可愛げのある女の子から「たきいくんは部屋が汚いイメージ」と言われました。ショック。そのときの自分の部屋を眺めてみました。確かに汚い。2度ショック。すかさず掃除をはじめちゃいましたとさ。自分単純すぎて泣ける。医大生・たきいです。
電車に乗っていたら、広告が目に留まりました。
「忘年会の真っ只中、
得意先から着信12件」
みただけでゾワゾワしちゃうようなフレーズです。某胃腸薬の広告のよう。
因みに、“「咳」も「下痢」も止めるな出せよ”がこの業界の鉄則です。要は毒は出せっていうこと。小さい時から親からそう聞かされていたせいか、これって自分のなかでは常識ですが、意外に世間一般には馴染みがないような気がします。胃腸薬なんて飲んだことがないけど、使う人って意外に結構いるものなんでしょうか。
いろいろイイタイコトもあるけれど、そんなことはどうでもいいんです。
「忘年会の真っ只中、得意先から着信12件」
このフレーズの巧みさについて考察したい。
プロのコピーライターってすごい。やはりこのコピーの魅力は、「着信12件」に尽きるでしょう。
これが巧みな理由は以下の通り。
1)情景が浮かぶ
忘年会シーズン。今日くらいは無礼講で楽しみたいもの。しかし、いくら無礼講とはいっても席ではスマホを取り出すわけにもいかず、恐らくトイレに立ったときにスマホを開いたのでしょう。楽しげな気分で用を足し、ふとスマホを見る。そこで「着信12件」とは今にもお腹が痛くなってきそうです。「着信12件」とは結構長い時間にわたってかかってきたに違いありませんから。
2)7→5→7から崩してきた
音のリズム。「ボウネンカイノ/マッタダナカ/トクイサキカラ」で、7・5・7。続く「チャクシンジュウニケン」です。明らかに「着信12件」だけ外れて浮いている印象でしょう。この不規則さによって強調が生まれています。
3)理系の人ならわかってくれる?
「12」という数字の魔力。無意識に素因数分解したくなるのは筆者だけじゃないはず。「12」という数字を見れば、
「ににんがし、しさんじゅうに」と無意識に計算してしまうはずです。割れる数があるということは、その数にそれだけ関わっているものが多いということ。複雑に絡むその姿は、ずばり得意先との交渉の複雑さとのアナロジーでありましょう。だからこそ、「12」でなくてはならなかったに違いありません。このコピーにおいては、「11」でも「13」でも不正解なのです。
自分の妄想で、技法について考察してみたけれど、プロの技というのはもっと深いものなのでしょう。ちょっと言葉の世界に足を踏み入れている人間としてはもう少し探ってみたいところ。
(ちょっとお酒は我慢しようと思った翌日にお酒を買っていた自分に呆れた人(笑))