500匹と暮らした文豪「大佛次郎と猫」¥1500 という本が小学館から発売になりました。
資料写真が豊富に入った、手軽に読める本です。面白い本です。
そのなかに「泥棒と猫」というエッセイがありますが、おかしいですね。
話は、大佛次郎の家に泥棒が入った話ですが、そのとき家にいる15匹の猫たちが
まったく騒がず、泥棒は家人やお手伝いさんも気がつかれずにまんまと大金を盗んでいった。
あの猫どもはいったい何していたのかと怒るのですが・・・
犯人が捕まって驚いたのは、この家に出入りしていた魚屋の若い衆だった。
猫たちにとっては、新鮮な魚を持ってきてくれる、大切な人だったのです。
ですから、大歓迎はしても、騒ぐ相手ではなかったのです。
大佛次郎は「驚いたね、うちの猫たちは!」と絶句するしかなかったと嘆いています。
思わず笑っちゃいました。猫はイヌと違って不審な侵入者が入ってきても騒ぎません。
イヌは怪しいものが来たら、リーダーである飼い主や仲間に吠えて警報を発するなどしますが、
猫はきっとだまって隠れてじ〜っとしているだけでしょう。
単独生活者ですから、仲間に知らせるという習性はもっていないのです。
自分さえ無事で襲われなければそれでいいのです。それが猫の習性なのですね。
ただ、じぶんの子どもと同様と見なすものを守るためには、命を張ります。
イヌに襲われた飼い主の子どもを命をかけてイヌを追いはらった映像が有名になりましたが、
母性本能を刺激されるとねこも黙っていません。