(C)KADOKAWA1979
刺すような毒気がなけりゃ、男稼業もおしまいさー
そのセリフで、すでにカッコイイ(T_T)
この作品は、1979年8月に公開されているので、ちょうど日テレ系で放送されたドラマ「探偵物語」の放送時期と重なっています。
どちらが先に撮影されたかは、定かではない(同時期に並行して撮られたのかも知れない)ですが、そのTVシリーズ「探偵物語」と、この映画「蘇える金狼」が優作中期の代表作であることは、優作ファンの多くが認めるところではないでしょうか。
前出の「探偵物語」が、優作の“硬軟取り混ぜた”の「軟」の部分を前面に出したものであるのに対し、本作「蘇える金狼」は、ハードボイルドな「硬」の部分が前面に出されています(それでも、会社のうだつの上がらない社員に扮するシークエンスなどは、思わずこちらも笑ってしまうのですが(^^♪)。
村川透監督の作品です。
あらすじ的には、まず、夜明けのオフィス街で、輸送中の1億円が強奪される強盗殺人事件が発生。
現場の状況から、犯人はかなり拳銃などの取り扱いに慣れた者と予想された。
事件発生後、朝のオフィス街ー
その一つ「東和油脂」でも朝からその話題で持ちきりである。
経理部の面々でもその話題が取り沙汰されていた。
その中に、一人の風采の上がらない社員(松田優作)の顔があった。
補欠合格でやっとこの社に入ったという彼の席の足元には、郷里の母親が送ってきたという林檎が箱に入って置かれていたが、それが実は、今朝強奪された1億円であるとは、誰も気付かないのであった。
そう、彼こそがあの現金強奪殺人事件の犯人・朝倉哲也であった。
強奪した現金のナンバーが銀行で登録されていたのを知った朝倉は、現金をウラで安全なヘロインに変える算段をして、元締めの市会議員・磯川に近付き、引渡し場所にいた磯川の兵隊を全滅させて、1億円と引き換えにヘロインを手に入れる。
彼は日中この「東和油脂」の経理部でしがない社員を演じながら、実はこの会社を乗っ取る画策をしていた。
夜はボクシングジムでトレーニングを重ね、銃火器の取り扱いにも余念がない、もうひとつの顔を持っていた。
東和油脂の内部情報を手に入れるために、朝倉は、小泉部長(成田三樹夫)の愛人である永井京子(風吹ジュン)に近付く。
麻薬とセックスで京子を味方につけた朝倉の、次なるターゲットは、東和油脂の役員たちの横領をネタに5000万円をゆすり取ろうという男・桜井(千葉真一)だった・・・。
という感じで、展開してゆきます。
この作品の見せ場の一つは、前半の1億円とヘロインの受け渡し場所での銃撃戦でしょう。
優作の長身でしなやかな肢体が、黒のツナギでいっそうシャープな感じが増して、カッコイイっす(^^♪
「日本でこんな銃撃戦あるか?」なんて無粋なツッコミはどっかへ行っちゃいなさい!!みたいな。
優作が走って、撃つ。それだけで、難しいストーリーどっかに忘れちゃうのであります。
“そこにいるだけで、既にさまになって、男も惚れてしまう”というような俳優さんは、なかなかいませんね~。人によって違うと思いますが、私が今思い浮かぶのは、高倉健さん・・ポール・ニューマン、ロバート・デ・ニーロ・・そして優作さん・・くらいかなぁ・・。
それはいいとして、意外なことに、優作さんが出てくる大きなアクション・シーンは、前出のヘロイン受け渡しのシークエンスだけなんですね!
