とりわけ女子ダブルスは、ランキング上位をほぼ中国のペアが占めていた。圧倒的な強さの、「壁」だった。
その「壁」を乗り越えようと、多くの日本のペアが苦心惨憺していた。小椋&塩田、末綱&前田、藤井&垣岩。。。中島慶コーチのもと、徐々に世界に通用する女子ダブルスのかたちが見え始めてきた。そこから、抜群のコンビネーションと、前衛の読みの鋭さ、思い切りのいい、時としてトリッキーでもあるネット前の飛びつき、そして後衛からの力強く重いスマッシュなどで頭角をあらわしたのが、日本ユニシス所属の高橋礼華&松友美佐紀ペアだった。

世界で上にゆく、とりわけ中国という「壁」を克服するために、繰り返し練習したのが「攻撃的レシーブ」というものらしい。
私はちょっとしかバドミントンをやったことがないので、上手に説明できないが、レシーブする際に、シャトルを相手コートの充分後ろの方まで返す、ものらしい。
前に返すといきなり叩かれるので、それを避けるのと、後ろまで届けば、逆に相手が甘いクリアを打ってくれる可能性があり、それを叩ける、ということか。


そして2014ジャパンオープン、スーパーシリーズファイナルズで初優勝。世界ランキングも1位となり、2016全英オープン優勝。そしてその年のリオ五輪で、決勝フルセット終盤デンマークのペアにリードを許しながら、最後、逆転で日本バドミントン界初の金メダルを獲得した。

世界ランキングも1位をキープし続け(一時、松友選手の怪我などもあって、下がったこともあったが)、2017年10月に陳清晨&賈一凡(中国)に明け渡すまで、長きに渡って首位の座にあった。


リオ五輪後、トップを極めたことで、その後の目標やモチベーションをキープするのに苦心したようだが、オリンピック2連覇という目標を決めてからは、BWFのツアーやアジア大会などでも元気に活躍する姿があって、前身がスーパーシリーズファイナルであった、ワールドツアーファイナルでも優勝するなど、タカマツペアのファンとしては、ガンバレー(^^♪!!という感じだったのだが、オリンピック・レースに入ってから、調子がいまひとつだったようで。。。まぁ、あれだけの数の海外ツアーや、SJリーグなんかもあって、体力、気力的にキツかったんでしょうね~(T▽T)それにコロナでオリンピック延期になっちゃうし。


タカマツのファンとしては、もうタカマツペアとしてはおそらく試合は見れないんだろうなと思うと、残念でなりません(T▽T)

男子シングルスの桃田選手もさることながら、日本のバドミントン界を現在まで引っ張りあげて来たのは、少なからずタカマツペアの功績も大きいのではと思われます。

高橋選手、本当にお疲れ様でした。少し休まれて、また違うかたちで、活躍されることを、心より期待いたしております(^^♪

松友選手、今後はミックスダブルスに専念されるとのこと、いつまでも応援いたしますので、頑張ってください(^^♪

そしてタカマツペアの解散後は、フクヒロペア、ナガマツペア、加えて志田&松山ペア、櫻本&高畑ペア、米元&田中ペア、に頑張っていただきましょう!!

以上、タカマツペア解散が残念でならないヒッキーでした。。。









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「あん」

2020-08-17 19:01:20 | Weblog
                        「あん」


映画公開時に新宿の映画館で観て、先日Amazonの配信でもう一度観ました。

ちょい、あらすじ・・・

千太郎(永瀬正敏)は、どら焼き屋「どら春」の店主。といってもほかに使用人はいない。一人でどら焼きを焼いている。
特に甘党という訳でもなく、どちらかといえばお酒好きである彼は、ある事情で、この店の店主になった。

とある日、ひとりの年配の女性が店にやって来る。吉井徳江と名乗るその女性(樹木希林)は、アルバイト募集のはり紙を見て、ここで働きたい旨を伝えて、自分で作ったという粒あんを置いて帰る。

