先日コメントをいただきました。
「はじめまして、たきいさん。
いつも、たきいさんのブログに楽しませてもらってます。
体調が回復してよかったですね。
体を大事にして楽しいブログを書いてください。
楽しみにしてますo(^o^)o
以前に12月26日のセンター数学の記事を読んで大変、感銘を受けました。
今、私はたきいさんが10年前に志望されていた公務員を目指しています。
私は根っからの文系で理系、
特に数学が全然できません。
睡眠時間を削って理系の勉強するのと並行して様々な勉強法を模索して試していますがなかなか結果がでてません。
しかし、たきいさんの記事を拝見して他のやり方とは一線を画していると思います。
できればブログにたきいさんの理系、数学の勉強法をかいてくだされば嬉しいです。
特に公務員試験に必ず出てくる平面・空間図形、算数(内容は有名中学受験の算数と同じです)を教えて欲しいです。
数学が得意なたきいさんにとっては簡単すぎるかとおもいますができればお願いします。
私は参考書は何がいいとかではなく
問題をどうやって頭に入れていて、どうやってどのような手順で解法や問題を思い出すのか?
自分で習ったことを体系化するにはどうしたらいいか?
単純に問題を繰り返すだけよりもより記憶に長くとどめる、自分の中に位置づけるには何をされていますか?
私は数学における暗記と文系の暗記の種類が違うと考えているのですが
例えば、数学の暗記とは無限に近いパターンを暗記し続けることでしょうか?
数学の暗記の方法を具体的な手順や暗記の時に何を考えているとか、など
頭の中の動きや感覚を詳細に、実況中継みたいに教えてくださると助かります。
たきいさんは2月13日の記事でも書かれていたように現在も家庭教師をやろうと考えておられますか?
もし、考えてらっしゃるなら勉強のやり方を指導してくださいませんか?
P,S 私も勉強で疲れた時やここ一番という時にmihimaruGTさんの「気分上々↑↑」をきいて励まされてます。
拙い長文を最後まで読んでいただきありがとうございました。」
とのこと。期待に応えられるだけのものが書けるか自信がありませんが、なんとか書いていきましょう。遅くなって申し訳ございませんでした。医大生・たきいです。
まず初めに、筆者と数学の関係について。年末に書いた記事
「秘伝のセンター試験数学攻略法」は現在東大生の友人にも評判が良くて、よく書けたと思っています(笑)。数学は昔から好きな科目ではありましたが、たまにいる抜群のセンスを持つような人間では決してありませんでした。勉強していて苦労も多かったです。客観的に考えればギリギリ医学部に受かる程度であったはずです。故に筆者がそうそう数学について偉くは語れる立場ではないことをまず最初にお断りしておきます。ただ、苦労しながらも掴んだコツなようなものを書ければと思います。
さきほど本屋で「公務員試験」の問題集を立ち読みして参りました。問題の分野が歴史から何からと多岐に渡っていて幅広い教養が要求されるイメージを受けました。わたくしの県では「自然科学」という分野で数学や物理が扱われているようです。県によって異なるのかもしれませんが。
問題を見たところ、数学は「数式の処理」の問題と、「図形の処理」の問題とに二分されるように思います。数学の問題に対する気構えですが、各々の試験についてたとえば「公務員試験の数学」という科目の試験を受ける、というな気持ちで割り切ってしまうべきだと考えます。たとえば大学受験業界においては、「○○大の数学」と「△△大の数学」では別な教科であると考えても差し支えないとさえ考えます。偉大な「学問」を試験という形式に歪曲したものにすぎないのです。故に過去問は数年分暗記する方向で戦うのが現実的かと思います。
「数式の処理」系の問題について。「何の知識について問われているのか」を練習問題を解くうえでいちいち確認しましょう。具体的には、問題文とチェックポイントや公式集のようなものとを自在に反復運動できる力をつけることです。筆者も模擬試験が終わったときにはその帰り道で数学のできる友人に「あの○○の問題はどうだった」とか話しかけるものです。この発言で留意すべきなのはなんだと思いますか。「“あの○○の問題”はどうだった」と、ある問題を一言で換言していることに他なりません。自分が無理なく使うことのできる言葉のレベルでイイカエをしてみるのです。
恥ずかしながら掲載してみますが、これは筆者が大学受験時代に使っていたノートの一部です。煩雑な式を自分なりにイイカエをしている様子がうかがえます。0.3の青ペンでメモしていくと、自分の中でルールづけをしていました。数式というなかなかとらえどころのないようなものを記憶していくという作業は筆者も含めた大部分の人間にとって容易なことではありません。しかし、「言語化すること」によって記憶も可能になってくるのです。