ストーリー中盤で石炭埠頭でのカーチェイスの銃撃戦があるのですが、千葉真一さん演ずる桜井と、岸田森さん演ずる石井という探偵がメインで、そこには優作さん出てこないのです。
ストーリーは、朝倉の東和油脂乗っ取りのクライム・サスペンスの様相を帯びてきます。
この映画で特筆すべきもののひとつに、永井京子を演じた風吹ジュンさんの演技があると思います。
よく、「体当たりの演技」なんて言葉が使われますが、この作品の風吹ジュンさんが、真にそれ。
最初朝倉に出会う時から、徐々に朝倉から離れられなくなる京子を演じて、ラストへ・・。
私、風吹ジュンさんの歌手時代の事はほとんど知らないのですが、この映画を見て、素敵な女優さんだな~と思っていたら、その後、数え切れないほどの映画やテレビドラマ、ドキュメンタリーなどに出演なさって、大活躍されてますね~(^^♪
さらに、小泉部長を演じた成田三樹夫さん!相変わらずイイっす(^^♪
「野性の証明」
では、三國連太郎さん演ずる大場一成の息のかかった中戸組組長をシャープな感じでニヒルに演じ、かと思ったら五社英雄監督の「吉原炎上」では名取裕子演ずる主人公を買い受けて吉原へ連れてくる女衒を演じ、はたまたTVの「探偵物語」では、優作さん演じる「工藤ちゃん」に何かと絡んでくる服部刑事をコミカルに演じ、この「蘇える金狼」では、何でも金でカタをつけたがる俗物でヤク中になってゆく経理部長を、傲慢と卑屈が綯い交ぜになっている感じで演じて、とても魅力的です。
朝倉から麻薬を分けてもらう談判をするシーンが、俗っぽさ全開で、観ている方もつい笑ってしまいます。
ストーリー的には、石井という探偵(岸田森)が、東和油脂の上層部を裏切り、前述の横領をネタに1億円を要求してきます。
その石井を消すために、朝倉が選ばれます。東和油脂の重役の椅子を約束するという条件で、上層部直々に殺人を依頼されるのです。
首尾よく石井を殺った朝倉は、その時点で、用無しということで、上層部から消される予定が、逆に社長以下重役たちを脅して、まんまと東和油脂の株、200万株を手にいれ、東和油脂の重役となり、社長の末娘・絵里子(真行寺君枝)とも交際を始め、裏街道でついにピークまで登り詰めたのですが・・・。
ラストのストーリーは書かないですが、優作さんが飛行機のチケットを・・・のシーンは、悲しくも、カッコよすぎる(T_T)
前野曜子さんが歌う「蘇える金狼のテーマ」が、流れます。。。渋い。渋すぎる(T_T)
このラストの・・・は最初見たときは、予想がつかなかったです。
ストーリーの最後を含んだ言葉だと思うのですが、優作さんはこの映画を「恋愛映画」と表現したとのこと。
優作さんが亡くなって30年以上経ちますが、今なお私の中では、松田優作さんは生き続けています。
機会あるごとに、彼が出演した作品を観直して、いきたいと思っております。。。
以上、「蘇える金狼」のレビューでした。。。
ヒッキー的満足度★★★★
つらい腰痛・肩こり・頭痛など、スタッフが全力でサポートします。
癒しの森整体院
丸ノ内線 新中野駅 徒歩3分
刺すような毒気がなけりゃ、男稼業もおしまいさー
そのセリフで、すでにカッコイイ(T_T)
この作品は、1979年8月に公開されているので、ちょうど日テレ系で放送されたドラマ「探偵物語」の放送時期と重なっています。
どちらが先に撮影されたかは、定かではない(同時期に並行して撮られたのかも知れない)ですが、そのTVシリーズ「探偵物語」と、この映画「蘇える金狼」が優作中期の代表作であることは、優作ファンの多くが認めるところではないでしょうか。
前出の「探偵物語」が、優作の“硬軟取り混ぜた”の「軟」の部分を前面に出したものであるのに対し、本作「蘇える金狼」は、ハードボイルドな「硬」の部分が前面に出されています(それでも、会社のうだつの上がらない社員に扮するシークエンスなどは、思わずこちらも笑ってしまうのですが(^^♪)。
村川透監督の作品です。
あらすじ的には、まず、夜明けのオフィス街で、輸送中の1億円が強奪される強盗殺人事件が発生。
現場の状況から、犯人はかなり拳銃などの取り扱いに慣れた者と予想された。
事件発生後、朝のオフィス街ー
その一つ「東和油脂」でも朝からその話題で持ちきりである。
経理部の面々でもその話題が取り沙汰されていた。
その中に、一人の風采の上がらない社員(松田優作)の顔があった。
補欠合格でやっとこの社に入ったという彼の席の足元には、郷里の母親が送ってきたという林檎が箱に入って置かれていたが、それが実は、今朝強奪された1億円であるとは、誰も気付かないのであった。
そう、彼こそがあの現金強奪殺人事件の犯人・朝倉哲也であった。
強奪した現金のナンバーが銀行で登録されていたのを知った朝倉は、現金をウラで安全なヘロインに変える算段をして、元締めの市会議員・磯川に近付き、引渡し場所にいた磯川の兵隊を全滅させて、1億円と引き換えにヘロインを手に入れる。
彼は日中この「東和油脂」の経理部でしがない社員を演じながら、実はこの会社を乗っ取る画策をしていた。
夜はボクシングジムでトレーニングを重ね、銃火器の取り扱いにも余念がない、もうひとつの顔を持っていた。
東和油脂の内部情報を手に入れるために、朝倉は、小泉部長(成田三樹夫)の愛人である永井京子(風吹ジュン)に近付く。
麻薬とセックスで京子を味方につけた朝倉の、次なるターゲットは、東和油脂の役員たちの横領をネタに5000万円をゆすり取ろうという男・桜井(千葉真一)だった・・・。
という感じで、展開してゆきます。
この作品の見せ場の一つは、前半の1億円とヘロインの受け渡し場所での銃撃戦でしょう。
優作の長身でしなやかな肢体が、黒のツナギでいっそうシャープな感じが増して、カッコイイっす(^^♪
「日本でこんな銃撃戦あるか?」なんて無粋なツッコミはどっかへ行っちゃいなさい!!みたいな。
優作が走って、撃つ。それだけで、難しいストーリーどっかに忘れちゃうのであります。
“そこにいるだけで、既にさまになって、男も惚れてしまう”というような俳優さんは、なかなかいませんね~。人によって違うと思いますが、私が今思い浮かぶのは、高倉健さん・・ポール・ニューマン、ロバート・デ・ニーロ・・そして優作さん・・くらいかなぁ・・。
それはいいとして、意外なことに、優作さんが出てくる大きなアクション・シーンは、前出のヘロイン受け渡しのシークエンスだけなんですね!