千太郎は一度はゴミ箱に入れ物ごと放り込むが、ふと思い直して、その粒あんを口にしてみた。
驚きだった。
いま、この店で入れているあんとは別格。
千太郎はその絶妙の粒あんを置いて帰った徳江に、どら春で粒あんを作ってもらうことに決める。。。

人は多かれ少なかれ、それぞれ、他の人には言えない事情をかかえて生きているものだろう。
この映画に描かれる徳江や千太郎も。

物語後半で、徳江が語る、「自分に非がないつもりで生きていても、世間の無理解に押しつぶされてしまうことがある」という言葉が胸を突く。

この作品は、重いテーマを扱いながらも、千太郎と徳江の店でのやり取りは、時として軽妙で、観ている方も心和むシーンがいくつもある。

どら春のお客さんのひとりで、カナリアを飼っている中学生ワカナ(内田伽羅)というキャラクターも、透明感があって不思議な魅力だ。

あと、浅田美代子が、どら春の先代の奥さん役で出てくるが、「赤い文化住宅の初子」でもそうだったが、大変な役を演じきっていることも記憶に留めたい。

折に触れ、また観てみようと思っている映画です。



ヒッキー的満足度★★★★☆







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「蜜蜂と遠雷」

2019-10-24 13:49:38 | Weblog

                     「蜜蜂と遠雷」
ユナイテッドシネマとしまえんにて。

約5年ぶりの投稿となりました(≧◇≦)

本作を観ようと思ったのは、恩田陸の原作を読んで、「これは映画化する時、どうするんだろう??」と思っていたら、「映画化決定!」となり、興味津々となっていたことと、恩田陸さんの作品に、私の好きな多部未華子さんが出演していた「夜のピクニック」を観て以来、何冊か小説を読む機会があり、恩田ワールドのファンになっているこのごろだったので、映画館へ行ってみました。

ネタバレあります。

この原作を読み終えるの、正直とても時間がかかりました((+_+))クラシック音楽の専門用語や曲の名前?作曲者の名前、コンテスタントたちのパフォーマンスを形容する文章など、普段クラシック音楽を聴かない私には、キャパオーバーで大変でした。

苦労して原作読み終えたから、映画化されたら絶対観に行こう!と決めていました。

映画を観て、まず思ったのは、「奏」というキャラクターが出てこない、でした。主人公の一人である栄伝亜夜の親友です。まぁ、あれだけの情報量の映画化なので、どこかが省略されるのは、仕方なし。。という感じで、ちょっと残念でした。

栄伝亜夜はかつて子供の頃「天才ピアニスト」として、母親と二人でリサイタルを各地で行っているのですが、突然母親が亡くなってしまいます。母亡き後、ピアノを弾く意味が判らなくなった亜夜は、あるリサイタルの会場のピアノの前で、曲を弾かずに、舞台袖に戻ってしまいます。いわゆるドタキャンです。それ以来十数年程の間、亜夜はクラシック音楽の世界には存在しませんでした。

その栄伝亜夜(松岡茉優)が、第六回芳ヶ江国際ピアノコンクールに帰って来ます。。

そしてそのコンクールに年令制限ギリギリで挑戦してくる高嶋明石(松坂桃李)

養蜂家の父との移動生活をしていて、偉大なる亡きユウジ・フォン=ホフマンからの推薦状を持った風雲児、風間塵(鈴鹿央士)

亜夜の幼いころのピアノを一緒に弾いたアメリカからのピアニスト、マサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)

この四人を中心に繰り広げられる、コンクール第一次予選、第二次予選、第三次予選、そして本選、の観ているこちらが圧倒されるようなパフォーマンスの数々は、思わず目が点に(・o・)

クラシック音楽は正直言ってどれが上手くて、どれがよくないとか全然わからないのですが、エンターテインメント的に見ても、この四人の演奏けっこう鳥肌ものかも(特に風間塵のプレイ!)

