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医大生・たきいです。

医大生的独言。

「あなたの国のわたし」に投票しました

2017-11-30 13:42:55 | 読書感想文





はあちゅうさんファンを公言している私、駆け込みで投票いたしました。医大生・たきいです。






「名前の付けられない人間関係」を題材にした短編集、『通りすがりのあなた』。

通りすがりのあなた
はあちゅう
講談社


7つの短編のうちひとつを投票する仕組みなんですが、迷った末に「あなたの国のわたし」に一票。

文化の違いに向き合った女子大生が大きく成長した、イギリスでのひと夏の物語、です。

こうして人は、他者理解に苦しみ、悩み、打開していくんだよなぁと甘酸っぱい気持ちになりました。

「当たり前」だと思っていたことを、そうではない気が付いたときの複雑な感情の描写が素敵でした。





というわけで「あなたの国のわたし」に投票したのですが、一番好きだなと思ったのは『エンドロールのようなもの』と題した「あとがき」かもしれません。


担当編集者さんに小説に自分で解説をつけたいと言ったら、単行本では作者からのメッセージはつけないことの方が多いと教えて頂きましたが、個人的には、映画のエンドロールで俳優や監督さんのオフショットが流れて素顔が見られると得した気分になる派なので、初めての短編小説集ということもあり、ちょっとだけでしゃばらせてください


この一文に、はあちゅうさんの良さが全て込められていると思います。小説というものはこれまで、「作品」という形で、テーマをボンと読者たちにを放り投げておしまいにして「後は君たちの頭で考えなさい」というスタンスだったんだろうけれど、「ネット時代の作家を目指しています」と自らを語るはあちゅうさんは、そんな古典的な「冷たいこと」を決してやりません。読者へのアフターフォローこそ、ネット時代の作家の在り方なのでしょう。行間で語るだけでなく、「でしゃばる」スタンスもファンとしては嬉しいです。今は、作者の顔や生活が見える時代なんですから。














(「次は『童貞』をテーマにした小説出してくださいと作者へのメッセージ欄に書いてみた人(笑))
医大生的コラム。医大生・たきいです。

『通りすがりのあなた』刊行記念 無料試し読み!「六本木のネバーランド」
はあちゅう
講談社

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