今日立ち読みしてきた公務員試験の問題には、「恒等式のやつね」と一言でイイカエできる問題に出会いました。私ならこの問題をこう勉強していきます。
1.「恒等式のやつね」と心の中でつぶやく。
2.恒等式→「両辺一緒」という漠然としたイメージを瞬時に思い出す。
3.だから両辺の係数を比較していけばいいんじゃね
4.xに式がきれいになる数字をぶっこんでも(代入しても)文字が一つしかわからないな
5.だから展開して整理して係数比較。
6.以下丁寧に計算して終わり
こんな感じです。このような「思考の過程」を暗記していきます。今わたしがこの問題を解いていって頭にいれようとするなら、おそらく鉛筆で書いていった式変形のわきに青ペンで「展開して整理」とか書き込んでいるはずです。「言語化」できれば、問題を見直したときにも、「展開して整理」などの文字をみれば「ああなるほどねそうだったね」と合点行くはずです。この作業によって、試験場でも知識を引き出せるのではないでしょうか。言語化していったものをパターン化していけば、問題の数などたかだか大したことはないでしょう。
「私は数学における暗記と文系の暗記の種類が違うと考えている」とご質問にもありましたが、文系的な科目が「言語」→「言語」のようなイイカエ作業をできれば十分なところを、数学のような科目では「数式」→「言語」に変換するのが実は要求されているというむずかしさがあるのだと考えます。おそらく、数学が得意な人というのはこのイイカエ作業を無意識の間にできているはずです。言語化の過程を経ることで知識の蓄積を行っていきましょう。「数式という漠然とした雰囲気のただようムズカシイモノ相手と思っているようでは暗記など通用するはずもありません。自分の言語レベルまで次元を下げていったもので考えるのです。いわば、問題自体を「微分する」という感じでしょうか。こうすれば長期間記憶するのも容易になってきます。試験直前にはこの自分で言語化した問題の言語化したものを頭に入れ込んで、試験が開始したらその新しい知識を放出させてしまいましょう。
次に「図形の処理」系の問題について。いいですか、これも勉強の鍵は「問題の言語化」であると思います。
流石にこれは思いつかないだろうという補助線が要求される超難問というのも図形の問題には存在します。受験される過去問にそのようなもの悪問とも呼べそうなものが出題されているのなら捨ててしまうのが実践的です。独特の高次元なセンスが要求される問題のことです。微分積分を自在に扱えるほどの数学力の持ち主がその図形問題を解けるかといってもそうでもありません。それだけ学問的には奥深い領域であることは事実です。
図形の問題の思考回路は、求められている数量はこれ。これをしるためにはこれが必要。と考えていってその「逆」をたどって計算すれば、答えが導けるというものがほとんどです。「これが必要」という式を代数学的な問題においては、target equationと呼ぶ人もいます。この思考のリレーをするためには何が必要か。チェックリストとして問題集の巻頭に載っているな知識をこれかな、それともこれかなと頭の中であてはめていく力です。「三角形の相似」とか「直角三角形の辺の比」とかそういうやつです。それらが頭に入らないようなら急がば回れで、定理を証明する勉強をしましょう。その証明を覚えることで図形の捉え方というものがわかってくることもあります。
かかる勉強をしていってまた新たに問題を解きます。そうすれば、問題用紙に印刷されてある図形も「三角形の相似がテーマ」だとかいった具合に言語化できていくのです。
しかし、こういう図形の問題というのは、出題者側からすればネタギレといっても過言ではないでしょう。斬新な切り口の問題なんてそうそう作れるものではありません。万が一作れて出題されても受験生は解けないでしょう。出題者も苦心して新しい問題に「見えるだけ」の問題を毎年作っているのではないでしょうか。ですから一問でも多く過去問を解きましょう。相手は所詮「公務員試験の数学」という科目にすぎないのです。試験会場でも「広義の、過去問と同じ問題」に必ず出会うはずです。
数学力というのも一朝一夕に身につくものではないという厳しい現実もあります。しかし所詮は試験なのです。時間の短さを嘆くのは無意味です。目の前の問題を一問でも多く。この精神で戦い抜いてください。ましてや理系の科目というのは「毎日やる」というのが試験に戦う意味では非常に重要です。悠さんの健闘をお祈りいたします。
(数学のノートを引っ張り出して来たらまだまだ大学受験レベルのものも教えられる気がしてきた人(笑))
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