審査員の一人、嵯峨三枝子を演じた斉藤由貴は意外なキャスティングでしたが、彼女がタバコを吸うシーンがリアリティあって、スモーカーの私も思わずタバコを吸いたくなりました(苦笑)

個人的には、栄伝亜夜は松岡茉優う~んどうかなぁって感じでしたが、人は好きずき、丸井は月々(?)なので。。。

異空間にいるような、楽しい2時間でした。。。


ひきばっち的満足度★★★☆






つらい腰痛・肩こり・頭痛など、スタッフが全力でサポートします。
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「永遠の0」

2014-02-16 11:00:50 | Weblog
                                    「永遠の0」

TOKYO FMのラジオ番組で、桑田佳祐さんが本作について触れていたのを聴き、久しぶりに劇場で映画を観ることに致しました。。。

ネタバレあります。。。
司法試験に落ちて、自分の生き方に迷っている青年・健太郎(三浦春馬)は、祖母・松乃の葬儀の日に、それまで知らされなかった事実を知ります。
それは、彼と祖父・賢一郎(夏八木勲)の間には血のつながりが無く、“血縁上の祖父”が別にいること。。。
そしてその本当の祖父は、太平洋戦争で零戦のパイロットとして戦い、終戦間近の昭和20年に特攻隊として出撃し、戦死していたこと。。。

このあと健太郎と姉の慶子(吹石一恵)が、その祖父・宮部久蔵(岡田准一)はどんな人物だったか、何故終戦間近に特攻を志願したのか。。。その人物像にせまるべく、生前の祖父を知る人々を訪ねてゆくことのなるのですが。。。訪ねゆく先々で待っていた、祖父へ投げかけられる言葉は、「海軍一の臆病者」という辛辣なものばかりでした。。。


この作品は、健太郎が生きる現代と、久蔵が生きた太平洋戦争の時代とを、回想録のような形で繋いでゆきます。
それがゆえに、戦時中のみを描くよりも、より振幅が大きく強烈なインパクトで観る者の心を打つのでしょう。

久蔵は“生きること”に執着します。“最後まで生き延びる努力をする”ことを部下に叩き込みます。
“敵と戦い華々しく散る”ことが旨とされていた時代にあっては、久蔵の考えは受け入れられ難いものだったのでしょう。

そんな久蔵の考え方や行動を苦々しく見ていた一人の零戦パイロットが登場します。新井浩文演ずる景浦です(現代は田中泯が演じています)。
景浦は久蔵に模擬戦闘訓練を何度となく申し入れ、ある日ついに景浦と久蔵の乗った2機は模擬空中戦状態になります。ここで景浦は、久蔵の驚くべき機体操縦能力に直面し、「宮部(久蔵)はただ乱戦を逃げているだけの男ではない」ことを痛感ー進退窮まり思い余った景浦は訓練で絶対やってはいけない「実弾」を宮部機に向けて放ってしまいます・・・。
景浦が掃射した弾丸は宮部機を逸れ、大事には至りませんでしたが、その日から景浦にとって宮部久蔵は憎しみの対象から、“いつの日か宮部に”というライバルに変わったのであります・・・。

この景浦が、後に久蔵が特攻出撃する沖縄戦で、護衛・戦果確認機に搭乗することになります。

それにしても、新井浩文さんて、存在感のあるイイ俳優さんですね。。。

「海軍一の臆病者」と呼ばれてもなお、“生きて帰ること”そして“部下を生きて帰すこと”に執着した久蔵でしたが、昭和20年、「特攻隊」として若い命を散らせて行く仲間の護衛・戦果確認を任されてから苦悶の日々が続きます・・・。

そんなシークエンスと前後して、健太郎が参加する現代の合コンのシーンが挿入されます。ここでの若者たちの会話が、戦時中に特攻などで死んでいった若者たちの想いとの距離感を強めます。
「私たちには、関係ないし・・・」という女の子のセリフが突き刺さるようです。


