ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「八日目の蝉」

2012-07-25 11:02:16 | Weblog
                           「八日目の蝉」

角田光代さんの原作は未読での鑑賞となりました。

観終わって・・・な、永作博美が素晴らしい(I I)

この年の色々な女優賞をもらったのも頷けます。
(日本アカデミー賞では彼女は「最優秀助演女優賞」でした。この作品を観た方ならお思いになったかと思われますが「え??永作さん、主演じゃん・・・??」)

まぁ、一つの作品から二人の主演女優というエントリーは無理があったのだと思われますが・・・。
ちなみに「最優秀主演女優賞」は同作の井上真央さんでした。

何はともあれ、永作さん、いい女優さんになられましたね(^^♪という感じです・・。

ネタバレあります・・・。

あらすじ:野々宮希和子(永作博美)は、職場の上司である妻子持ちの秋山(田中哲司)と不倫の関係にあった。

在る日希和子が妊娠の報を秋山に知らせると、彼はこう言う男お決まりの「今、産んでもらっちゃ困る。身辺の整理をきちんと付けて、君と一緒になってから・・」

希和子は彼の言葉を信じ、中絶をするが、その際、子宮内が癒着して、二度と子供を産めなくなってしまう・・・。

そんな頃、秋山の妻・恵津子(森口瑤子)が妊娠したことが判った。
やがて、女の子が生まれた・・・。

希和子は、子供の事も秋山との事も全てあきらめて、新しい人生へ向かおうと決意したのだが、どうしても、ひと目でいいから、その赤ちゃんの顔が見たかった・・・。

そして或る土砂降りの日、彼女は秋山の家に入り込み、赤ちゃんを抱き上げ、そのまま姿を消した・・・。

ここから希和子と赤ちゃんの4年に及ぶ逃亡(?)生活が始まるのです。

赤ちゃんの本名は「恵理菜」。だけれど希和子はその子に「薫(かおる)」と名付けます。

共同生活施設(?)エンゼルホームに入った希和子は、そこの同僚に故郷・小豆島(香川県)の住所を教えてもらい、やがて薫をつれて、そこを訪ねることになります。

そして希和子と薫はそこで同僚の父、雄三(平田満)と、母、昌江(風吹ジュン)らのあたたかな歓迎を受け、二人はこの小豆島で暮らしてゆくことになります・・。

島の人々の人情と、豊かな自然の中で、引っ込み思案だった薫も徐々に友達の輪に加わり、元気に育ってゆきます・・。

しかし、そんなささやかな幸せも、希和子と薫の強い親子の絆も、やがて引き裂かれる運命にありました・・・。

ここまでのストーリーに交錯するように、現代で大学生になった恵理菜[薫」(井上真央)の、自分探しの物語が要所、要所でインサートされます。

恵理菜の実の母・恵津子はヒステリックではありますが、4才までの娘を失っていた心の傷は察するに余りあります。

恵理菜はこのような生い立ちも手伝ってか、大学生になっても親しい友達がいません。
唯一、妻子持ちの岸田(劇団ひとり)と交流があるのみ・・・。

そんな彼女の所へ、ルポライターを名乗る安藤千草(小池栄子)がやって来ます。
千草はなんとエンゼルホーム時代の遊び友達だったことが判ります!
千草も、その時の隔離された環境にいたせいで、心に傷を負っていました。

そして妊娠した事を知った恵理菜は、学校を辞め、千草と共に“自分が本当に求めていたもの”そして“自分自身を探す”旅に出ます・・・。

という感じなのですが、冒頭に書いたように、誘拐犯ではあるものの自分の全てをそそいで薫を育てる希和子を演じた永作博美が素晴らしいの一言です。

普通に考えたら「なんで誘拐犯がええねん、あかんやろ」となるところを、彼女の演技力によって「肯定感」のあるストーリーになっているのではないかと。

ラスト近くの、「逮捕」のシーンは胸が詰まりました。忘れがたいシーンとなりました。

ラストで小豆島にたどり着いた恵理菜は、蘇ってくるたくさんの記憶を確かめるように、思いのたけを千種に話しはじめます・・・。

しかし~・・私も含めてこの映画のキャラクターである秋山しかり、岸田しかり・・・こういう場面の男はホントーにダメですな・・・(+o+)それが本作のテーマかも・・・。



ひきばっち的満足度★★★★☆




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