ストーリー中盤で石炭埠頭でのカーチェイスの銃撃戦があるのですが、千葉真一さん演ずる桜井と、岸田森さん演ずる石井という探偵がメインで、そこには優作さん出てこないのです。
ストーリーは、朝倉の東和油脂乗っ取りのクライム・サスペンスの様相を帯びてきます。
この映画で特筆すべきもののひとつに、永井京子を演じた風吹ジュンさんの演技があると思います。
よく、「体当たりの演技」なんて言葉が使われますが、この作品の風吹ジュンさんが、真にそれ。
最初朝倉に出会う時から、徐々に朝倉から離れられなくなる京子を演じて、ラストへ・・。
私、風吹ジュンさんの歌手時代の事はほとんど知らないのですが、この映画を見て、素敵な女優さんだな~と思っていたら、その後、数え切れないほどの映画やテレビドラマ、ドキュメンタリーなどに出演なさって、大活躍されてますね~(^^♪
さらに、小泉部長を演じた成田三樹夫さん!相変わらずイイっす(^^♪
「野性の証明」
では、三國連太郎さん演ずる大場一成の息のかかった中戸組組長をシャープな感じでニヒルに演じ、かと思ったら五社英雄監督の「吉原炎上」では名取裕子演ずる主人公を買い受けて吉原へ連れてくる女衒を演じ、はたまたTVの「探偵物語」では、優作さん演じる「工藤ちゃん」に何かと絡んでくる服部刑事をコミカルに演じ、この「蘇える金狼」では、何でも金でカタをつけたがる俗物でヤク中になってゆく経理部長を、傲慢と卑屈が綯い交ぜになっている感じで演じて、とても魅力的です。
朝倉から麻薬を分けてもらう談判をするシーンが、俗っぽさ全開で、観ている方もつい笑ってしまいます。
ストーリー的には、石井という探偵(岸田森)が、東和油脂の上層部を裏切り、前述の横領をネタに1億円を要求してきます。
その石井を消すために、朝倉が選ばれます。東和油脂の重役の椅子を約束するという条件で、上層部直々に殺人を依頼されるのです。
首尾よく石井を殺った朝倉は、その時点で、用無しということで、上層部から消される予定が、逆に社長以下重役たちを脅して、まんまと東和油脂の株、200万株を手にいれ、東和油脂の重役となり、社長の末娘・絵里子(真行寺君枝)とも交際を始め、裏街道でついにピークまで登り詰めたのですが・・・。
ラストのストーリーは書かないですが、優作さんが飛行機のチケットを・・・のシーンは、悲しくも、カッコよすぎる(T_T)
前野曜子さんが歌う「蘇える金狼のテーマ」が、流れます。。。渋い。渋すぎる(T_T)
このラストの・・・は最初見たときは、予想がつかなかったです。
ストーリーの最後を含んだ言葉だと思うのですが、優作さんはこの映画を「恋愛映画」と表現したとのこと。
優作さんが亡くなって30年以上経ちますが、今なお私の中では、松田優作さんは生き続けています。
機会あるごとに、彼が出演した作品を観直して、いきたいと思っております。。。
以上、「蘇える金狼」のレビューでした。。。
ヒッキー的満足度★★★★
つらい腰痛・肩こり・頭痛など、スタッフが全力でサポートします。
癒しの森整体院
丸ノ内線 新中野駅 徒歩3分
松田優作ーーーーーーー
なんか、ヒッキーさんに似てるーーー
ギャー --ひきばっち -----
優作さん、カッコイイですよね!
わ、わたし優作さんに似てますか!?
それは恐れ多いでありますよ(汗)
最大の褒め言葉、ありがとうございます!
ワタシもあと10cm背があればなぁ(T_T)。。。
ハードボイルドでしたね~!
優作さんが、走って、撃つ。
それだけで堪らない魅力です!
優作さんは、我々の青春でしたね~。
今後も角川映画、レビューいたしますので、何卒よろしくお願いいたします~(^0_0^)