そして時は終戦間近・・・特攻を志願した久蔵が河原で、同じ特攻志願の若者と語らうシークエンスがあります。
「未来の日本はどうなっているのでしょうね・・」と語る笑顔に胸が締めつけられる思いでした。

宮部久蔵機はその若者の乗るゼロ戦と、護衛の景浦機に別れを告げます。
夏八木勲さん演ずる賢一郎が、戦争、そして“生き残る”とはどういうことか、を語る姿が印象的でした・・。
久しぶりに映画を観て涙が出ました。

現代を生きる自分の生き方に、“本当にそれでいいのか”という疑問を投げかけてくれる、そんな厳しく、そして素敵な映画でした・・・。




ひきばっち的満足度★★★★☆





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「太陽の帝国」

2013-12-13 15:24:04 | Weblog
                               「太陽の帝国」

いつか観ようと思いつつ、機会がなかった本作なのですが、友人が本作を高く評価しているのを知りまして、ようやく観てみました。

ネタバレあります。。。
本作の冒頭の舞台は1941年、日中戦争下の中華民国・上海です。
イギリス租界地で父母からの愛情を受けながら、何不自由無く育った零戦好きの“イングリッシュ・ボーイ”である主人公ジェイミー<ジム>(なんと、若かりしクリスチャン・ベイル!)

そんなジム少年ですが、日英が戦争を始め、避難民の大混乱の中、彼は両親とはぐれてしまいます。。。
中国人の男に目をつけられて、上海の街中を逃げ回っている時(ここのシークエンスで映る上海の路地裏や商店が立ち並ぶ小路などは趣深いものがあります)不良アメリカ人のベイシー(ジョン・マルコヴィッチ)に助けられます。。。

ここからジムのサバイバル生活が始まります。
一時的に集められた外国人収容所から、蘇州の収容所へ。。。
この蘇州の収容所は飛行場のすぐ横にあったため、ジムはそこで零戦と接近遭遇します。ナガタ軍曹(伊武雅刀)が撃鉄を引いて注意しに行こうとしますが。。。このシーン好きです(^^♪太平洋戦争の日本軍はあまりよく表現されないことが多いので、このシーンで何か、「スピルバーグはこんな感じに描いてくれたんやねぇ。。。」と感慨深かったです。

ジムはその収容所でしたたかに成長し、やがて運命の1945年を迎える訳ですが、クリスチャン・ベイル、さすが主役に選ばれただけあって、イイのですよ。
B29が収容所に爆弾を落とした腹いせに、ナガタ軍曹がローリング医師(ナイジェル・ヘイヴァース)を木刀で・・・!という所でジムが軍曹に日本語で話しかけるシークエンスがあります。
ここがこの映画のヘソ(?)のような感じです。胸が熱くなる、そんな一幕です。。。

この作品のタイトルは「太陽の帝国」(原題EMPIRE OF THE SUN)ですが、ストーリーは、その“帝国”である日本を手放しで讃える訳でなく、かといって日本軍=悪の権化という描き方もしていないです。
あくまでも少年ジムがその成長の過程で体験して感じたことを中心に描かれています。
なので、イギリスと日本は戦争中なのに、主人公のこのセリフ(シーン)は??という場面がたまにあります。実話に基づいて作られたからなのかもしれません。逆に考えると、それだけ“リアル”なのかも。。。

この映画を観たのを機に、J.G.バラードの原作も読んでみようと思います。。。



ひきばっち的満足度★★★★





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「男はつらいよ 望郷篇」

2012-09-25 08:02:42 | Weblog
                         「男はつらいよ 望郷篇」
DVD。

「男はつらいよ」の第5作目。好きな作品なので紹介します。

ストーリー冒頭、「おいちゃん危篤」とかつがれた寅さんが、旅先から柴又に帰るまでに、葬式の段取りを全て整えてしまったからさあ大変・・!

本作の「マドンナ」は、テレビ版「男はつらいよ」でさくら役を演じた長山藍子
千葉の浦安(この頃はまだディズニーランドも無かったですねぇ)にある豆腐屋の娘という役どころです。

寅さん今回はその娘さんにホの字になってしまい、住み込みで嬉々として油揚げを揚げる毎日・・。
すっかりその気で頑張っちゃうのですが・・。

さくら(倍賞千恵子)が寅さんを切々と諭す場面があります。
当たり前のような「地道な生活」なんていうセリフも、さくらが話すと胸に響くから不思議です・・。
寅さんを通して、見ているこちらが諭されているのです・・。

あと、私的に好きなキャラクターが、太宰久雄さん演ずる「タコ社長」です(^^♪
いつも決まって、間の悪い時に現れて、寅さんとひと悶着あるという・・。愛すべきキャラクターですo(^o^)o

当初「男はつらいよ」シリーズは、この「望郷篇」で完結する予定だったらしいのですが、公開したところ、本作があまりにも人気を博したので、続けることになったということです。

自分が若かった頃はピンと来なかった場面も、齢をとってから見直すと、とても味わい深かったり致します・・。

聞いた話ですが、この頃、浅草の映画館で「男はつらいよ」を上映する時、冒頭で寅さんがスクリーンに登場すると、客席から拍手が起こったらしいです・・(^^♪。

今後も、「男はつらいよ」気に入ったものをレビューして参りたいと思っております。




ひきばっち的満足度★★★☆





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「コロンビアーナ」

2012-09-13 18:33:49 | Weblog
                           「コロンビアーナ」
ユナイテッドシネマ豊島園にて。

この日のUCとしまえん6番スクリーンはお客さんもまばら・・・。
思っていたより小さめのスクリーンにちょっとがっかり(T_T)
やはりこういうアクション物は、デカイスクリーンで観たかったとです。

オープニングで空撮される住居の密集地域(ボゴタかメデリン近郊か?)の映像が異国感を感じさせる。

本作は「レオン」「ニキータ」の監督であるリュック・ベッソンが製作・脚本。
因みに私は「ニキータ」未見という親不孝者です(汗)

主演は「アバター」のネイティリ役で一躍脚光を浴びたゾーイ・ソルダナ

ストーリー的には・・・1992年・・ところは南米のコロンビア・・。
マフィアの内部の裏切りにより、目の前で両親を殺された少女・カトレアは、間一髪!単身辛くもコロンビアを脱出し、生前父から「何かあったらこのおじさんを訪ねなさい」と言われていたアメリカはシカゴでギャングをやっているエミリオ(クリフ・カーティス)を訪ねる。やがてそこで生きて、そして「殺し屋」になる訓練をしていくことになるのだが・・・。

ここからは復讐劇ですので、観ていてストーリーはなんとなく予想がついちゃうんですが、
いつかきっと、両親を殺した奴らを殲滅すると胸に誓ってから15年の歳月が流れます・・。
そして、カトレアはプロの殺し屋として「仕事」をこなしてゆくのですが、なぜかどの死体の上にも必ず大きな“カトレア”の花の絵を描くのです・・・。

ストーリー冒頭、少女カトレアがマフィアの追手から逃げてゆくシーンはスピード感があってまるで「ジェットコースター」に乗っているようなドライブ感が味わえました。

拘置所内での「仕事」のシークエンスもスマートで緊迫感があってカッコイイっす。

マフィアとの銃撃戦もハデにやってくれますからね~。

ラスト近くの素手でのタイマンも迫力ありましたね~。

ただ、私見なのですが、「ちょっと正統派すぎたかな~・・・」という感じが、正直の所、少ししました。もうひとヒネリほしいなぁ・・などと・・。

無意識のうちに「レオン」と比べてしまっているというのが一つ(全然ちがう映画だから比べても意味がないとは思いつつ(T_T)

リュック・ベッソンが監督やったらどうなったかな~とか・・。

あとは、最近スケール(銃火器なども含め)のデカい、音もデカい、炎もデカい映画を多く観る機会が増えて、自分的に感覚が鈍感になっているような気が(これの前回は「プロメテウス」でした(T_T)

あと、何故か、「復讐劇」ではありませんでしたが、観終わってから、どういうわけかアンジェリーナ・ジョリーの「ソルト」と本作を対比させていました。

まぁ何にしろ、面白いことは請け合いです(^^♪

コツは、出来るだけ大きなスクリーンで観ることですね~・・・。




ひきばっち的満足度★★★☆




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「SAYURI」

2012-09-10 20:38:14 | Weblog
                            「SAYURI」
DVD。

ずーっと前に観たような記憶もありやなしや・・・、なのでTSUTAYAでレンタルしてみました。
スピルバーグが製作に名を連ねているんですねー。びっくり。
そう言われて見ると、結構セットとかお金かかってそうですな。

原題が「MEMOIRS OF A GEISHA」

昭和初期に貧しい漁村から都の花街の置屋に売られた少女・千代(さゆり)が、運命という名の波にもまれながら立派な「芸者」に成長してゆく姿を描いた、一人の女性の人生のドラマであります。

何よりびっくりは、キャスティングですね(いろんな意味で)
まずはさゆりが恋い慕う「会長」の役に渡辺謙さんですねー。

そしてその「会長」の朋友・延を演ずるのが役所広司さんですー。

まぁ、男性陣はこんなところ(?)ですが、このお二人が出ていらっしゃるだけで充分豪華に感じられますからやはりスゴイ。

問題は女性陣ですよねー。
主人公・さゆり役にチャン・ツィイー
さゆりを立派な芸者に育て上げる豆葉役にミシェル・ヨー
さゆりと対立する先輩の芸者・初桃役にコン・リー
・・・・・あれ??そうっす、主要な芸者さんの役に一人も日本の女優さんがいないのですな(唯一、「天然」な感じの芸妓・おカボ役を工藤夕貴さんが好演しておりましたが)

まぁ、ハリウッドの規則(なんじゃそりゃ!)というか規定みたいな何かで、しばりがあったのかもしれませんが。
せめて、さゆりだけでもねー・・。

しかしながら、チャン・ツィイーさんは素敵でした。
扇を持っての舞いや、見せ場の舞台、吹雪の花魁のシーン。。。

コン・リーさんの意地の悪い初桃役もハマっていましたね。この方がホントに意地悪なんじゃないかと思えてくるほど(笑)さすが中国を代表する女優さんです。

そしてもう一人、少女時代のさゆりを演じたのが大後寿々花さんです。
謙さん演ずる会長の親切に触れ、自分もいつか会長に逢えるような「芸者」になろうと伏見稲荷の鳥居の中を駆けてゆくシーンは“希望”を感じさせます(^^♪

この作品で、しかたがないのだけれども、やはり最後まで違和感を拭えなかったのが、「日本の物語なのに、全員英語で話す」というハリウッド映画のスタイルでした。

まぁ、「原語に忠実」に作ると、アカデミー賞の枠から外されて(外国語映画扱いになってしまうのかしら)しまうのかも知れませんし、なにより「英語圏での集客」に影響が出てくるのかもしれません(「ラストエンペラー」でさえ、セリフはかなり英語に置き換えられていたような記憶があります)

まぁ本作は、それなりにスケールは大きいですから、戦前、戦後の日本の花街の様子や雰囲気、そして芸者さんたちの華やいだ様子を楽しめればまずOKなのではないかと。

それにさゆりの消えることのない恋心のゆくへなどがない交ぜになってまいりますと・・
ラストは・・・モア・ベターね(おばちゃまかよ!)



ひきばっち的満足度★★★☆




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「プロメテウス」

2012-09-07 21:31:24 | Weblog
                            「プロメテウス」
ユナイテッドシネマ豊島園にて。

私の大好きなリドリー・スコット監督の作品なので、前々から楽しみにしていた本作。ようやく観ることができました。
3Dは苦手なので2Dでの鑑賞となりました。

観終わって・・・細かい所よく分かんないけどすごく面白かった(^^♪

ストーリー的には・・・2089年。考古学者のエリザベス・ショウ(ノオミ・ラパス)が古墳の調査を行っていると、何やら人類を創り出した者たちからの“招待のサイン”らしきものを発見するんですな。
それで、では行ってみようと。
同志であり恋人でもあるチャーリー・ホロウェイ(ローガン・マーシャル=グリーン)
アンドロイドのデヴィッド(マイケル・ファズベンダー)
冷徹な監視役・メレディス・ヴィッカーズ(シャーリーズ・セロン)
ほか考古学以外の様々な分野の科学者たちと、
ウェイランド社の宇宙探索船「プロメテウス号」で出発するのであります。

そして2093年・・・プロメテウス号は目的としていた惑星への着陸に成功します・・。
ここから、人類の起源への探索が始まるのですが・・・。

そこから先は、映画を観てください!
まぁ、大きな流れで言うと、この話があのSF映画につながるわけですよ。
あれですよコワイコワイ「異星人」ですよ。

本作の探索チームも、よしゃあいいのにお約束で近づくから!って語ってますねゴメンナサイ。でも近づかないと話始まらないっすからね。

もうこのあたりから、一緒に観に行った友人は目を伏せてましたね(苦笑)
この友人、こういう有機物ヌルヌル系が大の苦手(T_T)
「しまったなぁ、かわいそうな映画を選んでしまったなぁ」などと思いつつ、私はしっかり堪能していまひた。

3Dでなくても映像の迫力には圧倒されっぱなし。
さらに、最新の特殊撮影により細かい部分のリアリティもスゴイ。

エリザベスが機内に持ち帰った「頭部」を検査するシーンなどは、スゴイなぁ・・と見入ってしまいました。

エリザベスの胎内に「それ」が寄生するシークエンスがあります。「それ」を抜き出すオペがまたイってる。
縫合の大きなホッチキスには「あれでイイのか!?」カッ飛んでいるノオミ・ラパス!

物語当初で期待していた「人類の起源は・・・?」というテーマは、ストーリー中盤あたりから、すっかり“「それ」との戦い”によってもみ消された感がありますな・・。

最後に「異星人」が登場して・・・あれ・・??そうなのか・・・。
「こちら宇宙船ノストロモ号・・」につながる訳ね。。。と、気付く訳です。。。

しかし、細部がよく解らない。
オープニングの白い人の行動・・・。
人類は白い彼らが何処でどのようになんのために創造したのか・・・。
などなど・・・。

ディレクターズ・カットが作られるのだろうか。
続編にも期待したい。

とりあえず、上映期間中に、もう1回観たいと思っております。




ひきばっち的満足度★★★★☆





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「連合艦隊司令長官 山本五十六 ー太平洋戦争70年目の真実ー」

2012-09-03 23:12:59 | Weblog
                    「連合艦隊司令長官 山本五十六 ー太平洋戦争70年目の真実ー」」
DVD。

この作品は昨年の12月に封切られた時、劇場に観に行って、役所広司演ずる山本五十六の生き様に感銘を受けて帰ったのであるが、当時このブログは開店休業状態(T_T)だったので、レビューを書かずじまいになっていた。

今夏、DVDレンタルが始まる前に予約したので、程なく借りることが出来て、封切りで観て以来、二度目の鑑賞となった。

改めて、山本五十六という人物が持っていた“理念”に感銘を受けた。

おそらく日本全体が轟々と音を立てて「戦争」へ向かってゆく時代に、彼はその流れを止めようとした数少ない軍人の一人だったのであろう。

世界的な視野で物事を見て、聞いて、考える。
ケースは違うが、「硫黄島からの手紙」で渡辺謙が演じた栗林中将もグローバルな視野を持った人であったと思い出す。

ネタバレあります・・・。

グローバルな視野で世界を見てきた五十六故の、開戦反対だった。

しかし、日中戦争が先の見えないどろ沼と化して、その閉塞感が軍部だけでなく国民の間にも蔓延してきたところへ、ドイツからの三国同盟の誘い。

五十六、米内光政(柄本明)らの反対派が一旦は押さえるものの、遂には日独伊三国同盟が結ばれる。

この映画のなかでしばしば登場する小料理屋でのシーンが興味深い。
開戦前や開戦からミッドウェー海戦の頃は、大衆の一部は戦争に乗り気だった様子が描かれている。
戦争が始まれば景気が良くなる、と、お客の一人は言う。
それまでの“戦争”は、海の向こうでやるもので、直接本土の生活には関係してこなかったのであろう。
私自身、あの時代に生きていたら、すぐ新聞などの情報に踊らされて、そのお客と大差はなかっただろう。

驚くのは、その当時の新聞記事の作られ方だ。
政治部の主幹を演じた香川照之がそのニュアンスを上手く出していた。
国威発揚のためと称して好戦的で挑発的な記事を載せ、部数を伸ばす。
これらのシークエンスを見ていると、新聞をはじめとする報道の持つ責務について考えさせられる。

玉木宏演ずる新聞記者・真藤は「大日本帝國戦史」の取材で五十六と交流するうちに、少しずつ「何かが違う・・」事を感じ取ってゆく。

そして五十六は開戦を止むなくされる。

そこで彼が打ち出したのが「真珠湾奇襲」だ。
アメリカに比べ、物量ではるかに劣る日本が生き残る道・・それは、まず最初に、相手が戦意喪失するくらいのダメージを与えー早期講和に持ち込むーそれしか日本の生き残る道はないと五十六は考えた。

結果的に奇襲することはしたが、アメリカの空母が一隻も真珠湾に無かった(沈められなかった)上、アメリカ側への「開戦通告」が、不手際で奇襲1時間後に通告されたという
歴史的なミスもあり、五十六の「早期講和」の思いは断たれる。

このあと、「ミッドウェー海戦」で日本は惨敗することになる。本作のような作戦ミスなのか“霧で敵空母が見えなかった”という話も聞くが・・。

そして開戦から1年4ヶ月後、五十六最後の講和への戦いが描かれる。

ラバウル航空基地の航空機及び第三艦隊全空母艦載機を総動員し、ソロモン、ニューギニア方面に展開するアメリカ航空兵力の撃滅を図る・・・。
そしてその後、一気に戦線を縮小する・・。
後方の体勢がととのうまで・・前線は残って、捨て石になってもらう・・

五十六は講和のために、兵を「捨て石」として前線の「死の戦い」へ送り出した。
五十六にとっては断腸の思いだっただろう。
この映画は彼の“温厚で情深い”という側面だけでなく、このような厳しい決断をした一面も描いており、「司令長官 山本五十六」として、とても興味深いものがある。

作品全体的にあまり派手さは無く、地に足がついた感じのストーリー展開で好感が持てる。

役所広司は期待を裏切らない俳優さんだ。何か、説得力があるんだなぁ・・。

ラスト近く。。。五十六がブーゲンビル島に散る。。。
劇場で観たときは平気だったのに、2度目は泣けた。。。なんでじゃろ。。。

見たあとに、背筋がピンとシャンとする、そんな映画でした。。。

成島 出監督、「孤高のメス」「八日目の蝉」と、本作。いい映画作るね(^^♪




ひきばっち的満足度★★★★





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